![]() |
![]() |
|
今年3月ごろから、アジアを中心にたくさんの人がかかった新しい病気SARS(サーズ)。ようやくおさまる気配をみせているけど、油断は禁物。SARSの原因だといわれているウイルスっていったい何だろう。どうすればかからなくできるのかな?ウイルスのなぞにせまってみよう。 |
|
| インフルエンザウイルス(出典=Electron micrograph Home page) |
「ウイルス」は、ちいさな生物?
今年の春、新しい病気が出現して、世界をふるわせた。それがSARS(重症急性呼吸器症候群)─38度の高熱と、せきや呼吸が苦しくなるなどの症状があらわれる肺炎だ。
SARSの原因は、新しく発見された「ウイルス」。パソコンのウイルスじゃないことは、わかるよね。ウイルスは小さい。大きいものでも、100ナノメートル、1mm(ミリメートル)の100分の1のさらに100分の1の大きさ!! ウイルスは遺伝子をたんぱく質がおおっているだけ、というシンプルなしくみをしている。遺伝子とは、生物の設計図のようなもの。しかし、設計図が入っていても、それをもとに増殖する(子どもをつくったり、分裂したりしてふえる)しくみをウイルスは持っていない。だからウイルスは、他の生物の体にある細胞を乗っ取り、その細胞を利用して増殖するんだ。
生物の定義は、食べ物など、エネルギーになるものを取り込むこと、そして、自ら増殖できることなので、ウイルスは遺伝子は持っているけど、自分では増殖できないので、厳密な意味では生物ではないんだ。
食中毒の原因となるサルモネラ菌や、ヨーグルトを作る乳酸菌などの「細菌」は、同じように小さいけれど、自分だけでふえていくことができる、そこが大きく違うんだ。大きさも、ウイルスの10倍以上ある。
ウイルスでなぜ病気になるの?どんな病気があるの?
ウイルスが体に入ると、なぜ病気になるんだろう。
細胞はウイルスに乗っ取られると、ウイルスの子どもをどんどん作る。1日で100万個にも増えるウイルスもいるんだって。乗っ取られた細胞は、子ども作りに利用されたあげく、死んでしまう。新たに生まれたウイルスも別の細胞にとりついて次々と増えていくから、その細胞のある体の器官(鼻や肺など)は、うまく働けなくなる。そうやって病気になってしまうんだ。
ウイルスが原因の病気はいろいろある。みんなが年に1度くらいはかかってる「かぜ」も、90%がウイルスが原因なんだって。「インフルエンザ」や、小さいころにかかる水ぼうそう、風疹(三日ばしか)もそうだ。
SARSのような命にかかわる病気としては、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)によるエイズ(AIDS 後天性免疫不全症候群)が有名だね。
ウイルスによって病気になるのは、動物だけじゃない。植物にはんてんができるモザイク病も、ウイルスによるものだ。
新しいウイルスはどこからきたのか
ハクビシン
(出典=動物写真のホームページ)
SARSウイルスは、今まで見つからなかった、人類にとっては新しいウイルスだった。でも、いったいどこからきたんだろう。どうも、もともと鳥がもっていたのがハクビシンにうつり、それが人間にうつったと考えられている。鳥やハクビシンの体の中にいた時には、細胞を乗っ取ることなく、静かに生きていたが(こういう動物のことを「自然宿主」という)、人の体に入ったら、病気を起こす「悪いヤツ」になったというわけだ。
こういった形で突然現れる病気は、「エマージング感染症」と呼ばれている。
また、ウイルスは、自分の遺伝子と違う遺伝子を持った子どもを作る、というミスをよくする。これを「突然変異」というんだけれど、遺伝子が違えば、そのウイルスの特長も違ってきてしまうから、無害だったウイルスが、動物の体をうつっていく間に、病気を起こすウイルスに「変身」してしまうこともあるんだ。
体内の「免疫機構」が、ウイルスを撃退する!
さて、もし体の中にウイルスが入ってきてしまうとウイルスは増え続け、体はダメージを受ける。このままでは、体がウイルスに乗っ取られてしまう。そこで、このウイルスをやっつけようとするしくみがある。それが免疫機構とよばれる体のはたらきだ。
ウイルスや細菌など、病気の原因となるもの(病原体とよぶ)が体内に入ると、体内では侵入した病原体を撃退しようとする。そして病原体の種類ごとに、撃退するパターンがある。ある病原体にはAパターン、別の病原体にはBパターン…のように。そして、これらの撃退パターンは、病原体から攻撃されたときにつくられ、そして記憶される。だから、再び同じ病原体が侵入したときはすばやく対応できるんだ。逆に、初めて侵入してきた病原体に対しては、撃退パターンをつくるのに時間がかかる。その間に細胞がダメージを受けて病気になってしまう。病気になっているときも、体の免疫機構は一生懸命に攻撃パターンをつくり、ウイルスを体から追い出す。こうして、病気から回復するわけだ。この一連のはたらきが免疫機構。
体に侵入するウイルスの種類がわかっていれば、あらかじめ攻撃パターンを免疫機構に記憶させることができる。このはたらきをするのが「ワクチン」とよばれる薬だ。ワクチンが体内に入ると、免疫機構は撃退パターンをつくり出し、そのパターンを記憶する。ワクチンはウイルスの種類ごとに用意しなければならない。だから、インフルエンザの場合、いくつか種類があるインフルエンザのうち、今年はこの種類のインフルエンザがはやりそうだということが予想できたら、そのインフルエンザ用のワクチンを接種することが必要。もちろん、予想ははずれることもあるし、今まで流行したことがない新しい形のインフルエンザが現れることもある。ワクチンがあれば、ある程度予防はできるが万全じゃないということは知っておいたほうが良いね。
![]() |
かぜってどうしてひくの? 熱はどういう時にでるの? ふだんすっている空気の中にも、病気のもとがいっぱい。子どもがかかりやすい病気、気をつけなければいけない病気のことなど、まんがで詳しく解説する。 |
SARSはハクビシンから人間にうつったんじゃないかっていわれてるけど、動物から人間へうつる病気は多いんだ。それを動物由来感染症っていう。ペットからうつる病気もある。「実際にあったこんな話」では、いろいろな病気をお話じたてで説明してくれているよ。
たれりゅうの細菌ミルミル身近にある「細菌」の写真を紹介しているよ。乳酸菌飲料やヨーグルトに入っている菌や、手についているばい菌、自然にあるばい菌など、思わず回りをみまわしてしまうね。
カワイイ動物達の写真がいっぱい!
国立感染症研究所 感染症情報センター感染症に関する専門的な情報がたっぷり
e-science科学のニュースや知識を紹介しているページ
東工大Science Techno科学の楽しさや感動を伝えるイベントを企画してるよ
生物学が嫌いなんて言わせない!生物に関するおもしろい話がいっぱい
日本食品衛生協会食中毒など食品の安全に関する情報を知りたいならここ
ヤクルトプロバイオテクスのこともわかるよ
科学大好き土よう塾NHK教育で放送している「科学大好き土よう塾」のページ
厚生労働省ホームページ病気(感染症)や危険な食品などの最新情報がわかる
神奈川県病害虫防除所家庭菜園でみかける害虫や病気の情報も豊富
茨城県自然博物館動物や植物の資料が、Webで検索できるようになってるよ
JSTバーチャル科学館科学のいろいろな話題を、イラストやアニメでわかりやすく説明しているおすすめサイト



