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店や工場に物を運ぶトラックや、交通手段としてのバスや自家用車など、自動車は生活に欠かせない。でも、自動車からの排出ガスには、環境に悪影響をあたえる物質がふくまれていて、大きな問題となっている。そこで、環境にやさしい自動車「エコカー」の開発が進められている。「東京モーターショー」でもたくさん登場したエコカーについて調べちゃおう。 |
自動車の問題点は?
自動車は、ガソリンを燃やしてエンジン内の動力部を動かし、その力をタイヤに伝えて走っている。ガソリンが燃えると、二酸化炭素(CO2)や一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)などをふくんだ気体が出る。CO2は、地球温暖化の原因の一つと考えられていて、世界中で排出量を減らす活動が行われている。また、COやNOxは大気汚染や光化学スモッグ、酸性雨を引き起こすので、大気中に放出されることは望ましくない。しかし、ガソリンを燃料としている自動車は、環境汚染物質の排出量を減らすことはできても、まったく出さないようにすることはできない。そのため、環境汚染物質の排出量がガソリン自動車より少ない自動車や、ガソリン以外を燃料として走り、汚染物質を出さない自動車の開発が進められている。このような自動車を「エコカー(低公害車)」と呼ぶ。ガソリンに代わる動力源を使うタイプや、ガソリンとほかのものを組み合わせているものなど、エコカーにもさまざまなタイプがあるよ。
未来の自動車が大集合
10月27日から11月11日まで開催された世界最大規模のモーターショー「東京モーターショー2007」では、各自動車メーカーから、最新のエコカーが発表された。
三菱自動車工業株式会社の「i MiEV SPORT」は、発電時にCO2をわずかに排出するだけで、走行中にCO2がまったく出ない電気自動車だ。バッテリーへの充電は、車についているプラグを家庭のコンセントに差しこむだけなので、燃料を供給する施設を特別につくる必要がない。また、補助発電用として屋根には太陽光発電パネル、フロントには風力発電用のファンを搭載していて、自然のエネルギーを最大限に活用する仕組みになっている。
三菱自動車重工業株式会社が開発した電気自動車「i MiEV SPORT」。 |
「i MiEV SPORT」の充電の様子。後方に付いているプラグを家庭用コンセントにさして充電する。 |
マツダ株式会社は、ガソリンと水素で走るハイブリッドカー「RX-8 ハイドロジェンREハイブリッド」を発表した。この自動車は、水素を燃やしたエネルギーで発電し、その電力でモーターを回転させて走る。水素は燃やしてもCO2が発生せず、出すのは水だけなので、環境にやさしい。
マツダ株式会社のハイブリッドカー「RX-8 ハイドロジェンREハイブリッド」。
本田技研工業株式会社は、燃料電池自動車「FCX CONCEPT」を発表した。燃料電池自動車は、水素と酸素の化学反応によって電気を発生させ、モーターを回転させる。ガソリン自動車に比べて、効率よくエネルギーを生み出すことができるうえ、排出物は水だけなので、環境への負担が少ない次世代のエコカーとして期待されている。
フランスの自動車メーカー・シトロエンは、ディーゼルエンジンと電動モーターで走るハイブリッドカー「C-Cactus」を発表した。軽油などを燃料とするディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンよりCOやCO2の排出量が少なく、燃費もいいので、ヨーロッパでは、乗用車の半数近くをディーゼルエンジン車が占めるほど普及している。だけど、エンジン音や振動が大きく、大気汚染の原因となるNOxや粒子状物質(PM)の排出量が多いため、日本ではトラックやバス、農業機械などだけで、乗用車としては普及していない。
しかし、近年は各自動車メーカーによって排出ガスの処理技術が大きく進歩した「クリーンディーゼルエンジン」が開発され、環境にやさしい次世代エンジンとして注目されている
C-Cactusのようにディーゼルエンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッドカーは、環境への負担が非常に少ない自動車として期待されているよ。
さまざまなエコカーが開発中
このほかのエコカーとして、メタノール自動車、天然ガス自動車なども開発されている。すでに実用化されて一部企業や行政施設で利用されているものもある。
メタノール自動車は、天然ガスの主成分「メタン」などから生成されるメタノールや、ガソリンにメタノールを混ぜた燃料で走る。メタノールは、木材やサトウキビなどの植物からも生成することができ、この場合は、もともと植物が取りこんだCO2を排出するので、温暖化には影響がないと考えられる。
天然ガス自動車は、都市ガスなどの主成分である天然ガスを燃焼させて走る。天然ガスは毒性がなく、発火温度が高いので安全性が高く、CO2やNOxの排出量もガソリン自動車より少ない。すでにトラックやバスなど、全国的に普及していて、2006年12月末の時点で3万469台が使用されている。
天然ガス自動車(CNG自動車)の構造。
ガス容器には高圧に圧縮された天然ガスが入っている。
(提供:社団法人日本ガス協会)
しかし、これらのエコカーにも、まだ解決しなければならない課題がある。1回のエネルギー補充で走れる距離がガソリン自動車よりも短いことや、エネルギーを供給するための施設を新しくつくる必要があることなどだ。
だが、地球環境を守るためにも、いろいろな問題点を解決して、エコカーを普及させることが大切だ。技術の進歩によって、街を走るすべての自動車がエコカーになることを期待しよう。
『こどものページ』内「小学生のためのよくわかる自動車百科」では、自動車ができるまでの流れや生産のしくみが紹介されているよ。
日本自動車博物館自動車の発達について学ぶことができるサイト。館内に展示されているクラシックカーの一部も見ることができるよ。自動車の歴史を勉強するのにぴったり。
『エコカー(低公害車)の広場』では、エコカーの仕組みや燃料の供給方法などを紹介している。ほかにも地球温暖化や大気汚染についても学ぶことができるよ。エコカーに興味がわいたら見てみよう。
低公害車ガイドブック2006 環境省エコカーの種類や仕組み、水素や天然ガスなどの供給施設について勉強できるよ。各自動車メーカーが開発したエコカーが写真付きで紹介されている。



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