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今、世界中で地球温暖化が深刻な問題となっている。その原因と考えられているのは、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスで、そのほとんどが人間の活動から出ているものだ。石油や石炭などを燃やしてCO2をたくさん出すと、地球の気温が上がってしまう。すると海面が上昇して土地の低い国がしずんでしまったり、気候が変わったりする。そこで、世界の国々で地球にやさしいエネルギーや素材を使って、CO2をできるだけ出さないようにしているんだ。 2007年5月 |
自然に返る不思議なプラスチック
ペットボトルや弁当の容器など、丈夫で軽いプラスチックは、生活に欠かせないものだ。そのほとんどが石油を原料に作られているが、プラスチックは燃やすとCO2や有害な物質を出してしまうし、地中にうめてもなかなか分解されないから、ごみとして出た場合の処分が大変だ。それに原料の石油は、いつかなくなってしまうおそれがあるから、プラスチックの原料には石油に代わるものが求められている。
石油系プラスチック(上)とバイオマスプラスチック(下)を
コンポスト(生ごみ処理機)に入れた試験
(提供=松下電器産業株式会社)
バイオマスプラスチックの循環過程
(提供=生分解性プラスチック研究会)
そこで注目を集めているのが、トウモロコシなどの植物系原料で作られたバイオマスプラスチックだ。これは、植物のでんぷんにふくまれる糖分を変化させて作るプラスチックだ。植物系原料だから、ごみとして出たものを土の中にうめれば微生物が分解して、水と二酸化炭素しか残らない。また、燃やした場合でも、石油から作ったプラスチックに比べ、バイオマスプラスチックが出すCO2の量は少ない。だから、リサイクルが難しく、燃やすことになるプラスチック商品への利用が考えられている。
身近な商品にバイオマスプラスチック
2004年に松下電池工業から発売された「オキシライド乾電池」。包装パッケージにはバイオマスプラスチックが使用されている
(提供=松下電器産業株式会社)
2006年にNECから発売された、バイオプラスチック携帯電話「FOMA N701iECO」
(提供=NEC)
バイオマスプラスチックはすでに、いろいろなところで利用されている。2004年に松下電池工業から発売されたオキシライド乾電池のパッケージには、バイオマスプラスチックが使われている。
ほかにもNECが2006年に発売した携帯電話「FOMA N701iECO」には、ケナフ(注1)という植物の繊維で強化されたバイオマスプラスチックが使われている。石油からプラスチックを作るときにはCO2が発生するが、バイオマスプラスチックを作るときには、これまでの2分の1くらいのCO2しか出ない。2007年4月にNECが開発したバイオマスプラスチックは、熱をにがしやすい性質をもち、電子機器を小型にするために役立つと期待されている。
今のところは、石油からプラスチックを作るよりお金がかかるという問題があるが、今後、研究が進められてもっと身近なものになるだろう。
(注1)ケナフ…CO2をよく吸収し成長が早く、半年ほどで3~4mになる。紙を作ることもできる。
ガソリンに代わる新エネルギー
自動車はガソリンを燃やして走る。自動車の排気ガスにはCO2がふくまれていて、温暖化の原因になる。でも、「明日から自動車を使わない」なんてことはできない。そこで、ガソリンに代わる燃料で走る自動車の開発が進められている。その燃料としても、トウモロコシなどの植物から作られるバイオエタノールが注目されている。すでにブラジルやアメリカでは、バイオエタノールを混ぜたガソリンが使われていたり、バイオエタノールだけで走る自動車も発売されている。日本の自動車メーカーも、海外向けにバイオエタノールを混ぜたガソリンに対応した車を販売しているよ。
バイオエタノールの利点と欠点
バイオエタノールができるまで
(提供=バイオエタノール・ジャパン・関西株式会社)
バイオエタノールは、トウモロコシやサトウキビ、廃材などにふくまれている糖質を発酵、蒸留して作られる。石油などの資源は、使えば使うほど減ってしまうけど、植物はまた植えることで半永久的になくなることがない。それに植物はもともと大気中のCO2を吸収しているから、バイオエタノールを燃やしてCO2が出ても、植物に吸収されていたものが排出されたと考えられて、新たにCO2を生み出したことにはならない。これは「カーボンニュートラル」と呼ばれているよ。
でも、バイオエタノールにも問題がある。バイオエタノールがたくさん使われるようになると原料のトウモロコシなどの値段が高くなってしまうかもしれない。また、石油は安定してほることができるが、トウモロコシは作物だから天候不順で不作になる場合もある。
これからのバイオエタノール
2003年、アサヒビールと九州沖縄農業研究センターは、サトウキビの「モンスターケーン」という品種を開発した。サトウキビは茎のしぼりじるに糖質がふくまれているが、この「モンスターケーン」は1株当たりの茎の数が多く、これまでの品種の2倍以上のバイオエタノールが作れると言われている。
また、超音波醸造所では、バイオエタノールの原料を濃縮する際に超音波を使い、これまでより少ない電力でバイオエタノールを作る技術を開発した。
2007年4月27日には、首都圏の50か所のガソリンスタンドで、バイオエタノールを3%混ぜた「バイオガソリン」の試験販売も始まった。2010年までには全国でも販売される予定で、将来はバイオエタノールを10%混ぜたガソリンの販売が計画されている。日本の自動車メーカーもバイオエタノールが10%混ぜられたガソリンにも対応する自動車の開発を進めている。
二酸化炭素の排出を減らすために生活に身近な省エネ方法を紹介。チーム員として活動している有名人の環境に対するメッセージを読むことができる。
生分解性プラスチック研究会バイオプラスチックの原料の種類や、バイオマスプラスチックを使った製品が紹介されている。
財団法人 新エネルギー財団太陽光発電や、風力発電、燃料電池など地球環境にやさしい、さまざまな新エネルギーが紹介されている。ガソリンに代わる燃料を使った自動車も紹介されているよ。
商品パッケージにバイオマスプラスチックを使った経過を説明している。
NEC:IT、で、エコNEC環境広告サイト。バイオマスプラスチックが携帯電話や、ノート型パソコンになるまでを教えてくれる。
NEC:プレスリリース熱をにがしやすいプラスチックを紹介している。
バイオエタノール・ジャパン・関西株式会社バイオエタノールの原料や、製造過程を説明している。
アサヒビールバイオマス用に開発された品種「モンスターケーン」の特徴などを紹介している。



