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磁石の性質は、学校でも実験して調べたね。磁石を利用したものは、身近なところにもいろいろある。磁石の性質やひみつ、磁石のさまざまな利用についてもくわしく調べよう。夏休みの自由研究にもなるよ。 |
磁石の力を目で見よう
磁石には、N極とS極がある。N極とS極は引きつけ合ってくっつくけれど、N極同士、またはS極同士は反発するね。
磁石がものにはたらく力を磁力という。磁石の上にとう明な下じきなどをのせ、その上に砂鉄をまくと、砂鉄が線になって並び、磁力を目で見ることができる。この線を磁力線という。
ぼう磁石の上にとう明な板を置き、砂鉄をまいたところ。磁力線が見える。
磁力線を観察すると、磁石のN極とS極を近づけたときは磁力線が引きつけ合い、N極同士、またはS極同士を近づけたときは磁力線が反発し合っていることがわかる。
N極とS極を近づけたときの磁力線。引きつけ合っているのがわかる。
N極どうしを近づけたときの磁力線。反発し合っているのがわかる。
磁力は、磁石のどの部分でも同じようにはたらいているわけではない。ぼう磁石に砂鉄をくっつける実験をすると、両はしにはたくさんの砂鉄がつくけど、中央あたりには砂鉄はほとんどくっつかない。ぼう磁石の両はしは磁力が強く、中央あたりは磁力が弱いからだ。
磁石が鉄を引きつけるわけは?
磁石には、鉄を引きつける性質があることは知っているね。でも、ガラスやプラスチック、木、紙は引きつけない。磁石が引きつけるものは、鉄やニッケル、コバルトなど、一部の金属だけだ。では、なぜ、磁石は鉄を引きつけるのだろう。
鉄自身は、磁石の性質を持たないけど、鉄に磁石をくっつけると、磁石の性質を持つようになり、磁石にくっつくんだ。磁石の性質を持った鉄はほかの鉄も引きつけるよ。なぜ鉄が磁石になるかというと鉄は小さな磁石が集まってできているから。普通の鉄は小さな磁石の向きがばらばらだけど、磁石にくっつけると小さな磁石が規則正しく並ぶので、磁石の性質を持つようになるんだ。磁石になった鉄をレンガなどのかたいものでたたいてやると、磁石の性質はなくなるよ。
実は、磁石も鉄と同じようにたくさんの小さな磁石が集まってできていると考えられる。磁石の場合は、いつも小さな磁石のN極とS極が規則正しく並んでいるので、かんたんには磁力がなくならない。
でも、磁石も、高温で熱したり、ハンマーなどで強くたたいたりすると、磁力がなくなってしまう。磁石をつくっている小さな磁石の向きが、ばらばらになってしまうためだ。
N極だけ、S極だけの磁石はできる?
ぼう磁石を、中央で2つに切ったら、N極だけの磁石とS極だけの磁石ができるのだろうか? 前に説明したように、磁石は、小さな磁石がたくさん集まってできていると考えられる。だから、磁石を2つに切っても、それぞれがまたN極とS極をもつ磁石になる。これは、さらにどんどん細かく切っていっても同じことなんだ。N極だけの磁石、S極だけの磁石はできないんだね。
磁石で方角がわかるのはなぜ?
また、磁石を水にうかべたり、ひもなどでつるしたりして、自由に動けるようにすると、N極が北、S極が南を向く。方位磁針は、磁石のこの性質を利用して、方角を知るためにつくられた道具だ。
水にうかべたぼう磁石と方位磁針。N極は北を、S極は南をさす。
方位磁針の針が南北をさすのは、地球が大きな磁石になっていて、その磁力に引きつけられているからだ。地球は、北極がS極、南極がN極なので、方位磁針のN極が北を、S極が南をさすというわけだ。
材料で磁石を分類
磁石には、ぼうの形、U字形、円柱形、ドーナツ形など、さまざまな形がある。これらは、使い道に合わせて、使いやすい形にした磁石だ。
円柱形の磁石を使った紙どめ。
U字形磁石
そのほか、磁石は材料によって分けることができる。
酸化鉄からつくられるフェライト磁石は、磁力があまり強くなく、強度も高くないけれど、安くつくれるので、紙どめや、自動車、電気製品など、最もよく利用されている。初心者マークなどに使われているラバー磁石は、フェライト磁石の粉をゴムにまぜてつくったものだ。はさみでもかんたんに切れるよ。
アルニコ磁石は、アルミニウム、ニッケル、コバルトを材料とする磁石で、スピーカーなどに使われる。また、ウシに飲ませて、胃の中の針金などをくっつけ、ウシの胃が傷つかないようにするのにも使われる。
ネオジムという金属や鉄などからつくられるネオジム磁石は、現在、最も強力な磁力を持つ磁石だ。フェライト磁石の約10倍の磁力があり、モーターや携帯電話などに使用されている。でも、熱に弱く、320〜340℃で、磁力がなくなってしまう。そのため、高温の場所では使えない。
ネオジム磁石
ネオジム磁石(左)とフェライト磁石(右)の磁力のちがい。
大活やくの磁石
人間は、昔から磁石をいろいろ利用してきた。
自由に動くようにした磁石が南北をさすことは、古くから知られていたが、11〜12世紀の中国で、この性質を利用した羅針盤が発明されたと言われる。羅針盤は、船で航海するときに、方角を知るためのもので、その後ヨーロッパで改良されて使われた。
今も、身近なところで、磁石を利用したものは多い。
磁石が鉄などを引きつける性質を利用したものは、かばんのとめ金、戸だなのとめ具、冷蔵庫のドアなどがある。
また、磁石を粉にしてテープなどにぬると、情報を記録できる。これを利用したものが、カセットテープやビデオテープなど。また、うらが黒や茶色のきっぷ、プリペイドカード、キャッシュカード、コンピュータのハードディスクなどだ。これらのものに磁石を近づけると、記録されている情報が消えてしまうことがあるので気をつけよう。
さらに、導線を巻いてつくったコイルの中で磁石を回すと電気が流れる性質を利用した自転車のライトや、磁石の中のコイルに電気を流すとコイルが回る性質を利用したモーターも、身近なところで磁石が使われている例だ。
ほかにも磁石が使われているものをさがして、磁石のどんな性質を利用しているのか考えてみよう。
磁石がくらしに欠かせないものだということがわかるはずだよ。
磁石で自由研究しよう
◎こなごな磁石の磁力は?
磁石を細かくくだくと、磁石の性質はどうなるかな。また、細かくくだいた磁石をよくふると、どうなるだろう。
- ◆準備するもの
- フェライト磁石(2個、〈1個はくだいてもよいもの〉)、ビニールぶくろ、フィルムケース、かなづち、ゼムクリップ(磁石につくもの)
- ◆実験の方法
- 1.ビニールぶくろに磁石を入れる。
- 2.かなづちで磁石をたたいて、細かくくだく。(手をたたいたりしないように注意)
- 3.くだいた磁石をフィルムケースに入れ、よくふってからゼムクリップに近づける。
- 4.フィルムケースの底を磁石でこすって、もう一度ゼムクリップに近づける。
くだいた磁石は鉄を引きつけない。
ほかの 磁石でこすると、もう一度鉄を引きつける。
◎磁石の種類と磁力を調べよう
磁石の種類によって、どれくらい磁力にちがいがあるかを調べよう。また、磁石の数を増やすと、磁力がどう変わるかも調べよう。
- ◆準備するもの
- 種類がちがう磁石(それぞれ数個)、ゼムクリップ、本
- ◆実験の方法
- 1.種類がちがう磁石に、それぞれゼムクリップが何個つくか調べる。
- 2.種類が同じ磁石の数を1個、2個、3個と変えて、それぞれの場合につくゼムクリップの数を調べる。
- 3.2個の磁石の間に本をはさんだとき、磁石がくっつくかどうかを調べる。
- 4.3でくっついた場合、本の数を増やし、厚さ何cmまでくっつくかを調べる。
円柱形の磁石を使った紙どめ。
磁石を使って工作をしよう
◎おさなくても走るマグネット(磁石)自動車
磁石の、同じ極 どうしを近づけると反発する性質を利用して、マグネット自動車をつくろう。
- ◆準備するもの
- ドーナツ磁石(2個)、牛乳パック(おかしの箱などでもよい)、厚紙、ストロー、竹ひご、セロハンテープ、コンパス、ペン、はさみ
- ◆つくり方
- 1.厚紙に直径4〜5cmの円をかいて切り取り、タイヤをつくる(4個つくる)。タイヤの中心に竹ぐしを通すあなをあける。
- 2.牛乳パック(またはおかしの箱など)をよくあらい、かわかす。厚紙に絵をかいて牛乳パックにはり、車体をつくる。
- 3.車体のはばに合わせてストローを切り(2本)、車体の前と後ろにセロハンテープではる。
- 4.ストローより少し長く竹ひごを切って(2本)ストローにさし、それぞれの竹ひごの両はしにタイヤをさす。
- 5.車体の後ろにドーナツ磁石1個をセロハンテープではる。
- 6.車体の磁石に、もう1個の磁石の同じ極側を近づけると、自動車が動く。
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方位磁針をつくったり、磁力線を調べるなど、磁石に関係する20以上の実験ができるキット。鉄を引きつけたり、同じ極が反発することなど、磁石の力を楽しみながら理解できる。 |
「キッズ磁石用語集」では、磁石に関係のある言葉が説明されている。また、「キッズおもしろ実験室」では、磁石を使った工作や実験を紹介しているよ。磁石について楽しみながら学べるサイトだ。
じしゃく忍法帳 TDK Techno Magaine電動歯ブラシやリニアモータカーなど、磁石を使用したたくさんのもののしくみやエピソードが紹介されているよ。意外な製品に磁石が関係していることがわかるので、ぜひ見てみよう。


![[キットボックス]N・S実験じしゃく](images/book/book0808_1.gif)