みんなは将来(しょうらい)、どんな仕事につきたいと考えているだろう。まだ想像(そうぞう)がつかないかもしれないけれど、働くことって、とてもすばらしいことなんだ。
このコーナーでは、仕事でがんばっている人をしょうかいするよ。
しっかりと夢を持っている人も、まだまだ夢が見つからない人も、これを読んで、仕事のおもしろさを考えてみよう!
動物飼育員
(どうぶつしいくいん)
先崎 優(せんざき まさる)さん
(どうぶつしいくいん)
生き物好きの少年の夢(ゆめ)は?

2008年、先崎優は、長年の夢だった動物園の飼育員(しいくいん)になった。神奈川県横浜市にある金沢動物園※1の職員(しょくいん)に採用(さいよう)されたのだ。
母親がよろこぶ顔を想像(そうぞう)しながら、ふるさと(福島県小野町)に電話した。「ぼく、飼育員になったよ。それもゾウの担当(たんとう)だよ。六トンものきょ体だよ」「そう、おめでとう。優は小さいときから動物が好きだったから、じゅう医さんになるかと思っていた。でも、飼育員になれてよかったね」
母親の口から、まさかじゅう医という言葉が出るとは思わなかった。子どものころに話したことを覚えていたのだ。

優の頭に、子どものころのある光景がよみがえってきた。優の家は20数頭の牛を飼うらく農業をしていた。牛のちちの出が悪いときや、えさの食べ方がよくないと、「先生、みにきてください」と、じゅう医師におうしんをたのむ。
注射(ちゅうしゃ)をしたり薬を飲ませたりして、てきぱきと注意してくれるじゅう医師に、何回も頭を下げてお礼をいう母親を見て、優は思った。
「牛の先生は、あんなに感謝(かんしゃ)されるんだ。すばらしい仕事だなあ。ぼくもじゅう医師になりたいな」
自然にめぐまれた山間の町で育った優は、春には小川でオタマジャクシをつかまえて、カエルになるのを見とどけた。夏には森にわけいってカブトムシをさがし、セミを追う。生き物に囲まれていると、心が満たされていた。
小学校時代の優は、友達がゲーム機に熱中する休み時間、校庭の土スレスレに顔をつけ、まゆをかかえて行列しているアリを観察していた。
家での優は大事な働き手でもあった。登校前と放課後には、牛舎(ぎゅうしゃ)のそうじやえさの用意をしなければならない。それが三人兄弟の長男の日課だった。
夕方、遊べる時間になると、山に行き、けもの道にふみこんだ。
「先崎のところの優がまだ帰ってこないそうだ」
近所の人の協力で発見されたときには、手にはめずらしい虫をにぎっていたりした。家に帰って図かんでその正体を調べるのが、楽しみだったのだ。
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