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幕末(ばくまつ)の1823年にオランダから長崎(ながさき)へ軍医として赴任(ふにん)して西洋医学を伝え、5年後スパイ容疑(ようぎ)で追放されたシーボルト(1796~1866)が、日本の旋律(せんりつ)をもとに作曲したピアノ曲が、初めてCDに録音(ろくおん)された。これまで日本で生まれた西洋の手法によるクラシック音楽の第1号は、1897年に滝廉太郎(たきれんたろう)が作曲した歌曲とされてきたが、それより60年以上も前に、日本をテーマにピアノ曲が作曲されていたことが明らかになり、音楽関係者も貴重(きちょう)な録音と注目している。
この楽譜(がくふ)は、資料(しりょう)として東京芸術大学(とうきょうげいじゅつだいがく)に保存(ほぞん)されていた。明治期の“お雇(やと)い外国人”の音楽活動を研究するキングレコードの宮山幸久(みややまゆきひさ)さんがこの楽譜を確認(かくにん)し、東京芸大3年の前田健治さんによるピアノ演奏(えんそう)で録音された。
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「ヤパーニッシェ・メローディエン=日本の旋律(せんりつ)」と題するこの楽譜は、ウィーンで再版(さいはん)されたもの。2、3分の小品7曲からなり、第4曲には「坊主(ぼうず)にかっぽれ」とローマ字で歌詞(かし)がつけられ、その旋律が当時の流行歌の「かっぽれ」から取られたことがわかる。だが、曲調はヨーロッパ古典派(こてんは)風だ。
オランダ・ライデンでシーボルトの研究をしている古楽器奏者(ごがっきそうしゃ)の国森由美子さんは「日本に初めてピアノを持ちこんだのもシーボルトだった。彼(かれ)の手書きの採譜(さいふ)メモもあり、シーボルトは日本の歌や器楽(きがく)の旋律を五線紙に書きとめてオランダに持ち帰ったと見られる。この楽譜(がくふ)は1836年にライデンで出版(しゅっぱん)され、1874年にウィーンで再版(さいはん)された。そのとき編曲(へんきょく)された可能性(かのうせい)もある」と話す。 音楽評論家(おんがくひょうろんか)の岩井宏之(いわいひろゆき)氏は「日本で生まれた初めてのピアノ曲がシーボルト作曲だったと知って驚(おどろ)いた。かっぽれは外国人に注目されやすかったのだろう。日本の西洋音楽史を整理し直さなければいけない」と語っている。
CDは9月に発売される。
(参考:毎日新聞ほか) |
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