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5月10〜16日は愛鳥週間(バードウイーク)。野生の鳥たちに親しむいい機会だ。身近なところにいるスズメやツバメ、ハトをはじめ、鳥の仲間は、世界に約9000種、日本には約500種がいる。空を飛ぶしくみやさまざまな特ちょうなど、鳥について調べてみよう。 |
空を飛ぶために都合のよい体
「鳥のように自由に空を飛んでみたい」と思ったことはないだろうか。熱気球や飛行機が発明される前、空を飛ぶことは、人間にとって大きな夢だった。昔、鳥のようなつばさの模型を両うでにつけて、空を飛ぼうとした人がいた。しかし、人がうでにつばさの模型をつけてはばたいても、鳥のように空を飛ぶことはできない。鳥類は、体のしくみが空を飛ぶために都合よくなっているからだ。
鳥とほかの動物との一番のちがいは、つばさを持っていることだ。鳥のつばさには、はばたいて体を空中にうかせるはたらきや、体を前に進めるはたらきがある。でも、つばさがあるだけでは、空を飛ぶことはできない。鳥は、そのつばさを動かすための強い胸の筋肉を持っている。また、体がとても軽くできている。鳥の骨は、スポンジのように、中がすかすがで軽いが、じょうぶだ。また、体をおおっている羽毛も軽い。このような体のしくみによって、鳥たちは、自由に大空を飛べるのだ。
季節に合わせて移動する鳥たち
春から夏にかけて、家ののき下などでは、ツバメがえさを運んできてひなにやる様子が見られる。でも、日本では一部の地域を除いてツバメの姿を一年中見ることはできない。鳥の中には、ツバメのように、季節によってすむ場所を変えるものがいる。これが、わたり鳥だ。わたり鳥は、ふつう、夏の間に卵を産んでひなを育て、冬になると暖かい越冬地に移動する。このうち、春から夏にかけて日本に飛んでくる鳥を夏鳥、冬に日本へ飛んでくる鳥を冬鳥という。中には、わたりの途中の数週間、日本に立ち寄る旅鳥もいる。これらのわたり鳥に対して、季節に関係なく一年中同じ場所で生活する鳥を留鳥という。
ひなにえさを運ぶツバメ。
出典:尾道情報教育研究会 デジタル図鑑
日本でよく見られる鳥のうち、夏鳥はツバメ、オオルリなど、冬鳥はオオハクチョウやガンなど、留鳥はスズメやキジ、ウグイスなどだ。ツバメは、春先に日本にやってきて、3月から8月までひなを育て、秋になると暖かい場所を求めて台湾やフィリピン、マレー半島などに移動する。冬鳥のオオハクチョウは、夏の間はシベリアで過ごし、毎年11月ごろ、北海道から本州にかけての池やぬまなどにやってきて冬を過ごし、4月ごろまで日本にいる。
ちょっと変わった鳥たちも…
多くの鳥は、卵を産み、ひなを育てるために巣を作る。鳥の多くは、小枝やかれ草、どろなどを使って巣を作るが、カラスは、ビニール袋や針金ハンガーなどをじょうずに使うこともある。ツバメのように建物ののき下に作るもの、20m以上の高い木の上に作るものと、巣を作る場所もさまざまだ。水鳥のカイツブリは、水の中に小枝や草の根を積み重ねて、うき巣という巣を作る。でも、中には自分では巣を作らず、ほかの鳥の巣に卵を産んで、ひなをほかの鳥に育てさせるものもいる。カッコウは、このような鳥のひとつだ。カッコウは、ヨシキリやモズなどの巣に卵を産む。カッコウのひなは、本当のひなたちより先に生まれて巣の中にあるほかの卵を全部巣から落とし、えさをひとりじめして大きくなる。
ほかの鳥の巣で育ち、えさをもらうカッコウのひな。
提供:信州大学生態学研究室教授 中村浩志
空を飛ぶのが鳥の大きな特ちょうだけど、鳥なのに空を飛べないものもいる。ペンギンやダチョウなどだ。ペンギンは、つばさが小さく、飛べない代わりに、水の中をすばやく泳ぐことができる。南極周辺にすむジェンツーペンギンは、時速36kmと、最も速く泳げるペンギンだ。また、ダチョウは、全長2m、現在いる鳥の中で最も大きい。ダチョウは、つばさを動かす筋肉が退化して飛べないけれど、強い足で時速60km以上で走ることができる。
絶滅の危機から鳥たちを守る
ドードー、リョコウバト、オオウミガラス、モア。これらは、肉や羽毛をとる目的で人間が大量に殺したために絶滅してしまった鳥たちだ。現在、絶滅が心配されている鳥も多く、人工繁殖などの保護活動が行われているものもいる。
日本では、トキやアホウドリ、コウノトリなどの鳥の保護活動が行われている。トキは、昔は日本をふくめ東アジアの広い範囲でくらしていたが、しだいに数が減り、現在、野生のものは中国の一部にしかいない。日本のトキも、2003年に最後の1羽が死に、絶滅してしまった。新潟県の佐渡トキ保護センターで、中国から送られたトキの人工繁殖を行っており、2008年1月現在、91羽のトキが飼育されている。
アホウドリのペア。手前にいるのは、クロアシアホウドリ。
提供:環境省
また、アホウドリは、20世紀初めには日本近海にたくさんいたが、羽毛をとるために50年のうちに約1000万羽が殺されたと言われている。一時は絶滅したと考えられたが、1951年に伊豆諸島の鳥島で約10羽が発見され、その後の保護によって現在は約2000羽まで回復している。
バードウォッチングをしよう
野山や湖、湿地、河川、海岸、干潟など、さまざまな場所で野鳥を見ることができる。興味がある人は、バードウォッチング(野鳥観察)をしてみよう。双眼鏡を持っていくと、遠くにいる野鳥もじっくり観察できる。鳥類図鑑があると、鳥の種類が調べられるのでとても便利だ。野鳥を見たり、鳴き声を聞くだけでもじゅうぶん楽しめるけれど、メモ帳と筆記具を持っていき、観察日時や種類、様子などを記録するのもいい。「日本野鳥の会」では、野鳥を観察する探鳥会を日本各地で開いている。「日本野鳥の会」のホームページでは、観測できる野鳥や必要な道具、観察地までの道順などが紹介されているので、これから始めようと考えている人は、参加してみるといいかもしれないね。
ただし、バードウォッチングする際には、子どもだけで行かず、必ず大人といっしょに行くようにしよう。また、野鳥をおどかしたり、傷つけたりすることは絶対にしてはいけない。特に、子育ての時期は親鳥が神経質になっていて、巣の近くの小さな変化で巣や子育てをやめてしまうことがある。じゅうぶんに気をつけよう。 このほか、都会でも家の庭や電線などで見られる鳥は多い。鳥の姿を通して、自然に目を向けてみたいものだね。
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ポケット版なので、持ち運びに便利でバードウォッチングにぴったりの一冊。日本と世界の鳥や、飼い鳥が約700種類掲載されている。また、鳥の資料館では、特徴や行動、保護についても知ることができる。 |
「ツバメかんさつ全国ネットワーク」では、ツバメの巣の数や、のき先にやってきた日など、日本全国のツバメの情報が紹介されているよ。
財団法人 日本鳥類保護連盟バードウォッチングを行う際の服装や持ち物、マナーなどについて知ることができるよ。バードウォッチング初心者や、これから始める人はサイトを見てみよう。
野鳥の画像が解説付きで紹介されている「フォトギャラリー」や、バードウォッチングの基礎知識を学べる「バードウォッチングを始めよう」など、野鳥を楽しむためのコンテンツがたくさんある。
尾道情報教育研究会 デジタル図鑑野鳥や水中にすむ生物、岩石が写真と解説でわかりやすく紹介してあるよ。「野鳥図鑑」には、現在238種の鳥の画像が掲載されている。


![[ポケット版学研の図鑑]鳥](images/book/book0805.jpg)