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『インターネットの不安から子どもを守る』フィルタリングの専門家インタビュー 第2回(全4回)

デジタルアーツ株式会社
1995年に設立。主な業務内容は、インターネットセキュリティ関連ソフトウェアおよびアプライアンス製品の企画・開発・販売。インターネットアクセスに伴う危険を未然に防止する「Webフィルタリング」および「電子メールフィルタリング」を中心とする情報セキュリティ事業を、企業・公共(官公庁・学校)・家庭向け市場に対して展開。製品の企画・開発から販売・サポートまでを自社で一貫しておこなっている。東証一部上場。

第2回 いくつものネット端末を使うのが“あたりまえ”な時代、安全なネットの使いかたとは?

前回はフィルタリングの基本的なしくみについてお聞きしました。今回はスマホ以外のネット端末や、家庭の外で気をつけるべきポイントについてお話をうかがっていきます。

――家庭のなかを見わたすと、スマホやパソコン以外にもネットにつながる機器がたくさんあります。そのなかで保護者が見落としがちなもの、とくに注意すべきものはありますか?


吉田:家庭のなかにあって、子どもが持っている可能性が高く、ネットにつながる端末の代表的なものが、「携帯型ゲーム機」、「テレビ」、「携帯型音楽プレーヤー」、そして「お古のスマホ」です。

コンビニエンスストアの前に、携帯型ゲーム機を持った子どもたちが集まっている、という光景を目にしたことはないでしょうか? ゲーム機は、フリーのアクセスポイントからWi-Fi(無線LAN)接続すれば、無料でインターネットにつなげることが可能です。

田中:スマホやPCでインターネットの接続を制限していても、ゲーム機を持ってこうしたフリーのWi-Fiスポットへ行けば、なにも制限されていない状態でWebサイトを閲覧できてしまうわけです。

でも、保護者のなかには、セブンイレブンやローソンなどのアクセスポイントからインターネットに接続できることを知らない方がまだまだいらっしゃいます。

吉田:もうひとつ見落としがちなのが「テレビ」です。最近のテレビはネット接続ができますし、ブラウザを搭載しているものが多いんです。もし対策をしていなければ、保護者がいないときに、子どもがインターネットに接続して、なにもフィルタリングされていない状態でWebサイトを見ることが可能です。子どものあいだでは「この機種でインターネットが見られるらしいよ」というような情報はすぐ広まりますので、気をつけなければいけないと思います。

ここまで話せば、携帯型音楽プレーヤーでブラウジングができることも、もうおわかりだと思います。

そして、契約の切れたお古のスマホもWi-Fiが使えます。子ども向けに設定された端末ではなく、大人設定のまま子どもに使用させているケースが目立つので、気をつけて欲しいですね。

――それらのフィルタリングのポイントについて教えてください。

吉田:ゲーム機はゲーム用途、と品物で判断するのではなく、これがネットにつながるのかな、つないだあとブラウジングできるのかな、と疑わなくてはいけない時代ですから、保護者はまず「知ること」が必要だと思います。

ゲーム向けのフィルタリングサービス、テレビ向けのフィルタリングサービス、というように、それぞれに対してのフィルタリングサービス自体はあります。問題は、それを保護者が知っているかどうかなんです。


田中:ネットにつながる場所も知る必要があります。自宅の無線LANルーターにフィルタリングで制限をかけたとしても、端末を自宅の外に持って行ってしまったら意味がないわけですから。

それらを知った上で、それぞれの機器で対策を講じて欲しいと思います。

――2020年の東京オリンピックを前に、無料のWi-Fiスポットが増えてくると予想されています。どんどん保護者のコントロールがききにくくなってくる状況のなかでネットを安全に使うポイントについて教えてください。

吉田:ふたつのポイントがあると思います。ひとつは、「しくみ」で守ってあげることです。端末自体にフィルタリングをかけることは、非常に重要です。

もうひとつは「教育」で守ることです。どんなにしくみで守ってあげようと思っても抜け穴はありますし、子どもたちも好奇心がまさって、いろいろさぐってしまいます。情報モラル教育、リテラシー教育、などと言われますが、ネットとのつき合い方は、幼いころからくり返し学んでいってほしいと思います。

――ネットを安全に使うために、まずはフィルタリングなどのツールを活用して「しくみ」で守ることが大事なのですね。次回はもうひとつのポイント、家庭での「教育」について、掘りさげたいと思います。

※デジタルアーツ、i-フィルターはデジタルアーツ株式会社の登録商標です。

第1回 子どもを守るWebフィルタリングのしくみとは?
第2回 いくつものネット端末を使うのが“あたりまえ”な時代、安全なネットの使いかたとは?
第3回 保護者が家庭でできるリテラシー教育の方法とは?
第4回 フィルタリング卒業に向けて保護者も勉強しよう

梅本真由美(うめもとまゆみ)
サイエンスライター。
長野県出身。NTT勤務を経てNTT系列の広告代理店で編集・マーケティング・企業向けWebページの企画制作などを担当。結婚後は専業主婦となる。2002年、 「天文台マダム日記」の公開がきっかけでライターに転身、朝日新聞・天文雑誌などに執筆多数。現在、月刊星ナビにて「天文台マダムがゆく」、国立天文台の公式サイトにて「天文台マダム VERAに夢中!」を連載中。