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塩。白く見えるのは光の反射のためで、塩の結晶はとう明。 |
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料理の味つけには欠かせない塩。でも、塩には、もっともっといろいろな役割がある。人間の体内で、人間が生きていくうえで大切なはたらきをしているほか、水道水の殺菌、石けん、ガラスなどの素材としても利用されている。身近な素材、塩について調べ、おもしろい実験をしてみよう。2007年 夏休み(2) |
塩のいろいろな性質
顕微鏡で見た塩の結晶
塩は、塩化ナトリウムといって、ナトリウムと塩素という2種類の物質が結びついてできた物質だ。無色透明で、基本的にはさいころのような正六面体(立方体)をしている。そのことは、塩のつぶを、虫めがねか顕微鏡で観察すると確かめられる。
塩は水にとける性質があるが、水の温度によってとける量がほとんど変わらないのは、塩の特ちょうのひとつだ。ミョウバン、ホウ素など、多くの物質は、水の温度が高くなるほどとける量が増える。たとえば、ミョウバンは、100gの水に対して、水が0℃のときは3.0gしかとけないが、80℃のときは71.0gもとけるようになる。でも塩は、水が0℃でも80℃でも、ほとんどとける量が変わらないのだ。いろいろな物質が、水にどれくらいとけるかを実験で確かめてみるのもおもしろいよ。
塩水は、水に比べて低い温度でないとこおらないという性質も、塩の特ちょうのひとつだ。水はふつう、0℃で氷になるが、それ以上塩がとけないくらいこい食塩水は-20℃くらいにならないとこおらない。これは、家庭にある冷とう庫でもこおらないくらいの温度だ。
もうひとつ、塩をなめると、塩からく感じる。あたりまえのように思うかもしれないが、塩からいという味覚は、ナトリウムイオンと塩化物イオンの2つがある状態(塩が水にとけた状態)でしか感じることができない味だ。塩だけがもつ独特の味が、料理の味の決めてとなるというわけだ。
体内ではたらく塩
あせをなめて、塩からいと感じたことはないかな? これは、あせの中に0.2~0.5%ほどの塩分が入っているからだ。つまり、人間の体の中に塩がふくまれているということ。そして、塩は、人間が生きていくうえで、大切なはたらきをしている。
人間の体内には、大人で体重の約0.3~0.4%、子どもで約0.2%の塩分があり、そのほとんどは血液や消化液の中にある。人間の体は、たくさんの細胞が集まってできているが、血液はその細胞に栄養や酸素を運んだり、いらなくなった二酸化炭素を肺へ運んだりしている。血液中の塩分は、細胞が正常に活動できるようにする働きがある。塩分が不足すると、頭痛やはき気、立ちくらみなどを引き起こしてしまうほど重要だ。また胃で、食べ物を消化するために出される胃液も塩から作られている。体内の塩分の量は腎臓によって一定に保たれていてる。塩分や水分を、おしっことして体の外に出すことで、体内の塩分のこさを調整しているのだ。
このように、塩は体のはたらきに大切だが、とりすぎると、高血圧などの原因になるともいわれている。適切な量をとることが健康にとっては重要なんだ。
塩の性質を生かした利用
このほか、塩は、食品加工や工業の分野などでも利用されている。
塩が、水分を吸い出す性質を利用しているのがつけ物だ。野菜に塩をかけると、野菜の水分が塩によって出され、くさる原因となる菌が増えにくくなる。いっぽう、野菜に酸味やかおりをつける乳酸菌が増えやすくなる。このようなはたらきを発酵という。塩が発酵のはたらきを進め、食べ物をおいしくするとともに、長期間保存できるようにしているのだ。
また、塩には小麦粉などにねばりを出す性質もある。小麦粉からうどんなどのめん類や、パンなどを作るとき、小麦粉と水を混ぜてグルテンというねばりのあるたんぱく質を作るが、グルテンは塩によって、さらにねばりが出る。こしのあるうどんをつくるには、塩が欠かせない。また、パンに加える塩の量を調節することで、パンをふっくらさせる酵母菌の繁殖を調整し、ふっくらしたパンやさくさくのパンを作り分けている。
工業の分野では、石けんやガラスなどを作るのに塩が利用されている。1年間に日本で消費される塩の約80%は、石けんやガラス、水道水の殺菌剤の原料であるソーダ製品を作るために使われている。ソーダ製品の代表は、か性ソーダ(水酸化ナトリウム)や塩素で、これらは、おもに塩水を電気で分解して作られる。例えば石けんは、か性ソーダと動植物の油を混ぜて熱することで作られる。
食用以外での塩の使い道。
(提供:財団法人塩事業センター)
ソーダ製品の使い道。
(提供:財団法人塩事業センター)
塩ができるまで
いろいろな利用がされている塩は、どのように作られるのだろう。日本では、今も昔も、海水から塩を作っている。昔は海水のついた藻をかんそうさせ、それに海水を注いでこい塩水を作り、土器に入れて熱する方法や、塩田という場所に海水を引きこみ、天日で塩田の砂の水分を飛ばし、さらに海水を注いでこい塩水を作り、かまで煮つめるなどの方法があった。これらの方法は、想像以上に大変な作業だ。海水にふくまれる塩分は約3%なので、1リットルの海水を熱してもとれる塩はわずか30gしかない。また、日本は雨が多いため、天日の力だけで海水から塩を取り出すことが難しく、「濃縮」と「煮つめ」の二つの工程によって塩を作ったのだ。
現在では、塩はおもに「イオン交換膜製塩法」という方法で作られている。この方法は、電力によって海水の塩分濃度を高めたうえで、真空のかまの中で熱して水分を飛ばす方法だ。塩田で作る方法とちがい、天候に左右されず、安定して純度の高い塩を作ることができる。
海水をくみろ過する
くみ上げた海水を2回にわたってろ過する。
ろ過した海水は水道水の10倍くらいきれいになる。
海水を濃縮する(濃縮工程)
イオン交換膜によって、塩分濃度20%程度のこい海水(かん水)と
2%程度のうすい海水に分ける。
煮つめる(煮つめ工程)
直径5m、高さ15mほどの大きなかまでかん水を煮つめる。
この時、最後まで煮つめずに水分をある程度残しておく。
脱水する
遠心分離器にかけて水分(苦汁分)を落とす。
かんそうさせてできあがり。
(提供:財団法人塩事業センター)
一方、海外では、海水を太陽と風の力で水分を飛ばして塩を作ったり、岩塩から塩を作る国がほとんどだ。岩塩というのは、大昔海だった場所が、地かく変動によって陸になり、その時に閉じこめられた海水の水分が蒸発して、塩の固まりが残ったものだ。岩塩をいったん水にとかした後かんそうさせて塩を作ったり、細かくくだいたりして使っているよ。
塩の実験をしよう
◎塩の結晶を作ろう
塩を水にとかしてしばらくそのままにしておくと、水が蒸発し、とけきらなくなった塩が結晶になって現れる。水の中にモールをつるしておくと、塩の結晶がモールについてきれいだ。
- ●準備するもの
- モール、塩、わりばし、容器 (※熱湯を入れてもよいもの)、糸、水、なべ
- ●実験の方法
- 1.モールで好きな形を作り、わりばしと糸で結んで、容器の中につるす。
- 2.水を入れたなべを火にかけながら塩を入れ、よくかき混ぜる。とけきらなくなるまで塩を入れる。
- 3.塩をとかした湯を容器に入れる。そのまま、ゆっくりさます。1~2日後、塩の結晶がモールについている。
注意:火を使うときは、必ず大人といっしょにしよう。また、熱湯に気をつけよう。
◎塩は電気を通す?
水は電気を通さない。また、塩も、そのままでは電気を通さない。では、水に塩をとかしたら電気を通すだろうか? 実験で確かめよう。
- ●準備するもの
- 塩、容器(シャーレなど)、かん電池(単1、2個)、ゼムクリップ(2個)、導線、まめ電球、セロハンテープ、水
- ●実験の方法
- 1.まめ電球とかん電池、ゼムクリップを導線でつなぐ。
- 2.こい塩水を作り、容器に入れる。
- 3.ゼムクリップを、塩水につける。
◇ほかにも、水、塩、砂糖水などで実験しよう。
◎コップの中間にうかぶ卵
卵はふつう、水にしずむもの。でも、こい塩水に入れるとうかぶ。水と塩水を混ぜないようにコップに入れれば、卵をコップの中間にうかばせておくことができるよ。
- ●準備するもの
- 塩、卵、水、コップ(2個)、ろうと、食べに(なくてもよい)
- ●実験の方法
- 1.コップに卵を入れ、半分くらいの高さまで水を注ぐ。
- 2.別のコップに、こい塩水を作る。あれば食べにで色をつけておく。
- 3.ろうとを使って、卵を入れたコップに、静かに塩水を注ぐ(水と塩水が混ざらないように注意する)。
日本国内での塩の製造方法や種類などが紹介されているサイト。国内の塩について知りたい時は、ぜひのぞいてみよう。
日本ソーダ工業会さまざまな製品を造るのになくてはならないソーダ製品が、どのように作られ、どのような製品に使われているかがわかる。
塩の性質や利用方法、製造方法などを教えてくれるサイト。「こどもの学習」のページでは、塩を使った実験やクイズのコーナーもあるよ。
たばこと塩の博物館日本の塩だけでなく、世界の塩についても学べる。体と塩の関係が紹介されているページもあるから、はば広く勉強できるよ。


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