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2001年8月8日。千葉県多古(たこ)町内の地層(ちそう)から、旧石器(きゅうせっき)時代のものと見られる人骨の化石50点以上が出土した。
5月28日、千葉県立富里(とみさと)高校の郷土(きょうど)研究部と生物部の生徒たちが「学校周辺の化石を調べよう」と調査(ちょうさ)したところ、1人の生徒が「これ、何ですか?」とつぶやいた。引率(いんそつ)の斉藤尚人(さいとうなおと)先生がのぞきこむと、下あごや足のような骨(ほね)などがあった。斉藤先生は「人間の骨の可能性(かのうせい)もある。ここで掘(ほ)るのはやめよう。専門家(せんもんか)に見せよう」といったが、胸(むね)の鼓動(こどう)が止まらなかったという。
連絡(れんらく)を受けた酒井潤一(さかいじゅんいち)信州大(しんしゅうだい)教授【地質学(ちしつがく)】らが、野尻湖(のじりこ)発掘調査団(はっくつちょうさだん)のグループを中心に多古層産(たこそうさん)化石研究会を組織(そしき)して、8月5日から現地(げんち)で発掘にあたった結果、さらに骨片(こっぺん)が出土した。見つかったのは、臼歯(きゅうし)が生えた下あご、ろっ骨(こつ)、足首など。「親知らず」は大人のもので、すりへっていない歯は10歳(さい)以下(いか)の子どものものと見られている。
これまで国内で見つかっている人骨化石(じんこつかせき)のなかでは、沖縄(おきなわ)県の港川人(みなとがわじん)【1万8000年前】が最古の全身骨格(こっかく)とされているが、発掘にあたっている多古層産化石研究会団長の酒井教授は「地層から判断(はんだん)して、少なくとも2万年以上前のもの」で日本最古という見方をしている。
国内に多い酸性(さんせい)の火山灰土壌(かざんばいどじょう)では、時間の経過(けいか)とともに人骨は溶(と)けてしまうため、これまで、港川人のように旧石器時代の人骨は洞窟(どうくつ)などでしか見つかっていない。今回の発掘場所は石灰(せっかい)分をふくむ貝層(かいそう)だったことから、溶けずに残っていたと見られる。
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今回の人骨化石(じんこつかせき)は、5、6万年前から2万年前という年代推定(ねんだいすいてい)が正しければ、本州に人類が達した時代を考えるうえで貴重(きちょう)だ。この時代は氷河時代(ひょうがじだい)。沖縄から遠くはなれた関東にまで人が到達(とうたつ)していたことになるからだ。日本人の渡来経路(とらいけいろ)を推定(すいてい)するうえで貴重な資料(しりょう)になる。
今後、専門家による放射性炭素(ほうしゃせいたんそ)などを使った正確(せいかく)な年代測定(ねんだいそくてい)が待たれる。
(参考:朝日新聞、毎日新聞、読売新聞ほか)
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