データで読み解く、子どもとスマホ

第14回 フィルタリングの抜け穴 前編

フィルタリングには抜け穴があるって本当? 親はいったいなにに気をつければいいの? いまどきのフィルタリング事情を読み解きます。

スマホだけじゃない、ネットへのアクセス機器

子どもたちを危険な情報から守るフィルタリング。スマホや携帯のキャリアに申し込んだり、パソコンに専用のソフトをインストールして使うもの、と思っている方が多いでしょう。

でも、ちょっと待ってください。子どもたちはいま、いったいどんな機器でネットにアクセスしているのでしょうか?

まず、子どもたちの手もとにどんなネット接続機器があるのか、内閣府の「青少年のインターネット利用環境実態調査」(平成27年度)※1からみてみましょう。

子供のインターネット接続機器の利用率

1位 スマートフォン 48.7%
2位 携帯ゲーム機 41.3%
3位 ノートパソコン 23.5%
4位 据置型ゲーム機 23.4%
5位 携帯音楽プレイヤー 20.6%
6位 タブレット 19.7%
7位 デスクトップパソコン 11.0%

(10%をこえるものを抜粋、複数回答)

上記の数値はこれらの機器でネットに接続しているかどうかではなく、単純に機器を「使っている」割合です。

2位と4位にゲーム機、5位に携帯音楽プレイヤー(iPodなど)がランクインしていて、子どもたちの日ごろの興味感心が透けて見える結果ですね。

携帯ゲーム機、2人に1人はネットを利用中

さて、どのくらいの子どもが、これらの機器でネット接続しているのでしょうか。グラフをごらんください。


青少年のインターネット利用環境実態調査(内閣府 平成27年度)より作図

注目してほしいのは、携帯ゲーム機・据置型ゲーム機・携帯音楽プレイヤーの3つ。

携帯ゲーム機でネットを「使っている」は5割です。3DSやPS Vitaなどのゲーム機を使っている子の2人に1人は、その携帯ゲーム機でネットをしているのです。据置型ゲーム機・携帯音楽プレイヤーでも4割以上がネットを「使っている」と回答しています。

ゲーム機や携帯音楽プレイヤーがネットに接続できることについては、ネットモラルの講座などでとりあげられることが増えてきているので、ご存じの方もいるでしょう。

しかしその割合は大人の想像以上だったのではありませんか?

ゲーム機は8割がフィルタリングなし

さてこれらの機器では、どのくらいフィルタリングが使われているのでしょうか。


青少年のインターネット利用環境実態調査(内閣府 平成27年度)より作図

フィルタリングの使用率はあまり高くありません。携帯ゲーム機がかろうじて2割。タブレット・デスクトップパソコン・据置型ゲーム機・ノートパソコンはいずれも2割にとどかず、携帯音楽プレイヤーは1割を切っています。スマホ以外は8割がフィルタリングなし、という状況です。

どんな機器であれ、ネットにつながるのであれば、危険な情報にふれてしまうリスクは同じだけあります。ましてゲーム機は子どもにとってとても身近なもの。友だちの家で使うなど、保護者の目が届きにくいこともあります。まずはこれらの機器の設定を一度見直してみてはいかがでしょうか。

ゲーム機では保護者による機能制限で、ネット利用の設定をすることができます。※2

パソコンではフィルタリングソフトをいれたり、Googleの「セーフサーチ」※3、YouTubeの「制限付きモード」※4をオンに設定したりするなどして対策することができます。

スマホ以外のネット接続機器についても目配りがいるのがいまどきのネット事情なのです。

さて今回お伝えしたのは、対策がしやすい、いってみれば「見えている」フィルタリングの抜け穴。やっかいなことに、保護者には見えにくかったり、対策がしにくかったり、今後増えていく抜け穴もあるのです。そんな抜け穴について、次回お伝えしていきます。

※1
平成27年度 青少年のインターネット利用環境実態調査
第2節 子供のインターネット接続機器の利用状況(1)(2)(3)
※2
任天堂株式会社
保護者のみなさまへ
株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
保護者のみなさまへ −大切なお知らせとお願い−
※3
Google
セーフサーチをオンまたはオフにする
※4
YouTube
制限付きモードを有効または無効にする
渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)
株式会社コドモット代表取締役社長。
NTT在籍時代の2001年、子ども向けポータルサイト「キッズgoo」を立ち上げ、同サイトでデジタルコンテンツグランプリ・エデュテイメント賞受賞。独立後は小学生向けのコンテンツを中心に、企業の子ども向けWebサイトや公共団体の子ども向けツールなどの企画制作を数多く手がける。一男一女の母。