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10月のはじめ、アメリカの会社が開発した宇宙船が、高度11万1,996mの「宇宙」に行ってもどってきた。人が宇宙に初めて行ってから40年、ようやく「宇宙への旅」が身近になってきたんだ。宇宙空間ってどんなところかな? 宇宙に行くってどういうことだろう。「宇宙旅行」について調べてみよう。 |
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| 開発された宇宙船「スペース・シップ・ワン」(出典=スケールド・コンポジッツ社) |
宇宙旅行に気軽に行ける日は近い?
2004年6月21日、アメリカの民間会社スケールド・コンポジッツ社によって開発された宇宙船、「スペース・シップ・ワン (SpaceShipOne)」が、地上100kmの「宇宙」へ行って帰ってきた。
この宇宙船「スペース・シップ・ワン」、10月には、人が乗って2週間以内に2往復するという快挙(かいきょ)もなしとげ、「ANSARI X PRIZE」という、「民間による最初の有人弾道宇宙飛行を競うコンテスト」の、賞金1000万ドル(約106億円)も手に入れたんだ。
2007年には、この技術を利用した、宇宙船での「宇宙旅行」が売り出されるという(Virgin Galactic社による)。海外旅行ツアーの店先に、「宇宙から青い地球をながめよう」なんて書かれたパンフレットがならぶのも、そう先の話じゃないかもしれないね!
「スペース・シップ・ワン」では、3分くらいの無重力の経験と、「宇宙から見た丸い地球」を確認することができたんだって。
また、行ってもどってきたという高度100kmは、「宇宙と地球の大気圏(たいきけん)のさかい目」と言われている高さ(国際航空連盟による)だ。地上でいえば、東海道新幹線の東京から熱海(あたみ)のちょっと向こうまでの距離にあたる。外国へ行くよりもずっと近い、ってことなんだ。なんだかとっても身近な気がするね。
宇宙には空気と重力がない
宇宙には空気と重力がない
(出典=NASA)
そんなわけで、もしかしたらもうすぐ行けるかもしれない「宇宙空間」、いったい地球上とは、何がちがうんだろう。
一番大きなちがいは、「空気がない(=真空)
」「重力がない(=無重力)」ってことだ。これらは、地球上ではごくごくあたりまえにあるもの。これがないと、いったいどうなっちゃうんだろう??
まずは、空気がないってどんなことか、考えてみよう。
息ができないから、地球上と同じように人間が生活できない、っていうのはわかるね。
でも、空気中にたくさんただよっているちりやほこりがないので、空気のない宇宙では、地球からとはくらべものにならないほど、たくさんの天体を観測することができる。宇宙空間にある「ハッブル宇宙望遠鏡」が、数々の美しい天体写真を送ってきてくれているのは、キミも知っているかな?
また、空気がないと、「気圧(空気による圧力)」もない。そのような環境では、どんなことが起こるのだろう? たとえば、水があっという間に沸騰(ふっとう)し、最後には凍ってしまう。水などの液体は、気圧が低いと、気体に変化する温度(沸点)が低くなるから、そのために起こる現象なんだ。高い山(気圧の低いところ)でお米がおいしく炊けないっていうのを、聞いたことがあるかな? これは、水の沸騰する温度が低すぎてしまう(100度にならない)からなんだよ。
次に、重力がないことについて考えてみよう。
重力は、地球上の物体が地球の中心に向かって引きつけられる力だ。地面の上を歩けるのも、机の上にものが置いておけるのも、重力があるから。重力がないと、ものはすべて浮いてしまう。水などの液体も、しゃぼん玉のようにふわふわまるくなって浮いてしまうんだ。
もちろん、人間の日常生活には不便だけれど、物質が均一にまざる(地上では重いものは下にしずんでしまう)から新しい素材を開発しやすいなど、宇宙空間ならではのさまざまな魅力も秘めているんだ。
それと宇宙空間では、太陽からのエネルギーが直接ふりそそいでいる、ということも覚えておこう。
人体に害のある「紫外線」、「太陽風」とよばれる太陽からの放射線(人工衛星の精密機械をこわしてしまうこともある)は、地球上では、空気や地球の磁気が防いでくれているんだよ。
宇宙の生活、どうなってるの?
空中にうかぶキャンディー
(出典=JAXA)
すぐに実現しそうな「宇宙旅行」は、数分間の「宇宙体験」だけれど、いずれ1日、1週間と、より長い時間、宇宙を旅する日がやってくるだろう。「宇宙ホテル」を計画しているところもすでにあるんだよ。
さて、そこで気になるのが、宇宙での生活。
空気は地球から持っていくことができるけど、重力は無理だね。だから、スペースシャトルなどの設備には、すでにいろんな工夫がされているんだ。
たとえばトイレ。洋式トイレのような形で、出したモノをそうじ機のようなものですいこむようになっている。すいこんだら、真空にして「瞬間乾燥」。
寝るときは、ふわふわ浮いてしまわないように、寝袋(ねぶくろ)や小さなベッドに体をとめてるんだって。上下がない宇宙空間では、かべじゅうどこでも「ベッド」になるよ。
それから食事。「宇宙食はマズイ」、なんてイメージはないかな? ところが最近では、かんづめ・レトルト・フリーズドライなどを利用し、地球上とほとんど変わらないものが食べられる。日の丸弁当+みそ汁、なんてメニューもあるよ。ただ、ふわふわ浮いてしまうのを防ぐため、チューブに入っていたり、ねっとりしてお皿やスプーンからはなれないようになっている。
重力のない生活はおもしろそうな気がするけれど、実は、人間の体にとっては、あまりいいものではないってこともわかってきた。
まず、のりもの酔いのような「宇宙酔い」になってしまうこと。それから力を使わないので、筋肉がおとろえてしまう。骨からはカルシウムがとけ出して、弱くなってしまう……などなど。
「重力のないところでの生活」は、人間にとってはまったく未知の世界なんだ。だから、「宇宙医学」っていう学問で、研究が進んでいるんだよ。
宇宙船で銀河系を旅する日はくる?
月から見た地球
(出典=NASA)
「宇宙旅行」の研究・開発は、「スペース・シップ・ワン」だけではなく、高度160kmを目指している「Dream Chaser(ドリーム・チェイサー)」や、日本やアメリカの「スペースプレーン(完全再使用型宇宙輸送システム)」など、世界中で進められている。
ただ、「宇宙旅行」と聞いたらやはり、地球の外、月や太陽系の惑星、そしてさらに遠くの天体への旅を思う人も多いだろう。100kmはすぐそこだが、実際に空に見える天体は、もっとずっとずっと遠い。今の技術では、たとえばとなりの惑星:火星に行こうと思っても、最低でも半年はかかってしまう。
新しい技術がいろいろ考えられているけれど、そんな宇宙船に実際に乗ることができる日は、ずっと先のことかもしれない。
でも人間は、人を乗せて地上をはなれる「飛行機」を作ってから100年もたたずして、月まで行く宇宙船を作ったんだ。もしかしたらキミたちが、太陽系のほかの惑星から地球をながめることのできる、最初の世代になるかもしれない。
地球上にはさまざまな「いがみあい」もあるけれど、この地球が広大な宇宙に浮かぶ、ちっぽけな惑星のひとつにすぎないことを、その目で、その体で体験すれば、きっと考えがかわるんじゃないかな。
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[図書館版 まんがサイエンス]IIロケットの作り方おしえます 宇宙旅行を夢見る小学校5年生のよしおとあやめの前に、突然現れた「ロケットの神様」。神様は「ロケットを作って、私を宇宙に連れて帰って」と二人に頼みます。宇宙ロケットのしくみと歴史を探りながら、二人のロケット作りが始まります。 |
宇宙旅行に関するニュースや、さまざまなサイトへのリンクを集めたページ。スペースシップワンのニュースもいち早く掲載(けいさい)しているよ。宇宙旅行をめざす日本製宇宙船「宇宙丸」のページや、宇宙と人との関わりをテーマにした「Live in SPACE Project」など、おもしろいページがたくさん。宇宙観光の具体的な計画が書いてある「宇宙旅行の展望」を読むと、もうすぐにも宇宙旅行ができそうな気がしてくるよ。
三菱電機BBサイエンスサイト DSPACE天文やロケット、人工衛星など、宇宙と宇宙開発についての話題たっぷりのページ。「人は月を目指す」「土星のなぞにせまる」など、最新の情報をわかりやすく紹介してくれているムービー、「宇宙の運命を握る」「暗黒の力」「過去の火星は「ずぶぬれ」だった?」などの興味深いコラム、「何故有人衛星ロケットが必要なの?」など、宇宙と宇宙開発に関する質問集やクイズがたくさん。思わず全部読んでしまいたくなるよ。
宇宙情報センターや宇宙ステーションキッズで宇宙と宇宙開発がやさしく学べるよ。
Water Works 水の働き水に関するいろいろなお話がたくさんのってるよ。「子どもといっしょに水の科学館へ行こう」を読んでみよう。
科学のつまみ食い楽しい科学実験をわかりやすく紹介。「質問コーナー」で、キミの疑問を調べちゃおう!
JSTバーチャル科学館科学のいろいろな話題を、イラストやアニメでわかりやすく説明してくれる、おすすめサイト。



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