昭和・平成時代の,藤本弘(1933〜1996)と安孫子素雄(1934〜 )の2人の漫画家の共同ペンネーム。ともに富山県に生まれる。小学校時代からの同級生で,中学・高校時代から漫画を合作,投稿などをしていたが,1951(昭和26)年,「毎日小学生新聞」に投稿した4コマ漫画『天使の玉ちゃん』でデビュー。この年,東京に来てあこがれの手塚治虫にも対面している。54年に上京し,のち東京・豊島区のアパート「トキワ荘」で赤塚不二夫,石森(石ノ森)章太郎らと共同生活をしながら読み切りや連載漫画を発表。このころから「藤子不二雄」のペンネームを使うようになった。63年に連載を開始した『オバケのQ太郎』が大ヒットとなり人気漫画家の地位を不動のものとした。ただし合作はここまでで,『パーマン』『21エモン』など子供向きのギャグ・SF漫画の藤本,『忍者ハットリくん』『怪物くん』など怪奇やブラックユーモア志向の安孫子と,別々に作品を描き,それを共同のペンネームで発表するようになっていった。70年に連載が開始された藤本作の『ドラえもん』が徐々に,そしてやがて爆発的な人気を獲得するようになった1987(昭和62)年,コンビ解消。藤本は藤子・F・不二雄,安孫子は藤子不二雄Aのペンネームをそれぞれ使うようになった。テレビ・アニメ化された作品は数多い。