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黄緑色の光を出し、夜空を飛び回るホタルたち。日本では、主に夏に見られる光景だね。ホタルがどのような一生を送るのか、どういうしくみで光るのか、知っているのかな? ホタルについて調べてみよう。 |
一生のほとんどを水中で過ごすゲンジボタル
ホタルは、体長数mmから30mmほどの昆虫で、カブトムシやクワガタムシなどと同じ仲間だ。
世界には約2000種類がいて、日本にはゲンジボタルやヘイケボタルなど、約50種類が見られる。
ホタルの多くは、幼虫のとき陸上で過ごすけれど、ゲンジボタル、ヘイケボタル、クメジマボタルなど一部のホタルは、水中でくらす。
日本の本州、四国、九州で見られるゲンジボタルを例に、ホタルの一生をしょうかいしよう。
ゲンジボタルがくらしているのは、水がきれいな小川などの周りだ。卵は、直径約0.5mmのボール形をしていて、水辺のコケなどに産みつけられる。
産み付けられたゲンジボタルの卵。
出典:岐阜里山ホタル
ゲンジボタルは、卵のときから光を出す。産み落とされたすぐ後から弱い光を出し、ふ化が近づくと、その光は強くなる。
20?30日すると、卵から幼虫がかえり、水の中に入る。幼虫は、体長約1.5mm、その姿は、成虫とはまったくちがい、いも虫(アゲハチョウの幼虫)のようだ。幼虫の食べものは、3?4cmほどのまき貝の仲間のカワニナなどだ。
ゲンジボタルの幼虫。
出典:岐阜里山ホタル
幼虫は、翌年の春まで水の中でくらし、その間に5?6回のだっ皮をして成長する。その後、陸に上がり、直射日光が当たらず、やわらかくしめった土の場所を見つけると、その下にもぐり、さなぎになる。幼虫は陸に上がると腹の先が光るようになる。また、さなぎになっても地面の下で光っている。
さなぎになって10日ほどたつと、羽化して成虫になる。羽化したばかりは、まだ羽がやわらかく、羽が黒く、かたくなるまで土の中で3?4日過ごす。成虫が地上に現れるのは、5月下じゅんから7月上 じゅんのことだ。
ゲンジボタルの成虫。
出典:岐阜里山ホタル
1年近くを幼虫で過ごしたホタルだけど、成虫になってから10?15日ほどしか生きられない。その短い間におすとめすが出会って卵を産む。1ぴきのめすが産む卵は500?1000個だ。
ホタルの光のひみつ
ホタルが光るのは、おすとめすが、けっこんの相手をさそう合図だ。
ホタルが光るしくみは、実にうまくできている。
ゲンジボタルには、おすは2節、めすは1節、発光器がある。発光器には、光る細ぼうの層がある。その中でルシフェラーゼという物質のはたらきで、ルシフェリンというものと酸素が結びつくと光るというしくみだ。
人間がつくった光である電球などは、必ず熱が出て熱くなるけど、ホタルが出す光は、熱が出ない。人間の技術ではできないことを、ホタルは大昔から実現していたんだね。
ホタルの光り方は、種類によっても、おすとめすとでもちがうけれど、同じ種類でもすんでいる場所によって光りかたがちがう。
ゲンジボタルは、長野県、新潟県、愛知県を境として、それより東では約4秒おきに光る。ところが、西側では約2秒おきに光る。人間の言葉に方言があるように、ホタルにも光の方言があるようでおもしろいね。
光を出すホタルは、夜活動するホタルだ。暗いところでも仲間と交信ができるくふうなんだね。いっぽう、昼間活動するホタルは光を出さず、おもににおいを出して仲間に合図をしているよ。
ホタルを守るために
ホタルは、最近、その姿が見られる地域が減ってしまった。きれいな水があるところにすむため、川がよごれたり、川岸がコンクリートで固められたりしたために、すめる場所が減ってしまったのが、おもな原因だ。
近年では、全国各地で、ホタルを守る活動や、ホタルがくらせる環境を取りもどす活動が行われている。
もともとホタルがくらしていた地域や、現在もホタルが生息している地域では、川に家庭から出るよごれた水や、農薬などが混ざった水が流れこむことを防ぐ活動が行われている。また、人間が育てたホタルの幼虫を放流する活動も行われている。このほか、もともとはホタルがいなかったけれど、人工の小川や水辺の環境をつくって、ホタルを飼っているところもある。
ホタルを鑑賞しよう
ホタルの光の美しさは、古くから愛されてきた。自然に親しむためにも、近くにホタルが見られる場所があったら、ぜひホタルの鑑賞を楽しもう。
地域によっては5月下旬から、ゲンジボタルやヘイケボタルなどを鑑賞することができる。インターネットなどで、ホタルを鑑賞できるスポットや発生時期などの情報が公開されている地域もあるので、参考にするとよい。中には、ホタルの生態などについてのガイドがついた鑑賞会も開催されている。
でも、自然をこわさないように注意が必要だ。ホタルは強い光をきらうので、カメラのフラッシュやかい中電灯は使わないこと。また、環境をよごすとホタルがくらせなくなってしまうので、ごみは必ず持ちかえろう。草むらに入ったりしてホタルを捕まえることも禁止だ。また、安全のため、必ず大人といっしょに行こう。
ホタルを鑑賞できる自然があるのは、とても幸運なことだ。ホタルが安心してくらせる自然を残していきたいものだね。
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[すぐ調べられる「環境と生き物」3] メダカがすめるのはどんな川?(川や池の生物編) 監修:内山裕之 ホタルなどの昆虫、カエルなどの両生類や、淡水魚、水辺の野鳥など、河川や湖沼にすむ生き物から環境を調べる。身近な生物を対象にした環境調査の実例をまとめたシリーズ。 |
自然の水辺の環境を再現し、ホタルを飼育している施設のサイト。『ホタル生態映像館』のページでは、発光するゲンジボタルや幼虫の様子が写真や動画で見ることができる。
こどもホタレンジャーホタルを守る活動を行う、こどもホタレンジャーの活動を知ることができる。『わが街のこどもホタレンジャー』のページでは、ホタルの保護や、川の自然を守るなどの活動を行う全国の団体を紹介。
ゲンジボタルの生態や、さまざまなひみつについて学べる博物館のサイト。『豊田のホタル』のページでは、ゲンジボタルをはじめ、陸生のホタルも紹介されている。
東京にそだつホタルホタルの生態や生息環境、飼育、保護などさまざまな情報が公開されているサイト。『ホタル図鑑-forきっず』では、ホタルの一生などがイラストと写真で紹介されているよ。


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