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夜空をいろどる打ち上げ花火や、庭先で楽しむ線香花火など、日本の夏に花火は欠かせないね。花火はいつからあるの? きれいな色があるのはなぜ? 花火について調べてみよう。 |
3つに分けられる花火の種類
花火大会などで大勢が楽しむ花火から、家族や友だちで楽しむ花火まで、色や形、大きさがちがうさまざまな花火がある。
空高く上がって大きく開く花火は、打ち上げ花火と呼ばれる花火だ。火薬をこめた筒で打ち上げられ、空高く上がったあと開き、音と光を出す。代表的なのは、中心から外に向かって丸く開くキク(写真1)、音をたてながら火の粉を飛び散らせるハチだ。
打ち上げ花火のキクの一種「芯菊」。
出典:広島みなと夢花火大会 ?花火ミュージアム?
また、しかけをつくって短い時間の間に連続して打ち上げたり、いくつかの花火を同時に打ち上げたりする花火を、しかけ花火という。代表的なのは、火の粉をたきのように降らせるナイアガラや、たくさんの打ち上げ花火を連続して打ち上げるスターマイン(写真2)だ。
しかけ花火のスターマイン。
出典:ホソヤエンタープライズ
打ち上げ花火やしかけ花火は、たくさんの火薬を使っていて危険なため、取りあつかいや打ち上げは、花火師と呼ばれる専門の人でないとできない。
線香花火やねずみ花火など、子どもでも楽しめる花火は、おもちゃ花火と呼ばれ、使う火薬を少なくしている。
このように、花火は、大きく3種類に分けることができるよ。
鉄砲の技術を使った花火
花火に使われる火薬が日本でよく使われるようになったのは、今から約450年ほど前、ヨーロッパから鉄砲が伝わってからのことだ。
そのころの火薬は、しょう石、イオウ、木炭を混ぜた黒色火薬というものだった。日本初の花火は、今から400年くらい前にあったと言われているが、その花火は、黒色火薬が使われていたらしい。筒の中に入れた黒色火薬に火をつけ、上向きに火の粉をふき出させるだけのもので、色は暗いオレンジ色だったといわれている。
1733年には、江戸(今の東京)の両国で、川開き(夕すずみのために、川に船をうかべたりしてよい期間)の間、毎晩約20発の打ち上げ花火やしかけ花火が上げられたという。この行事は、江戸の名物ともなり、現在の隅田川花火大会にまで受けつがれている。
そのころの江戸では、夏になると花火を売り歩く商人もいて、一般の人々も花火を楽しんでいたらしい。でも、火事の原因になることもあって、川の近くを除いては、花火を禁止するおふれも出された。
このように、花火の技術は、鉄砲の技術がもとになり、たくさんの人々の楽しみのために使われるようになったものだ。でも、現在のように、色とりどりの花火ができたのは、19世紀末に、外国から薬品が入ってくるようになってからのことだ。
たくさんの色が出るしくみ
打ち上げ花火は、夜空に打ち上げられた後、大きく開き、赤や青、緑などさまざまな色を出す。どのようなしくみで、花火が開き、たくさんの色を出すのだろうか。
代表的な打ち上げ花火のキクは、球の形をしている。これを花火玉という。花火玉の中には、火薬などを混ぜて丸い玉にしてかわかした星というものと、空中で花火玉を割るための割り薬という火薬が入っている。ボウルのような半球形の玉皮というものに星と割り薬をつめ、同じものを2つくっつけたあと、外側に和紙をはってしっかり固めてあるのだ。花火玉は大きさごとに号数で呼ばれ、大きなものは、30号(直径約88.5cm、重さ約280kg)もある。これくらい大型の花火は、開いたときの直径が約500mにもなる。
出典:ホソヤエンタープライズ
さまざまな色が出る秘密は、花火玉の中の星にある。星は、花火が空中で何種類もの色で燃えるために必要なものでつくられているのだ。
ものが燃えるためには、燃えるものと酸素が必要だ。星は、木炭を粉にしたもの、色を決める金属をふくむ炎色剤、酸素を送るための酸化剤(過塩素酸ナトリウムなど)を調合した薬品でつくられている。花火の色を決めているのは、このうちの炎色剤だ。
金属の中には、燃やしたときに決まった色のほのおを出すものがある。たとえばストロンチウムは赤、カルシウムはオレンジ色、バリウムは黄緑のほのおを出す。これを炎色反応という。炎色剤は、これらの金属をふくんでいるのだ。
炎色反応で、特ちょうのある色を出す物質。左から水道水、炭酸水素ナトリウム、硝酸カリウム、りん酸アンモニウム、銅、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化リチウム、塩化ストロンチウム。
出典:燃焼科学 ?物質と火のからくり塾? バーチャルラボラトリ
花火を打ち上げるときには、花火玉の大きさに合った打ち上げ用の筒を用意する。筒の底には、発射用の火薬が入っていて、花火玉を筒の中に入れたあと、筒の口から火を投げ入れて火薬に点火し、花火玉を打ち上げる。空中で花火玉の導火線に火がつくとばく発し、星が燃えながら丸く広がっていく。
打ち上げ花火のうち、開いた後で色が変わるるものは、いくつかの炎色剤を配合した星を使っている。また、大きな花火の中に小さな花火が開くのは、花火玉の中に星を二重に置いているためで、最初に花火玉の外側の星が大きく開き、続いて内側の星が小さく開くのだ。
夜空をいろどる花火には、科学の原理がうまく使われ、さまざまな工夫がこらされている。この夏、花火を見るときに、そのことに思いを寄せてみるのもいいね。
「花火事典」には、花火玉につけれられる玉の名前や、打ち上げ方法、しかけ花火などの説明がある。「花火動画・写真」では、過去に打ち上げられた花火の動画や写真が公開されているよ。
燃焼科学 ?物質と火のからくり塾? バーチャルラボラトリ燃焼や炎色反応について学べるサイト。火の歴史や、ものが燃える現象について紹介されている。炎色反応の実験が動画で公開されていて、燃焼や炎色反応を勉強するにはぴったり。
花火についてのクイズや、花火大会のスケジュールなどが紹介されている。また、おもちゃ花火の正しい使い方が説明してある。花火で遊ぶ前に、このサイトを見よう。
ホソヤエンタープライズ花火の製造や打ち上げなどを手がける会社のサイト。「花火の科学」では、花火の種類や製造工程などがわかる。花火大会での花火師の1日も紹介されているので、花火師の仕事に興味がある人は必見だ。

