ヨーロッパ
連合,European Unionの
略称。1993年11月,
マーストリヒト条約(ヨーロッパ
連合条約)の
発効により,EC(ヨーロッパ
共同体)に代わって使われるようになった
呼称。

本部は
ベルギーの
ブリュッセル。
加盟国は27か国,
統一された
通貨(ユーロ)を
導入している国は16か国(2009年1月
現在)。
〔ヨーロッパ統合の提唱〕 第二次世界
大戦以降のヨーロッパは,
冷戦体制による東西
分割の
影響もあり,
政治的・
経済的な
影響力をはげしく
低下させた。このような
状況から
再生するために,ヨーロッパ
諸国の間で
強固な
協力関係を
結ぶことが
提唱されるようになった。そこで国民国家の
枠を
越え,
資源・市場の
共同利用をはかる
経済統合を第1
段として,
統合が進められることになった。
〔ヨーロッパ統合の基盤〕 アメリカによるヨーロッパ
経済復興援助計画(マーシャルプラン)受け入れのために,1948年,OEEC(ヨーロッパ
経済協力機構)が
設立,
統合の出発点となった。
参加したのは
フランス・
旧西ドイツ・
イタリア・
ベルギー・
オランダ・
ルクセンブルクの6か国で,1958年にはEEC(ヨーロッパ
経済共同体)へと
発展。また,ECSC(ヨーロッパ石炭
鉄鋼共同体,1951年)や
EURATOM(ヨーロッパ原子力
共同体,1958年)が
設立され,この3つの
共同体がヨーロッパ
統合の
基盤となった。
〔ECの成立〕 1967年,EEC・ECSC・
EURATOMはEC(ヨーロッパ
共同体)として
統一された。ECは,ヨーロッパ理事会(EC
首脳会議)・ヨーロッパ委員会・ヨーロッパ
議会・
国際司法裁判所の
共通機関をもち,
(1)
加盟国内の
関税・
貿易制限を
撤廃する,
(2)
共通の農業・エネルギー・
運輸政策を
実施する,
(3)
資本や
労働力の自由化を進める,
などを
実現。1973年にはイギリス・
アイルランド・
デンマークが
加盟(
拡大EC),1981年にはギリシャ,1986年にはスペイン・ポルトガルが相次いで
加盟,計12か国となった。この間,1979年にEMS(ヨーロッパ
通貨制度)が発足,ヨーロッパ
統合を
通貨面で進める。一方,市場
統合の面では,1987年,
単一ヨーロッパ
議定書が
結ばれ,1992年には3
億4000万人の人口をもち,アメリカをもしのぐ
単一市場が生まれた。
〔ECからEUへ〕 1989年のベルリンの
壁崩壊や1991年のソ
連消滅を受けて,1991年
末,ヨーロッパ理事会は,20
世紀中の
経済通貨統合(ヨーロッパ中央銀行の
設立と
統一通貨の
導入)と
政治統合(
共通の外交・安全
保障政策)をめざして,
マーストリヒト条約を
結んだ。これにより1993年,ECはEUへと
発展した。
〔通貨統合と政治統合〕 通貨統合として,1994年に
設置されたEMI(ヨーロッパ
通貨機関)が
単一通貨「ユーロ」を
導入し,1999年,11か国からなる
単一通貨圏「ユーロランド」が
形成された(2001年1月よりギリシャ,2007年にスロベニアが
参加。計13か国となる)。ユーロは,
当初,
政府・銀行・
企業の
帳簿上で使用され,2002年1月1日から
実際の
紙幣・
硬貨の使用が開始されている。一方,
政治統合の面では,1997年にアムステルダム
条約が
成立。この
結果,
共通外交・安全
保障政策(CFSP:Common Foreign and Security Policy)については,全会
一致を
原則としながらも,
棄権する国は
議決実行の
義務を負わないこととした。
〔EUの課題〕 2004年と2007年の中・
東欧諸国と
バルト3国の
加盟によりEUは27か国
体制になったが,
加盟国間の
経済格差や
労働者の流入などの問題が生じている。また,全
加盟国の
批准によって
発効する,EUの
大統領・
外務大臣の
新設・
欧州議会の
権限強化を定めた
改革条約(
欧州憲法条約)の
批准が
遅れていること,トルコなどの
加盟問題が今後の
課題である。