知っているようで知らない、知らないようでやっぱり知らない科学のキーワードを、ニュースの中から選びました。友だちにちょっぴり差をつけ、先生にも思わずじまんしたくなる科学の用語集だよ!
グリーゼ581c(Gliese 581 c)
宇宙人がいるかも!? 「グリーゼ581c」という新しく見つかった惑星には、生きものが存在するんじゃないかっていわれているよ。
イラスト=ウメゴロー
地球に似た惑星「グリーゼ581c」
「グリーゼ581c」は12カ国の共同研究機関ヨーロッパ南天天文台(ESO)のスイス・フランス・ポルトガルの科学グループによって発見されました。2007年4月25日に発表されたこの星は、地球のある太陽系から20光年もはなれていますが、地球に似ていて、水や生きものが存在する可能性があるのではないかと注目されています。
20光年は約200,000,000,000,000km(1光年は約10,000,000,000,000km)
どうして生きものが存在する可能性があるの?
そもそも、どうして地球にはいろいろな生きものがいるのか考えてみましょう。地球は、恒星(みずから光を放ってかがやいている天体)である太陽のまわりを回っている惑星で、太陽の光をあびてほどよく温められています。ほどよく温められていると、水が液体として存在できます。
また、地球の生きものは水の中で生まれたと考えているので、水の存在も重要なのです。
ほどよい温かさと水があると、もしかしたら地球のように生きものが存在する可能性があるのではと期待されるのです。
しかし、同じく太陽のまわりを回る惑星でも、金星のように太陽の近くを回る惑星で
は、表面温度が高すぎたり(平均約464℃)、火星のように太陽の遠くを回る惑星では、表面温度が低すぎたり(平均約マイナス63℃)して、生きものが存在する可能性は低いと考えられます。
つまり、生きものが存在するためには、地球のように、太陽からちょうどいい距離のところを回っていることが必要なのです。このように、生きものが存在するのにちょうどよい温度になるところをハビタブル・ゾーンと呼んでいます。
【図1】太陽系のハビタブル・ゾーン
今回、発見されたグリーゼ581cは、グリーゼ581という恒星の周りを回る惑星で、ちょうど、グリーゼ581のハビタブル・ゾーンにあるのです。だから、グリーゼ581cには生きものが存在するのではと期待されているのです。
どうして20光年もはなれた惑星「グリーゼ581c」のことがわかったの?
グリーゼ581cは、ヨーロッパ南天天文台(ESO)が、南アメリカのチリにあるラ・シーヤ天文台に設置した直径3.6メートル望遠鏡で発見されました。20光年もはなれているので、惑星の形が見えるわけではありません。この望遠鏡には、HARPS(高精度視線速度系外惑星探査装置)という光のわずかな変化を分析する装置がついています。
まず、恒星グリーゼ581の光が観測されました。そして、その光がほんの少しだけぶれていることを、HARPSで発見したのです。その光のぶれは、グリーゼ581の周りを回っている惑星があることを意味しています。恒星に惑星が存在すると、その惑星の重力に恒星が引っ張られて、観測される光がぶれます。まわりを回る惑星が小さいほど、恒星のぶれも小さくて観測が難しいのですが、HARPSはそれを見逃しませんでした。こうして惑星グリーゼ581cが発見されました。
【図2】ラ・シーヤ天文台の望遠鏡とHARPSが恒星からの光を観測
・惑星をもたない恒星の光はぶれない。
・惑星をもつ恒星の光はその惑星の重力の影響でぶれる。
恒星グリーゼ581は、太陽の3分の1の大きさで、惑星グリーゼ581cは、直径が地球の約1.5倍(密度が地球と同じだとすると)で、重さは5倍ほどの惑星だということがわかっています。惑星グリーゼ581cに水や生きものが存在しているかどうかはわかっていませんが、恒星グリーゼ581のハビタブルゾーンにあることはわかっているので、地球のような生きもののいかもしれない、となったのです。
監修=川崎青少年科学館学芸員 国司真
国立天文台 広報室(日本語)
ヨーロッパ南天天文台(ESO)プレス・リリース(英語)
日時: 2007年5月14日 18:00 | パーマリンク
