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ネット依存にNO! 子どもとネットのかっこいいつきあい方 ネット依存アドバイザー 遠藤 美季さんインタビュー 第6回(全6回)

遠藤美季(えんどうみき)
任意団体エンジェルズアイズ主宰、情報教育アドバイザー・ネット依存アドバイザー。保護者・学校関係者に対し子どものネット依存の問題の啓発活動を展開するため、2002年にエンジェルズアイズを設立。学校講演、Web上での普及啓発活動、メールによる相談活動などをおこなっている。著書に『子どものネット依存 小学生からの予防と対策』(かもがわ出版)、『ネット依存から子どもを救え』(墨岡孝氏との共著、光文社)など。

第6回 本気で脱ネット依存! 子ども・保護者それぞれができること ~子ども編~


――前回は子どものネット依存脱出のために保護者に向けてアドバイスをいただきました。子ども本人ができることについてもアドバイスをお願いします。

子どもには、一日のなかで自分がどれだけスマホを使っているかを「時間帯」「時間」「内容」で書き出して、自分のネット利用を客観的に意識するよううながしたり、スマホ依存チェックアプリの利用をすすめたりしています。

無目的にダラダラとネットをやりつづけることが悪いのであって、自分や社会のためになる「いい利用のしかた」に目を向ける機会をもちたいですね。

スマホ依存チェックアプリ「スマチュウ」(ニフティ株式会社)

また、目の前にスマホがあると考えることができないので、自分の頭で考える時間を意識的につくってみるといいです。そのために、10分でも15分でもいいからスマホを置いて、散歩に出かけるのもおすすめです。それから、利用しないアプリはアンインストールするよう習慣づけるのもいいですね。

――具体的なアドバイスをありがとうございます。子どもから保護者にはたらきかけてほしいことはありますか。


子どものほうも保護者とたくさん話をして欲しいです。「みんながやっているからスマホを買って」「スマホをとりあげられたら死ぬ」ではなくて、どうしてもやりたいなら保護者を説得できるぐらいの材料と決意・責任をもって保護者と話をしていくことです。

将来ユーチューバーになりたければ、そのために必要な行動はなにか親子で話をする。そうやって視野をひろげて考えれば、どんな仕事も簡単にできるわけではないことがわかってきます。けっしてYouTubeだけをやってユーチューバーになれるわけではないことがわかりますし、税金のような社会の仕組みや、他人とのコミュニケーションのことなども知る必要があります。そうなるとネット以外の社会にもどんどん目を向けるようになって、ポジティブな一歩をふみだせると思います。

自分の目的のために楽しくネットを活用して、親子ともに健康的で有意義な生活をおくって欲しいです。

――これからネット社会で活躍していく子どもたちに向けて、ひとことメッセージをお願いします。

これからのネット社会は、いま子どもであるみなさんがつくっていくものです。人々の暮らしにとって良いネット社会をつくっていくことに、みなさんひとりひとりが自信と夢をもって欲しいと願い、かかわっていって欲しいと期待しています。

――ありがとうございました。ネット依存の実態をお聞きし、子どもたちがネット依存になってしまう本当の原因、そしてネット依存から脱出するための具体的な対策と実践的なアドバイスをいただきました。ネット依存に関して家庭のもつ役割の大きさ、そして親子コミュニケーションの大切さがとてもよくわかりました。

ネットに依存するのではなく目的をもってネットを活用しているか、現実の生活とネット利用のバランスがとれていて、自分でオンオフを切りかえられる状況であるか。わたし自身もあらためて現状を見つめなおし、有意義な生活をするためにネットを上手に使いたいと思います。

遠藤さん、本当にありがとうございました。

第1回 ネットトラブルの悲鳴 エンジェルズアイズに寄せられる相談
第2回 ネット依存、その実態とは
第3回 アダルトサイト依存から子どもを守るには
第4回 依存するには理由がある
第5回 本気で脱ネット依存! 子ども・保護者それぞれができること ~保護者編~
第6回 本気で脱ネット依存! 子ども・保護者それぞれができること ~子ども編~

梅本真由美(うめもとまゆみ)
サイエンスライター。
長野県出身。NTT勤務を経てNTT系列の広告代理店で編集・マーケティング・企業向けWebページの企画制作などを担当。結婚後は専業主婦となる。2002年、 「天文台マダム日記」の公開がきっかけでライターに転身、朝日新聞・天文雑誌などに執筆多数。現在、月刊星ナビにて「天文台マダムがゆく」、国立天文台の公式サイトにて「天文台マダム VERAに夢中!」を連載中。