データで読み解く、子どもとスマホ

第55回 中学生のスマホ利用、6割目前

第55回 中学生のスマホ利用、6割目前

定点観測調査から見えてくる子どものネット利用

平成30年3月、内閣府の「青少年のインターネット利用環境実態調査」※1の結果が発表されました。この調査は、10歳から17歳までの青少年と、その保護者を対象とした定点観測調査(ある一定の期間ごとに同じ質問で行なう調査)で、平成21年度から実施されています。

日本全国で子どもがどんなふうにネットを使っているのかをさまざまに読み解けるこの調査、今年もこのコーナーでとりあげていきます。

小学生の3割、中学生の6割弱がスマホを利用

小学生・中学生はどれくらいスマホを使っているのでしょうか。利用率をみてみましょう。

この調査では、ネット接続機器を使っている割合のことを利用率と定義しており、ネットを利用しているかどうかは問いません。ただ、実態として、機器があれば家庭や出先のWi-Fi経由でネット利用が可能なことから、この記事では機器の利用率にフォーカスをあてています。

スマホの利用率の経年変化をみてみましょう。青色の折れ線が機器の利用率です。


内閣府「平成29年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)」より※2

全年齢でスマホの利用率は60.4%(+3.3ポイント)。小学生と中学生の利用率が伸びていて、小学生の約3割、中学生の6割弱がスマホを利用しています。

小学生のスマホ利用率は29.9%。前年と比べ2.9ポイント増えており、増加傾向が続いています。

中学生のスマホ利用率は58.1%。前年と比べ6.4ポイント増えています。中学生は昨年の調査でスマホ利用率が5割をこえたのですが、今年は6割に迫る勢いす。

高校生の利用率も増えていますが、利用率が9割をこえて久しく、今年度は95.5%(+1.1ポイント)。伸び率が少ないため、全年齢のスマホ利用率を押し上げているのは小学生・中学生のスマホ利用増です。

なお、平成26年のスマホ利用率と比べると、小学生は12.8ポイント増、中学生は16.2ポイント増。短期間に利用率が伸びているので、年上のきょうだいのいるご家庭でも、上のお子さんのときの状況とは違っていることにご注意ください。

利用サービスの上位は不動

小学生・中学生がスマホで利用しているサービスについてみていきます。


内閣府「平成29年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)」より

スマホにおけるインターネット利用内容

( )内は昨年度調査との比較

【小学生】
1位 ゲーム 76.8% (-2.2ポイント)
2位 動画視聴  59.9% (-0.6ポイント)
3位 コミュニケーション 46.9% (+0.4ポイント)

【中学生】
1位 コミュニケーション 84.5% (+0.4ポイント)
2位 動画視聴 77.6% (+2ポイント)
3位 ゲーム 69.7% (-2.2ポイント)

こちらは、小学生・中学生とも平成28年度と順位に変化がありません。ゲーム、動画視聴、コミュニケーションは依然として小中学生の人気サービスとなっています。

動画の利用は注意深く見守って

スマホでのネット利用の内訳について、全年齢・全利用機器(タブレットやノートパソコン、携帯ゲーム機などを含む)でみると、動画視聴が伸びています

全年齢の動画視聴は昨年の74.5%から77.7%と3.2ポイント増えており、平成26年からとぎれることなく増加しています。

最近はSNSも動画対応を進めており(InstagramやFacebookなど)、ネットでの動画閲覧の場面は広がりを見せています。

しかし、子どもの動画閲覧には、保護者の注意が必要です。

YouTubeで配信されている動画の人気ジャンルに「ゲーム実況」があります。ゲームを解説したりプレイしたりする動画のことですが、ゲームの年齢区分が厳密に運用されていないケースが目立ちます

たとえば、市販のゲームのCERO-B、スマホゲームアプリで12+と表示されているものは、12歳以上を対象としています。ゲーム機やスマホでは、ゲームに設定されているレーティングを基準にして利用制限をかけることができますが、ゲーム実況動画では小学生でも簡単に見ることができてしまいます

また、最近では、「エルサゲート」といって、一見子ども向けの動画のようでいて、再生すると子どもにはふさわしくない内容が展開されるような、非常に悪質な動画もあります。保護者は動画を見せっぱなしにせず、子どものスマホの使い方に興味をもち見守っていきましょう。

次回も「青少年のインターネット利用環境実態調査」を小学生・中学生のスマホ利用を中心に読み解いていきます。

※1 内閣府 青少年のインターネット利用環境実態調査

※2 「スマートフォン(計)」は、「スマートフォン」、「いわゆる格安スマートフォン」、「子供向けスマートフォン」、「携帯電話の契約が切れたスマートフォン」の合計

渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)
株式会社コドモット代表取締役社長。
NTT在籍時代の2001年、子ども向けポータルサイト「キッズgoo」を立ち上げ、同サイトでデジタルコンテンツグランプリ・エデュテイメント賞受賞。独立後は小学生向けのコンテンツを中心に、企業の子ども向けWebサイトや公共団体の子ども向けツールなどの企画制作を数多く手がける。一男一女の母。