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科学館ってどんなところ?/シリーズ 専門家にきく! 体験が科学する心をはぐくむ 板橋区立教育科学館にきく科学館の楽しみかた【第1回】(全4回)

科学館ってどんなところ?/シリーズ 専門家にきく! 体験が科学する心をはぐくむ 板橋区立教育科学館にきく科学館の楽しみかた【第1回】(全4回)

動物、植物、星空などの自然、エネルギー、通信などのテクノロジー。子どもは目のまえのことに「どうして?」と疑問をもちます。ネット動画やテレビ番組で得られる情報だけではものたりない……そんな子どもたちの気持ちにこたえてくれるのが科学館です。

実際に見てさわって、体で感じながら科学を体験できる科学館の魅力、そして親子で楽しむためのコツなどを、東京都にある板橋区立教育科学館の持永雅之館長にお聞きした「シリーズ 専門家にきく!体験が科学する心をはぐくむ 板橋区立教育科学館にきく科学館の楽しみかた」の第1回です。(全4回)

■板橋区立教育科学館とは、こんなところです。
「板橋区立教育科学館」Webサイトへ

科学に関する知識の普及・啓発を推進し青少年の健やかな成長をはかること、科学情報・教育情報を集めて学校教育・社会教育の充実に貢献することを目的に設立された東京都板橋区立の科学館。株式会社学研プラスが指定管理者となり運営している。2018年9月に開館30周年を迎えた。

第1回 科学館ってどんなところ?

渡邉:はじめにお聞きしたいのですが、科学館とはどんな施設のことなのでしょうか。

板橋区立教育科学館の持永館長

持永館長:わたしたち板橋区教育科学館は、簡単に言うと、日常に入り込んでいる科学を身近に考えることができ、将来的にはそれを応用していろいろなことが考えられるような子どもたちや一般の方々を増やしていこうという場所です。

以前は子どもたちの教育のための場所でしたが、いまは子どもたちだけではなくて、幅広い年齢層の方に学習の場を提供しています。

ほかの科学館だと、企業が自分たちの技術を広めるためにやっているところもあれば、自治体が教育施設として位置付けて運営しているところもあります。いろいろな形態がありますが、科学技術を子どもたちや保護者に広めるという役割は共通しています。

渡邉:科学を知り、科学にふれることができる館だから科学館なんですね。

地域の子どもの集う場所としての役割も担っているのでしょうか。

持永館長:板橋区立教育科学館の場合は、その役割もあります。当館は入館無料なので、大人も子どもも気軽に入ってこられて、気軽に科学にふれることができます。学びたい、という人だけでなく、放課後に涼んでいこう、くらいの気持ちで来て、「おっ?」と思ってもらえたらいいなと考えて運営しています。

※プラネタリウム、各種教室は有料

渡邉:板橋区立教育科学館では、どんな科学体験ができるのでしょうか。

持永館長:メインとなる常設の科学展示室では、身近な科学をテーマにした体験型の展示をそろえていて、科学についてとにかく体験してみるという場所になっています。

プラネタリムでは、未就学児など小さい子ども向け、小学生向け、小学校高学年以上向けの少し難しめのもの、大人向けのコンサートやアロマの癒し体験というように、幅広い年齢層に向けた内容を展開しています。
プラネタリウムは有料なんですが、親子向けの短めのプログラムは無料ですので、はじめてプラネタリウムに来るお子さんにおすすめしています。

大人の方でも、星のことを勉強したいということでなくとも、アロマに癒されたいと思って来て、その場所で星が投影されて、癒やされて帰るときに空を見上げてもらえたらいいなと考えています。

また、板橋区の公立小学校全51校では、小学校4年生と5年生のときに科学館移動教室として来館し、実験学習と天文学習を行ないます。わたしたちスタッフが授業をするんですよ。

渡邉:そのほかにはどんなことを行なっているのですか?

持永館長:年間を通じてイベントを行なっていて、夏には例年企画展を開いています。今年は恐竜の展示をしました。

2018年夏の企画展 「比べる! 恐竜! 大研究!」のようす

そのほかにも、科学教室として年に10回ほど、いろいろなテーマで教室を開いていますし、自由研究につながるようなワークショップを、春休み、夏休み、冬休み、3連休のときに実施しています。

年に9回、星を見る会も行なっています。その日の星空をプラネタリウムで解説したあと、実際にとなりの公園に行って、天体望遠鏡で空を見てみようという催しです。

星を見る会のようす

渡邉:プラネタリウムでそんな催しがあるなんて、はじめて聞きました。

持永館長:プラネタリムがある施設だと、わりとやっているんですよ。

渡邉:お話を聞いて、科学館ってなんてオトクなんだろう、知らないともったいないと感じてしまいました。

持永館長:科学館は大きなところ以外は地域密着型のことが多いので、近所に科学館があったら行ってみると、意外な発見があるかもしれません。とにかく体験して、なんだか不思議だなと思ってほしい。それでのちのち、勉強したりなにかをしているときに、「あっ、これ科学館でさわったことがある!」と気付いてもらえたらうれしいです。その気付きが、自分のものになると思うからです。
 

科学を知り、科学にふれることができる館だから科学館。体験が子どもたちに気付きを与えてくれるという持永館長の言葉にはっとさせられました。次回の第2回では科学館の展示物がどんなふうに作られているのか、舞台裏について聞きます。

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第2回 科学館展示の舞台裏
第3回 イベントや実験教室で、もっと科学にふれる
第4回 親子で科学館を120%楽しむ方法とは

渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)

渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)

渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)

株式会社コドモット代表取締役社長。
NTT在籍時代の2001年、子ども向けポータルサイト「キッズgoo」を立ち上げ、同サイトでデジタルコンテンツグランプリ・エデュテイメント賞受賞。独立後は小学生向けのコンテンツを中心に、企業の子ども向けWebサイトや公共団体の子ども向けツールなどの企画制作を数多く手がける。一男一女の母。

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