

知っているようで知らない、知らないようでやっぱり知らない科学のキーワードを、ニュースの中から選びました。友だちにちょっぴり差をつけ、先生にも思わずじまんしたくなる科学の用語集だよ!
これから注目の人工衛星「みちびき」!
いったい何をみちびくの?
2010年9月11日午後8時17分、天の川までもがじっと見守っているかのように感じられるおだやかな夜、人工衛星「みちびき」を積んだH-IIAロケットが、鹿児島県の種子島(JAXA種子島宇宙 センター)から打ち上げられました。木星輝く東の空へ、ごう音を残して飛んでいったH-IIAは、発射から28分27秒後、無事「みちびき」切りはなしに成功しました。

イラスト=ウメゴロー

地球の周りを回る「みちびき」
(C)JAXA
ところで…、みちびきって何をみちびくのでありますか?
われわれ健全な少年を健全な青年へと…なんてわけないでやんすよね。
そうね。それはサイエンスキッズにまかせておくとして(笑)、正しく道案内してくれるってことかしら。
みちあんない?
カーナビってわかる?
車にありますであります。
今どこを走っているかがわかって、目的地への道順を教えてくれるでやんす。
それなら、あっしの父ちゃんの携帯電話にもナビがついているであり ます。
その通り。よく知ってるわね。このシステムをGPSっていうの。そしてそれができるのは、アメリカの人工衛星、GPS衛星が働いているからよ。
どういうことでありますか?
地上約2万kmを飛ぶGPS衛星からの電波を受け、車や携帯電話は、 自分の位置を知ることができるってわけ。
宇宙からの電波で、地上の細かい場所までわかるとはおどろきでやん す。
ただし高いビルに囲まれている地域や、山間部などは電波がとどきに くいの。GPS衛星はいつも日本の上空にいるわけじゃないから。
いつも日本の上空を飛ぶようにはできないのでありますか?
ゴリ君、まさにそれよ。それが「みちびき」なの。
番長はやはりあっしが見こんだ男でやんす。
はっきり言ってぐうぜんであります。
みちびきは、日本のほぼ真上に1日約8時間とどまるような軌道で飛ぶの。だから、この衛星のことを「準天頂衛星」って言うのよ。そして、この衛星からの電波を受け取ることで、GPSがと〜っても正確になるのよ。
1日8時間では、残りの16時間はどうなるでやんすか?
けんちゃんも、あいかわらずするどいわね。
あっしの弟分でありますから。
つまりあと2機とばさないと24時間カバーしきれないわね。今はまだ 試験期間。今回打ち上げられた初号機「みちびき」でいろんなテストをして、役に立つことが確かめられれば、2機目、3機目と打ち上げることになると思うわ。
それは楽しみであります。
これからも、人工衛星からは目がはなせないでやんす。

準天頂衛星 初号機 「みちびき」
(C)JAXA

準天頂衛星は、他の人工衛星と同じように地球を周回するが、
日本から見た場合、日本
から南太平洋を、1日1回、8の字をえがくように飛ぶ。
関連リンク
まんがでよくわかるシリーズ『人工衛星のひみつ』を読もう!
日時: 2010年11月1日 11:00 | パーマリンク

ゴリ番長
男の中の男。曲がったことが嫌い。感情豊かでへこみやすいが立ち直りも早い。勉強は苦手なのに、科学では大人顔負けのひらめきがある。
舎弟のけん坊(舎弟とは弟のような人のこと)
ある出来事(秘密)でゴリ番長を慕っている。昔は暴れん坊だったらしい。学校でトップの成績をおさめる。科学が大好き。
みどり先生
ゴリ番長とけん坊のいる、ふしぎたんけんクラブの先生。