太陽系の惑星が9こから8こになった!
太陽系の惑星が
9こから8こになった!
これまで太陽系の惑星は,水星から冥王星まで9こあるとされてきたね。
ところが,2006年8月24日,チェコのプラハで行われた国際天文学連合の決定によって,冥王星は惑星の仲間から外され,太陽系の惑星は全部で8こになったんだ。
冥王星は惑星ではなく,「準惑星」とよばれる天体となったよ。
今まで図鑑や教科書には,冥王星は惑星だって書かれていたのに,急にちがうといわれてもびっくりしちゃうね。どうして,冥王星は惑星の仲間から外されたのかな?
冥王星は
ちょっと変わっている!
もともと冥王星は,ほかの惑星とはちがうところがあると知られていたんだ。
ひとつめは軌道。水星から海王星までの惑星は,ほぼ同じ平面上を,ほぼ円に近い軌道で回っている。でも,冥王星の軌道は,それにくらべて17度もかたむいていて,だ円の形をしている。しかも軌道の一部が海王星の軌道の内側に入っているんだ。※前のページの「太陽系をたんけんしよう!」で確かめてみよう
ふたつめは大きさ。冥王星の直径は2300kmしかなく,ほかの惑星の中で一番小さい水星の半分もないんだ。
こうしたことから,冥王星が惑星であるかどうか,天文学者たちは昔から頭をなやませていた。でも,「惑星とはなにか?」というはっきりとした定義がなかったので,冥王星はずっと惑星としてあつかわれてきたんだよ。
ところが,観測技術の進歩で新しい天体が次々に発見されたことで,このままじゃいけないってことになったんだ。
冥王星よりも
大きな天体が発見された!
1990年ころから,海王星より外側の場所でいくつも天体が発見され始め,現在では1000こ以上も観測されている。
中でも,2003年に発見された天体「エリス」は冥王星よりも大きいことがわかったんだ。天文学者の中には,冥王星が惑星なら,それより大きいエリスも惑星の仲間といえるんじゃないかという人が出てきた。また,ほかにも大きな天体が2こあったので,いっそ惑星を3こ増やそうという意見まで生まれたんだ。
でもそうなったら大変。毎年,新しい天体が発見されているので,どんどん惑星の数が増えていく可能性があるんだ。このままでは,惑星がいっぱいありすぎて,みんな混乱してしまうね。
そこで,ちゃんと「惑星とはなにか?」を決めないといけないということになり,国際天文学連合の総会で話しあいが行われたんだ。
新しい惑星の
定義が決まった!
国際天文学連合の総会でいろいろな意見が話しあわれ,これまではっきりと決まっていなかった惑星の定義が決定された。
惑星とは,下の3この条件に全部当てはまるものと決まったんだ。
- 惑星とは……
- (1)太陽のまわりを回っている
- (2)自分の重みで球の形をしている
- (3)衛星をのぞいて,軌道の近くにほかの天体がない
水星から海王星までは,全部の条件に当てはまる。
冥王星も(1)と(2)は当てはまるけど,(3)は軌道の近くに同じくらいの大きさの天体があるので当てはまらない。エリスやほかの2この天体も同じく,当てはまらなかった。
惑星が3こ増えると思ったら,逆に1こ減っちゃうという結果になったんだね。さあ,これできみも冥王星が惑星の仲間から外された理由がわかったかな。
宇宙にはまだわかっていないことがいっぱい。今度はどんな発見があるか,楽しみだね。
協力/川崎青少年科学館学芸員 国司真 イラスト/マカベアキオ
【用語解説】
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
- 太陽系の惑星
- 地球などのように,太陽のまわりを回る,それなりの大きさを持つ天体のことだよ。太陽から近い順に,水星,金星,地球,火星,木星,土星,海王星,天王星の8こがある。冥王星は惑星ではなくなったよ。

「太陽系の天体」 - 冥王星
- 太陽から約59億kmはなれたところを回っている天体。1930年に発見され,太陽系の第9惑星と考えられていた。

「冥王星(左)とその衛星カロン(右)」 - 準惑星
- 英語では「dwarf planet(ちっちゃな惑星)」というよ。日本語では「準惑星」というよび名が与えられているよ。
- 軌道
- 惑星が太陽のまわりを回るときの通り道のこと。
- 冥王星の大きさ
- 冥王星の直径は2300km。水星の半分以下しかなく,月よりも小さいんだ。
「大きさをくらべてみよう」 - エリス
- 冥王星よりも外側の軌道を回る,準惑星。直径は約2400kmくらいと考えられている。

「エリス」 - 衛星
- 地球の月など,惑星のまわりを回っている天体のこと。

地球の衛星「月」
太陽系の惑星は9こから8こになった。
外れたのは冥王星。冥王星が惑星でなくなったのは,新しい惑星の定義に当てはまらないから。
| 【惑星の定義】 | ほかの惑星 |
冥王星 |
|---|---|---|
| (1)太陽のまわりを回っている | ○ | ○ |
| (2)自分の重みで球の形をしている | ○ | ○ |
| (3)衛星をのぞいて,軌道の近くにほかの天体がない | ○ | × |
冥王星は(1)と(2)には当てはまるけれど,(3)は軌道の近くにほかの天体があるため当てはまらない。そのため,惑星ではなくなり,「準惑星」とよばれるようになった。

