2012年01月18日

書き初めは健康から

遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。
皆様方は、良い新年を迎えられましたか?

私は毎年恒例の正月行事を家族で済ませて、例年通り家でゆっくり過し、平穏のうちに仕事モードにチェンジし始めた1月4日。
明日から、いよいよ仕事始め。普段の生活に戻すため、ウォーキングに出かけようとしたとき、「キュルルル」。突然お腹の調子がおかしくなった。
少し様子を見ようとコタツに入ったが、どんどん具合が悪くなる。何度もトイレに駆け込む。吐き気もする。胃の辺りが絞り上げられるように痛む。これはただ事ではない。
仕事柄、何度かインドやタイなどアジアの国に行き、運悪く食中毒やそれに近い症状を幾度か体験が、これはそれらと同等もしくはそれ以上の未体験ゾーンに突入したかもという予感が…。

予感は的中。その日から三日三晩苦しむことになってしまった。
血液検査の結果、CRP値が異常に高く、腸に菌が入って炎症を起こしたらしい。
数種の薬を飲んだがなかなかよくならず、多少の風邪では減退しない食欲もまったくない。
水分もほとんど体を通り抜けて、脱水症状の影響なのか体温は35.4度。平熱より1度以上下がってしまった。

こんな状況になると、人間、いきなり反省モードに入る。
暴飲暴食はやめよう。早寝早起き、毎朝欠かさずウォーキングをしよう。持病の薬は、毎日必ず飲もう。
次々と反省を思いつく。いかに普段、身体に対して裏切り行為を行っているかということだ。日ごろの不摂生が原因だとは、お医者さんは言っていないが、自分自身が一番わかっている。

本当に調子が悪いと、お医者さんの言うことをよく聞く。薬も服用時間や用法用量を守るし、飲食物にも気をつけた。
その甲斐あってか7日には何とか調子が戻ったが、大事をとって無理をせず体を休めることにした。9日は、板橋教育科学館での毎年恒例の「お正月実験ショー」が予定されており、子どもたちが多く集まるのだから完全に治しておかないと…。
 
そして9日。調子も体重もすっかり元通りになり、科学館へ向かった。
実験テーマは、「科学で書初め」である。
ヨウ素デンプン反応や塩水の電気分解、静電気など身近な科学現象を使っての書初めである。今回は化学反応を利用した実験が多いため、下準備に時間がかかる。普段なら少し面倒に感じることも、今回は健康になった喜びとともに準備した。
物事は何でも気の持ちようである。

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「お正月実験ショー」は、大勢の親子が参加してくれて、準備した実験もことごとく成功。しかも、子どもたちはただ不思議な現象を見るなく、「なぜ、どうして」といった科学的な疑問を持ってくれ、質問や意見が活発に飛んだ。
日本の将来もこれなら明るい!と思わせてくれた、手ごたえのある実験ショーとなった。

実験ショーの後に行われた「ベーゴマ大会」でも、子どもたちの明るい未来を予見させるでき事があった。
大会は、大人も子どもも同じ土俵で戦う年齢制限なしのトーナメント方式。
最初の対戦は、1m90cm近くの大男と1mちょっとの年長さん。
明らかに大男の圧勝と思われるが、実際には年長さんの勝ち。
身体は小さいがコマの扱い方やベーゴマのまき方は、まさに名人芸。ベーゴマを覚えて何十年も経つような手つきである。
やはり、鉄は熱いうちに打てである。
最近の若手プロゴルファーも、始めてクラブを握ったのは2歳とか3歳という人が増えいると聞く。
子どもの吸収力には、いろいろな場面で本当に驚かされる。

その年長さんが自分のミスから3試合目で負けてしまった。
負けが決まり席に戻るや、母親の胸で大泣き。相当悔しかったらしい。
コンピューターゲームは、すぐリセットしてやり直せるが、リアル世界ではそうは行かない。
人間は、いろいろ挫折を味わって成長する。
昔の子どものように実生活での体験があまりできなくなった現代では、この子はいい経験をしたと思う。
ほかにも2人の子供が試合に負けて泣いた。
悔し泣きの姿を見て、「この国はまだまだ大丈夫」と思った。

今年も板橋教育科学館では、夏イベントや発明展など多くの催しが予定されている。
折に触れ、普段経験できない刺激を子供たちに与えていけたらと思っている。
それが子どもたちの明るい未来につながると信じて。
そして体調管理のため、生活習慣も改めて…。
 

2011年12月22日

大分県知事が来社

先日、大分県の広瀬知事が正月番組の収録のため学研に来られた。
大分放送の正月特別番組で1月2日(7時~)に放送される1時間の対談番組である。

広瀬知事の対談の相手は、私!?
2ヶ月前くらいに出演依頼の連絡を受けたとき、正直人違いだと思った。
TVで有名なサイエンスプロデューサーのY先生とか?
それともうちの社長かもしれない…
他にもいろいろな方の名前が頭に浮かぶ。
お受けして、打ち合わせ等で進めていくうち人違いだと判明したら、先方に申し訳ないし、こちらも身の置き所がない。
聞きづらいことだが、確認してもらうことにした。
すると、
「子供の科学教育のことや科学のふろくの開発、大人の科学についていろいろお聞きしたい」
とのこと。
ここまで内容が絞り込まれれば、ほぼ私に間違いないだろう。
私には荷が重いと思ったが、依頼された仕事はなるべくお断りしないことをモットーにしてやってきたので、今回もお引き受けすることにした。
しかし、この「お受けしましょう」の一言が、私が「気が重い」と言っているだけではすまない事態を招くこととなった。
知事が来社されて、しかも正月特別番組1時間の収録をするということは、私の想像をはるかに超えた大変なことだったのだ。
広報室や秘書室、防災センターなど関係する部署と、警備体制や収録場所のセッティングから、飾るお花やお出しするお茶の準備まで、大から小までさまざまなハードルを越えていかなければならなかった。

関係各部署、担当者のご協力をいただき、また当日もその場その場の対応が要求されたが、概ねスムーズに進行することができた。
広瀬知事も非常に気さくな方で、いろいろとお気遣いいただいた。
おかげで、必要以上に緊張することもなく収録に臨めた。
事前に知事のプロフィールを拝見していて、すごい経歴の人だと身構えていたのだが、良い意味で拍子抜けだった。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」とはまさにこういう方のことをいうのだなと思った。
滞りなく収録を終えられた達成感と、広い視野と深い思慮を持つ方と言葉を交わすことができた充足感で満たされた。

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やはり自分のところに飛び込んできた仕事は断ってはいけない。
断っていたらこんな充実感は味わえなかっただろう。

2011年12月13日

科学のツリー

クリスマスが近づいて街がイルミネーションで彩られると、子どものときのように胸がワクワクする。
残念なことに、我が家では子どもも大きくなり、クリスマスツリーもここ数年は出番がない。
ツリーに飾り付けをするときが、ワクワク度MAXだったのだが…。

ところが、思ってもみなかった嬉しい話が飛び込んできた。
我が社のロビーにクリスマスツリーを飾ることになったのだ。
それも社長の発案で、今の社会情勢を配慮してできるだけ電飾を押さえた
地球に優しいエコツリーとし、しかも「科学の学研」らしい科学の楽しさの詰まったツリーを…
ということになったのだ。
そして、それが科学創造研究所に託されたのだ。こんな嬉しいことはない。
クリスマスツリーの飾り付けに加われるばかりか、科学的な仕掛けも思う存分盛り込めるのだから。

ただ、厳しい条件が1つ。飾り付けまでに与えられた時間は10日ほど。
しかも「実験のアイテム数は10個は欲しいですね♪」という無邪気な担当者の要望が加わった。
これらをクリアーするためには、1日1個のペースで制作しなければならない。
なので手放しで喜んでばかりはいられない。すぐにアイデアを練り始めた。
自分の好きな分野の仕事というものは、脳も全面的に協力をしてくれるもので、
大まかな方向性はすぐに決まった。
手回し発電機を10個ツリーの周りに配置して、それを回すと仕掛けが作動するというものだ。
煙突を登ったり降りたりするサンタ、空中を飛び回るトナカイとサンタ、
電車も走り回ったら楽しそうだ。アイデアは次から次に出てくる。
実験だけでいいのであれば、私でもできるが、せっかくのクリスマスツリーなので、
「科学のタマゴ」「大人の科学」で数多くの試作を手がけてくれた
デザイナーの黒沢さん(会社の先輩でもあるし、中学校の先輩でもある)にお願いすると、
二つ返事で了解してくれた。こんな無茶な話を・・・感謝、感謝。

翌日、打ち合わせに現れた黒沢さんも自分なりのアイデア持ってきてくれた。
私のアイデアも織り交ぜながら打ち合わせていくと、二人の脳がフル回転し、
あっという間に10アイテムが固まった!
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      黒沢さんと。

予定通りに作品が完成し、先日、クリスマスツリーの点灯式を
宮原社長と「学研こども園」の皆さんと行うことができた。
正直、5~6歳のお子さんではちょっとむずかしいかなと一抹の不安があったが、
予想以上に子供たちの反応がよくほっとした。
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出来上がった作品は次の9つ。(1つは、作品が重過ぎて飾ることができなかった…)

○空中をくるくる サンタさんとトナカイ
 モーターが回ってツリーのてっぺんに取り付けた
 モビール状のサンタさんとトナカイがくるくる回転。
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○煙突の中で大忙し ふわふわサンタ
 ブロワーを作動させ空気の力でサンタさんを
 煙突の先端まで持ち上げる。吹き矢の原理を利用。
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○音と光で盛り上げろ 電子ブロックミニ登場
 発売したばかりの「大人の科学マガジン・電子ブロックミニ」も発電機で作動。
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○にぎやかサンタさん
 サンタさんにセットされた光ファイバーからいろいろな色が放たれる。
 手に持ったろうそくを揺らすのが可愛い。
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○音と光で鮮やかに クリスマスカード×2種
 クリスマスカードに仕掛けたLEDが光り、音楽も流れる。
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○走れ!ブルートレイン
 12V仕様の模型機関車が走る。スピード調節も発電機で思いのまま。
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○くるくるミニセロス
 セットしたブロワーから風が吹き出ると、
 その風が「大人の科学マガジン・ミニセロス」の風車に当たり動き出す。
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○浮かぶ文字「X’mas」
 「大人の科学マガジン・ジャパニーノ」で空中にX’masの文字を描く。
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みなさんも一回、学研本社へ見にいらっしゃいませんか?
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2011年11月21日

相対性理論の考察と未来の家族

先日、あらためて「時間」とは何かを考えてみる機会があった。
だが、今まで分かっているつもりだった時間だが、つきつめてみると実は奥が深くよく分からなくなってきた。

そもそも「時間」とは、いつからあるのだろう。
宇宙が誕生する前は、何もない無の世界だったといわれているので、ビッグバン直後に空間やエネルギーとともに時間も生まれたということになるらしい。
では、宇宙が誕生してから137億年のあいだ、時間は常に等しく進んできたのだろうか。実は、そうでもないらしい。

アインシュタインが1905年に発表した特殊相対性理論によると、速く動いている人の時間は、止まっている人の時間よりもゆっくり流れている。
もしも、光に限りなく近いスピードで宇宙を進むロケットに乗ったとすると、ロケットの中の1年は地球上では何十年も経過してしまっていることになるというのだ。
この理論は、私たちの普段の生活とかけ離れているようだが、実は多くの人が体験している。
たとえば、時速300kmの新幹線で博多まで行ったとすると、博多で暮らしている人とは違う未来へタイムトラベルしたことになる。
つまり特殊相対性理論により新幹線で移動している間は僅かであるが時間がゆっくり進むからだ。
そうは言っても、10億分の1秒の未来世界なので実感することは全くできないのだが…。
当然、飛行機に乗って移動したときは、新幹線のときより少し先の未来へ行くことになる。

私は、仕事柄飛行機や新幹線をよく利用する。
移動の間は、座って本を読むか、うたた寝をするかのどちらかだ。だから体力はそれほど使わない。
それなのに僅か数時間の移動の割には、なんともいえない疲労感に襲われるので不思議に思っていた。
でも、次回からは、未来へのタイムトラベルをしたための疲労ということにしよう。
そう思うことで気持ちがワクワクして疲れが吹き飛ぶような気がするからだ。
特に家路につくときは効果てきめんのはずだ。
未来の家族に会えるのだから。

2011年11月10日

秋岡芳夫展

 心待ちにしていた「秋岡芳夫展」。
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秋岡さんの名前は、創刊当時の「科学の付録」のデザインで大変お世話になった方としてよく知っていた。
当初は個人的な立場で企画に参画してくれたが、しばらくして秋岡さんが仲間と作った、戦後日本の工業デザインの草分け的な事務所「KAK」にお願いしていた。
残念なことに、私が「1年のかがく」の編集長として付録の企画に携わったときには、秋岡さんはKAKを去られていたため、仕事をご一緒する機会には恵まれなかった。
ただ、その後も仕事関係の人から度々秋岡さんの話は聞いていたし、その頃観たNHKの番組で「科学の付録」を手に持って熱っぽく語られている姿は強く印象に残っている。
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目黒区美術館の方が今回の展示企画の相談に来られたのは、1年ほど前のことだった。
集めた資料を基に、熱心に話される様子は非常に好感が持てた。
説明を聞くうちに自分の中の秋岡像がどんどん膨らみ、
「何と多才な人なんだろう。仕事をこれほどまでに楽しんだ人は、そういないだろう」
と感じた。秋岡さんに直にお話を聞いてみたいと心底思った。
ただ、14年前に他界されているので、お会いすることは叶わない。
作品を通して、または使った道具を通して、少しでも秋岡芳夫という人を肌で感じられればと、当社に保管していた秋岡さんデザインの付録や資料などをお貸しすることにした。
館に入ってすぐ目に飛び込んできたのは、晩年取り組んだ、「スーパー竹とんぼ」の作品群だ。
生涯制作した竹とんぼは、5000種類を越える。
その中から今回千数百もの作品が展示してある。
それらはウイスキーのビンに無造作に刺されている。
しかし、そのビンには秘密があった。
秋岡さんはお酒をこよなく愛し、しかも理科の実験器具に似たビンも大好きだったのだ。
だからこのビンは、秋岡さんが竹とんぼを作りながら飲み干したウイスキーのビンなのである。
この展示を見ただけでも、少し秋岡さんの人となりに近づけたような気がする。
また、仕事部屋も再現されている。愛用の机も道具も本物だ。
一気に秋岡ワールドへ入り込む展示構成になっている。

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2階へ行くと、「科学の付録」をはじめラジオ、カメラ、バイク、ジューサーなどの工業デザインを始め、童話の挿絵、ワークブックの装丁、紙工作など、その多彩な才能が垣間見える展示物が並んでいる。
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商品としては世に出なかったが、学研の学習机の企画もある。
子どもの心や身体の発達段階を克明に研究し、子どもが活き活きと使いやすい学習机を考案している。
それは現在でも色あせることのない斬新かつ機能美溢れるデザインである。
単なる仕事ではなく、自身が楽しんで作ったことが伝わってくる。

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秋岡さんを表して
「子供のための大人であり、大人のための子供でもある」
と展示パネルにあったが、まさに言い得て妙である。
そして
「楽しくなければ仕事ではない。楽しい仕事でなければしない」
とした仕事へ取り組む姿勢は、うらやましくもあり、少しだけ自分にもオーバーラップする部分を感じた。
この展覧会は、ものづくりの素晴らしさと厳しさを再認識させてもらえた。
会期はほぼ2ヶ月あるので、しばらくしたらまた秋岡ワールドへ行ってみようと思う。
ただし、元気がみなぎって絶好調のときか、
落ち込んでどうしようもないときのどちらかにしようと思う。
そのほうが、次へのステップに弾みがつきそうだから。