HOME 特集一覧 > たなか鮎子さんと「にんぎょひめ」の世界

わんたの Special Interview vol.1

わんたが毎回、絵描きさんにインタビューするよ!

第1回は、「にんぎょひめ」を描いてくれた、絵本作家で銅版画家のたなか鮎子さん。

わんた:できあがった「にんぎょひめ」を見て、どう思ったか教えてくださいわん!

P1:人魚姫のお城
「この画面がすごく気に入っています!」

たなか:単純に、動くことに感動しました! 自分の描いた絵が動くのって、やっぱりちょっと不思議なんですよね。だから、「あっ!動いてる!動いてる!」って(笑)。

最初のシーンでは、泡がふわふわと浮いてきて、画面が下に降りていきますよね。自分も一緒にすーっと深い海のなかに入っていく感じがして…。ここは特に気に入っている場面です。さざ波の音とか音楽が聞こえてくるのも、お話の世界に入っていきやすくてすてきです。

「こんなふうに動くといいな」と思っていたことが、全体的に裏切られることなく表現されていて、クオリティも高いなと思いました。

わんた:周りのみなさんの反応はどうでしたかわん?

たなか:夫がすごく喜んでくれました!! 夫はメキシコ人なので、日本語を読むことはちょっと苦手なんです。私たちのふだんのコミュニケーションは英語なんですよ。もともとアート好きなので、いつも私の作品をほめてくれるのですけど、この「にんぎょひめ」は、英語で読めて聞けるのが、さらによかったみたいです。メキシコの親戚の子どもたちにもすすめていました(笑)。

(わんた:わ、わんと! いいお話だわん。。。)

あと、私は絵本を何冊か出版していますが、絵を好きだと言ってくれるけれど、絵本を買うまではいかない方たちが、「『にんぎょひめ』を見たよ!」とか「買ったよ!」と言ってくれたのがちょっとうれしい驚きでした。

値段も手ごろだし、「ほしい!」と思ったらその場でダウンロードできて、すぐ見られるというのがいいのかな。これまでとは違う読者層を感じましたね。私の作品を広く知ってもらえる機会が増えてよかったなと思います。

わんた:紙の絵本とデジタルの絵本の違いー鮎子さんはどう思いますかわん?

たなか:うーん、私はあまりこだわりはなくて、絵の世界を楽しむ手段や表現方法がいろいろあっていいと思っているんです。紙とデジタル、自分で好きに想像する楽しさ、ダイナミックな動きや音を感じる楽しさ…それぞれのよさがありますしね。

イラストレーターの立場でいうと、デジタルは色の再現がいいのがうれしいです。後ろから光があたるし、とてもきれいですよね。

特に今回の場合、海のエメラルドグリーンが美しいなと感じました。そうそう、魔女のシーンの紫もきれいでうれしい! こういう微妙な色って印刷だと難しいので、絵本の場合、苦労するんですよ。でも、印刷に対してストレスがあるわけではないんです。紙だからこその質感や造本された「本」としてのよさは、とても大切なものですから。

P7:海のシーン P8:魔女のシーン P15:王子の部屋
「印刷だと、思った色を出すのが難しいエメラルド グリーンや紫色も、デジタルはきれいですね!」 「カーテンの赤色は、素材感もよく出ていますね」

わんた:日本語のナレーションは、声優の日髙のり子さん! わんた、大好きわん。鮎子さんは?

たなか:日髙のり子さん…!ばっちり「タッチ」の世代です! あこがれの「みなみちゃん」のかわいらしいイメージをもって聞き始めましたが、深い海に包みこまれるような落ち着いたトーンで、時に神秘的…!ものすごく丁寧に読んでくださっているのを感じました。

お母さんが子どもに読み聞かせするのとはまた違った世界ですよね。ぜひ親子で楽しんでもらえたらと思います。

英語のナレーションもすてきですよね~。Facebook上で、友達から「英語版の魔女がより魔女っぽかった」とか「英語が苦手な私の耳にも心地よいリズムでした」といったコメントもいただきました。

わんた:ところで、鮎子さんはどうして絵本作家に? 教えてくださいわん!

たなか:小さいころから、絵を描くことが大好きだったんです。小学生くらいのときは、児童文学作品を読んでは、自分で勝手に挿絵を描いているような子どもでした。「ここではないどこか」に行くのが好きな、妄想ガールでしたね(笑)。

高校生のときは美術部に入っていて、美大受験も考えたのですが、先生に相談したら「やめろ」と…。今思えばひどい(笑)!? で、福島にある大学の経済学部に入りました。絵を描きたいと思いながらも月日が過ぎ、大学卒業後はデパートに就職したんですけど、やっぱり絵をあきらめられなくて…。2年間働いてお金をため、東京のデザイン学校に入りました。グラフィックデザインを学び、卒業後はデザイナー兼イラストレーターとして働き始めたんです。幸運にも、働き出して2年目くらいにボローニャ国際絵本原画展に応募した絵が入選したんですね。それから絵の依頼もくるようになって…。初めての絵本は、『星うさぎと月のふね』(2003年 講談社)なんですけど、これは作家のかんのゆうこさんが、ホームページで私の作品を見て、ぜひ一緒にお仕事をしましょう、と声をかけてくださったんです!

(わんた:わ、わんと!すごい。ホームページってだいじわん!)

ホームページやブログはマストですね(笑)! ずいぶん回り道をした気がしますけど、仕事を始めてからはお仕事に恵まれていると思います。

これから2年くらい、イギリスに拠点を移して、ロンドンの美術大学で本格的に学ぶ予定なので、世界をもっと広げられたらと思っています!

(取材:わんた 掲載:2014年7月)

鮎子さん、ロンドン出発前のお忙しいときに、ありがとございましたわん!
わんた、今度はロンドンでお会いしたいわん。
鮎子さんの美しい絵の世界が広がる「にんぎょひめ」、みなさんもぜひ見てね!

profile

たなか:鮎子 AyukoTanaka

絵本作家、銅版画家 たなか鮎子 AyukoTanaka

1972年福岡県福岡市生まれ、宮城県仙台市育ち、ロンドン在住。 福島大学経済学部、東京デザイナー学院グラフィックデザイン科卒業。ロンドン芸術大学チェルシー校大学院修了予定。デザイン会社勤務を経て、個展を中心に活動中。2000年ボローニャ国際児童図書展の絵本原画展入選。おもな絵本に『かいぶつトロルのまほうのおしろ』(文絵/たなか:鮎子 アリス館刊)、『うらしまたろう』(文/令状ヒロ子 講談社刊)『フィオーラとふこうのまじょ』(文絵/たなか:鮎子 講談社刊)、『マルーシカと12の月』『あきねこ』(文/かんのゆうこ 講談社刊)、『碧空のかけら』(文/かんのゆうこ エイト社刊)『針つくりの花むこさん』(文/瀬戸内寂聴 講談社)など。書籍装画に『1リットルの涙』『数学ガール』『幼子にきかせたい おやすみまえの365話』など。「学研のえほんやさん」では、「にんぎょひめ」の絵を担当。

WEB SITE:ayukotanaka.com

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