火事場のくそ力?
「子供のときにこんなキットがあったら、人生変わっていただろうな」
これは、自分でも想定外のアイデアが出たときに思わず口をついで出てしまうフレーズである。
ただこれは、相当な傑作(自分で言うのもなんだが)でない限りなかなか発することはできない。
今までに数多くの科学雑誌のふろくや実験キットを創り出してきたが、記憶に残っているものを整理してみると、自分を上手く追い込めたときにいい作品が出来上がったようだ。
ただ、自分で自分を追い込むのはなかなか大変。だから、自分が主体となって開発を進めたものより、他人に依頼されて開発したもののほうが、良い作品になる確率が高いようだ。
科学創造研究所には、さまざまな依頼が飛び込んでくる。
先日もある科学コンテストの「会場で盛り上がる問題作り」を依頼され、所員と一緒に問題作りに励んだ。
なかなか納得できず、締め切りぎりぎりに搾り出していると…つまり自分たちを追い込みだすと、普通では思いつかない想定外のアイデアが生まれたのである。
今、海外の玩具メーカーと共同で新商品開発に取り組んでいるのだが、諸事情により自分をかなり追い込む状況に陥り、産みの苦しみをさんざん味わった後、とうとう冒頭のフレーズが出てきた。
ただ、これは自分の評価であって、まだ商品になったわけではない。ここで作品をお見せして評価をいただきたいところだが、契約上それもかなわない。
来年の今頃、実はこの玩具だったのですと、ここで紹介できるような機会が来ればいいのだが・・・。
想定外のアイデアは、TV局の企画でも同じようなことが言える。度重なる打ち合わせの中で、「ひょっとするとこんなことできるかもしれない。」と後先考えずに言ってしまうことがある。
一応、原理とか今までの経験を踏まえて言っているのだが、半分以上は上手くいかないだろうなと思っている。でもできたらおもしろいだろうなぁと思うので、ワクワクが抑え切れなくなって言ってしまうのだ。
たいがいTVディレクターはそういう企画に飛びついてきて、すっぽんのように離さない。
言いだしっぺが自分だから、仕方がないのだが、それから実現に向けての果てしない予備実験が始まる。
不思議なのは、予備実験初っぱなは上手くいってしまうのである。
そして、TVカメラの前で確実に行える実験にまとめ上げるのに想像以上の苦労をすることになる。
そのような苦労の末にできたのが、「飛び出せ!科学くん」で昨夏に放送した「液体窒素ロケット」や、今年の正月に放送された「鏡餅に録音する実験」などである。
こうして書いていたら見えてきた。結局、火付け役は自分!?
