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コオロギやスズムシの鳴き声を聞いたり、アカトンボが飛んでいる姿を見たりすると、秋だなという気がするね。コオロギなどの鳴き声や、アカトンボの一生にはひみつがいっぱいだ。秋の虫について調べてみよう。 |
鳴く虫に親しんできた日本人
秋に鳴く虫には、コオロギやスズムシ、マツムシなどがいる。鳴く虫は、古くから日本人に親しまれてきた。今から1200年以上前に作られた『万葉集』にもコオロギをよんだ歌が残されているほどだ。その中には「コオロギの鳴き声は、いくら聞いてもあきない」という内容の歌もある。また、江戸時代には、スズムシなどの鳴く虫を売り歩く人もいた。
名前や体の形などにちがいはあるけれど、スズムシもマツムシも、コオロギの仲間だ。コオロギの仲間は、世界に約2000種、日本には約60種がいる。コオロギの仲間は、アリヅカコオロギのように2?3mmのものから、タイワンオオコオロギのように40mmをこえるものもいて、大きさはさまざまだ。
コオロギの一生
よく見かけるコオロギの仲間に、エンマコオロギがいる。エンマコオロギは、体長26?32mm、日本では最大のコオロギだ。エンマコオロギは、河原や草むら、畑などにすんでいる。エンマコオロギのめすは、秋の終わりごろ、土の中に卵を産む。卵は土の中で冬をこし、次の年の夏の初めごろに卵からかえる。生まれたばかりの幼虫は、成虫とちがって体の色が白いが、だんだん黒くなっていく。幼虫は、栄養をとって、およそ1か月の間に7回も脱皮をくり返して成虫になる。成虫になったばかりのエンマコオロギには、4枚のはねがあり、後ろの長いはねを使って飛ぶ。でも、成虫になって1週間ほどすると、後ろのはねを自分でぬいてしまう。そして、このころから、本格的に鳴くようになる。秋が深くなると、おすとめすがけっこんし、めすは卵を産む。
エンマコオロギ。体長26?32mm。成虫は11月中旬まで活動する。
提供:箕面公園昆虫館
エンマコオロギは、このような一生を送っているよ。
何のために、どうやって鳴くの?
鳴く虫たちは、どうやって、また、何のために鳴くのだろう。
鳴く虫たちの「声」は、じつは口から出しているのではなく、前ばねをこすり合わせて出している。2枚の前 ばねは、1枚にやすりのようなぎざぎざが、もう1枚にはでっぱりがついていて、前 ばね同士をすばやくこすり合わせると、音が出る。これが鳴く虫の「声」の正体だ。
そして、鳴くのはおすだけ。鳴き声には、いくつかの役割がある。まず、ここは自分のなわばりだぞと、ほかのおすに示すこと。エンマコオロギは、この場合、「コロコロコロ」と鳴く。また、おす同士が出会った時は、おたがいに「キリ、キリ、キリ」と鳴く。どちらかが去っていくまで鳴き続けるので、けんかのような役割をしていることがわかるね。また、めすをさそう時は、「コロコロコロリー」と鳴く。ということは、コオロギたちは、あの声を聞くための耳をもっていることになるね。でも、コオロギたちの耳は、わたしたちとちがい、前あしについているよ。
鳴く虫の声は、種類によってもちがう。スズムシは「リーン、リーン」、マツムシは「チンチロ、チンチロ」、クツワムシは「ガチャガチャ」、ウマオイは「スイッチョン、スイッチョン」という鳴き声だ。鳴き声から、どんな虫がいるかあててみるのも楽しいね。
クツワムシ。おす25mm、めす36mm。10月ころまで活動する。
提供:箕面公園昆虫館
夏と秋にすむ場所を変えるアカトンボ
鳴く虫のほかにも、秋を感じさせてくれる昆虫がいる。そう、アカトンボだ。でも、アカトンボという種類の昆虫がいるのではない。トンボの仲間のうち、アカネ属というグループにふくまれるトンボ全体をアカトンボと呼んでいる。日本には、21種類のアカトンボがいる。ほとんどのアカトンボは体が赤いけれど、中には赤くないアカトンボもいる。また、若い時は赤くないものもいるよ。
秋になると、急にアカトンボの姿を見かけるね。では、それまで、アカトンボはどこにいたんだろう。それは、アカトンボの一生を調べるとわかる。
アキアカネ。体長40mm。12月ころまで活動する。
提供:箕面公園昆虫館
例えば、アカトンボの仲間のアキアカネは、秋に、川や池、たんぼなどに生える水草などに卵を産みつける。春になると、卵から幼虫がかえる。これが、やごだ。やごは水の中で暮らし、おたまじゃくしなどを食べて成長する。6月ごろになると水から出て成虫になる。成虫は、もちろんトンボの姿をしている。でも、成虫になったばかりのアキアカネは、赤くなく、だいだい色をしている。暑い夏のさかり、アキアカネは、暑さをさけるために山や高原などのすずしい場所へ向かう。そして、10月くらいになると、山から平地に移動して、けっこん相手を探す。この時、アキアカネの体はだいだい色から赤色に変わっている。これは、けっこんできるよっていう印なんだね。おすとめすがけっこんして、めすが卵を産むと、アキアカネは、一生を終える。
アキアカネの一生。幼虫は、水の中で育ち、成虫は山から平地へ移動する。
出典:たつの・赤トンボを増やそう会
このような一生を送るので、アカトンボは、秋になると、急に増えたように思えるんだ。
コオロギを飼おう
コオロギを飼うのは、そう難しくない。きれいな鳴き声も聞けるから、ぜひ飼ってみよう。
入れ物には、プラスチック製の水そうを用意する。日なたでかわかした土をしいて、コオロギがかくれられるように、石や木、かわらのかけらなどを入れておこう。えさは、ナスやキュウリなどの野菜がよい。輪切りにして、つまようじなどにさして、土に立ててやる。また、かつおぶしなどの動物性のえさも必ずやろう。そうしないと、コオロギ同士がとも食いすることもあるからだ。
おすとめすをいっしょに飼っていると、卵を産むこともある。めすは、おしりの先に針のような長い管があり、この管を地面にさして土の中に卵を産む。めすが管を地面にさしていたら、土をほって卵を探しておこう。成虫が死んだら、食べ残しのえさなどを取り除き、水そうごと、温度が低く暗い場所に置く。土の表面がかわいていたら、きりふきで水をまき、土をしめらせておく。また、ラップやビニールで水そうにふたをして、かんそうしすぎないようにしよう。次の年の5?6月になると、卵から幼虫がかえる。幼虫は、成虫と同じように育てられるよ。
秋のひと時、身近な生き物に目を向けてみよう。
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[ジュニア学研の図鑑] 昆虫 監修:岡島秀治 身近な昆虫をイラストや写真で、環境別と季節別に紹介している。分類別の標本写真ものっているので、昆虫採集や観察にも役立つ。昆虫図鑑の入門編としてぴったりな一冊。 |
コオロギの仲間やキリギリスの仲間、セミの仲間など、鳴く虫の様子を動画で見ることができる。コオロギの仲間は、エンマコオロギをはじめ、スズムシ、マツムシなど16種類が紹介されているよ。
デジタル化・神戸の自然シリーズ 神戸の水辺環境と生き物たち?神戸のトンボ神戸市で見られるトンボを紹介するサイト。「成虫の名前を調べる(原著)」のページでは、はねの特徴や頭部の形などから、トンボの種類を判別できる。
大阪府箕面市にある昆虫館のサイト。「昆虫館だより」では、箕面に生息している昆虫の紹介や、モンシロチョウなどの飼い方の解説がある。
たつの・赤トンボを増やそう会アカトンボの種類や、アキアカネの生態や一生を写真とイラストで説明している。兵庫県たつの市で行われているアカトンボを増やす活動も紹介されているので、ぜひのぞいてみよう。



![[ジュニア学研の図鑑] 植物](images/book/book0810.jpg)