【なぜ?】ヨーグルトはすっぱい、でも牛乳 はすっぱくない
砂糖が入っていない「プレーンヨーグルト」を食べたことがあるかな? ちょっとすっぱいよね。でも、原料となる牛乳はすっぱくない。どうしてヨーグルトはすっぱいんだろう?

研究 のヒント!

「”味”は水溶液の性質ともかかわりが深い。まずは、科学実験でもよく使われる『リトマス紙』を使って、ヨーグルトの性質を調べてみよう! このすっぱさには、ヨーグルトがおなかに良いといわれるヒミツがかくされているよ。」
リトマス紙 って何 ?

リトマス紙は、リトマス試験紙ともいって、液体の性質を調べることができる理科実験用品のこと。
液体の性質には、「酸性」や「アルカリ性」がある。その中間の性質は、「中性」というよ。リトマス紙は、青色のものと赤色のものの2種類がある。そして、液体をつけると、酸性やアルカリ性に反応して色が変わる。この色の変化で、液体が酸性かアルカリ性か、中性かがわかるというしくみなんだ。

・青色リトマス紙→赤色に変化
・赤色リトマス紙→変化なし
→→この液体は「酸性」
青色のリトマス紙が赤色になったら、その液体は酸性。酸性が強いほどリトマス紙もこい色に変化するよ。

・青色リトマス紙→変化なし
・赤色リトマス紙→青色に変化
→→この液体は「アルカリ性」
赤色のリトマス紙が青色になったら、その液体はアルカリ性。アルカリ性が強いほどこい色に変化するよ。

・青色リトマス紙→変化なし
・赤色リトマス紙→変化なし
→→この液体は「中性」
青色のリトマス紙も赤色のリトマス紙も変化しなかったら、その液体は中性。

かんたんリトマス紙 をつくってみよう!
本来のリトマス紙は「リトマスごけ」という生物を原料にしている。でも、同じように酸性やアルカリ性を調べることができるものを、身近な材料でつくることもできるんだ。ここではむらさきキャベツを使った作り方をしょうかいするよ。

用意 するもの
・むらさきキャベツ
・包丁
・まな板
・なべ
・コンロ
・こしき(ザル)
・コップ
・キッチンペーパー
・わりばし
・はさみ
・じょうぎ

作 り方
※包丁やコンロの火を使うので、必ずおうちの人といっしょに作ろう。
※よごれてもいい服・場所で実験しよう。
1 むらさきキャベツを包丁で細かくきざむ(指でちぎってもいいよ)。

2 なべに500mLの水とむらさきキャベツを入れて約10分間にる。に汁がむらさき色になったら、火を止めて冷ます。


3 に汁を、こしきやザルでこしながらコップに入れる。これで酸性やアルカリ性に反応する液のできあがり!
※必ず十分に冷ましてからコップに入れる。


4 キッチンペーパーを、はさみで縦横5cmくらいの四角に切る。数枚作って、③で完成したむらさき色の液体に10分くらいつける。


5 わりばしを使って、むらさき色になったキッチンペーパーをコップから取り出して、かわかす。かわいたら、はさみで幅1cmくらいの帯に切る。これで手作りリトマス紙の完成!


手作 りリトマス紙 の色 の変化 を確 かめよう!
酢は酸性の液体、卵の白身はアルカリ性の液体、水道の水は中性の液体だ。手作りリトマス紙を酢と卵の白身、水道水につけ、反応して色がどう変化するか確認しよう。



一般的なリトマス紙は、青色と赤色の2種類があったけど、この手作りリトマス紙はもともとがむらさき色をしていて、酸性なら赤っぽい色に、アルカリ性なら青っぽい色に変化するんだね!

「むらさきキャベツのむらさき色には、アントシアニンという色素がふくまれている。
アントシアニンは、酸性になると赤っぽい色に、アルカリ性になると青っぽい色に変化する性質があるんだ。」
【実験 】身近 なものの性質 と味 の関係 を調 べてみよう!
手作りリトマス紙を使って、身近な飲み物や調味料など、口に入れても大丈夫な液体の性質を調べてみよう。

やり方
1 それぞれの液を少しだけ口に入れて味見して、味を調べる(すっぱい、しぶい、にがい、味がない、など)。
2 それぞれの液に手作りリトマス紙をつけて、色の変化を観察する。色の変化から、それぞれの液が酸性か中性かアルカリ性か調べる。
3 調べた結果を下の表のように整理する。ヨーグルトと同じ性質のものは、どんな味かな?
※この実験で調べているのはそれぞれの液体の性質であり、いわゆる「酸性食品」「アルカリ性食品」とは別のものです

表に整理したら、酸性のものとアルカリ性のものはそれぞれどんな味の傾向があるか分析してみよう。

【発展 】ヨーグルトはなぜ酸性 になるの?
ここまでの実験で、酸性のものはすっぱいこと、そしてヨーグルトは「酸性」で、ヨーグルトの原料になる牛乳は「中性」ということがわかった。
つまり、ヨーグルトをつくる過程で中性から酸性に変わる”何か”が起きているんだ。ヨーグルトの作り方を調べて、そのヒミツを探ってみよう!

「ヨーグルトは、牛乳や乳製品に『乳酸菌』や『酵母』を加えて発酵させて作っているんだ。その過程で『乳酸』が出てくる。さらに、『ビフィズス菌』を加えたヨーグルトもあって、乳酸に加えて『酢酸』も出す。この乳酸や酢酸がすっぱさのヒミツ! しかも、わたしたちのおなかに良い働きをしてくれるんだ。」


ビフィズス菌や乳酸菌の入ったヨーグルトが、どのようにおなかに良い働きをしてくれるのかを、次の自由研究記事を参考にまとめてみよう。
すっぱければすっぱいほど体 に良 いの?
ヨーグルトのすっぱさには、体に良いヒミツがかくされていたね。だけど、ヨーグルトはすっぱければすっぱいほど健康に良いのかというと、それはちょっとちがう。
じつは、ビフィズス菌は酸に弱いんだ。そこで、森永乳業のビヒダスヨーグルトの研究者は、ヨーグルトの酸性をできるだけ弱くして、ビフィズス菌を生かす工夫をしているよ。その工夫は同時に、すっぱさをおさえることにもなるから、より食べやすいヨーグルトになっているんだ。

ビヒダスヨーグルトの工夫についてくわしく知るには、森永乳業の「ビフィズス菌研究所」をチェック!
まとめ方
リトマス紙の色の変化や味を下の図のように整理してみよう。自分が調べた液体がどこにあたるか置いていくと、それぞれの関係性が見やすくなるよ。
実験結果の「表」と「実験結果から考えたこと」をあわせて研究としてまとめよう。

注意
・この実験は包丁やコンロの火を使うので、必ずおうちの人といっしょにしよう。
・味を確かめる実験では、口にしても問題ないものかどうか、おうちの人に必ず確かめよう。
・実験はよごれてもいい場所や服装で行おう。
・実験に使う材料や道具などは、使ってよいものかどうか、おうちの人に確かめよう。
・実験が終わったらきちんと後片付けをして、小さい子の手のとどかない場所にしまうこと。
協力:森永乳業