データで読み解く、子どもとスマホ

第61回 子どもの携帯・スマホの使い方にもっと興味を

第61回 子どもの携帯・スマホの使い方にもっと興味を

トラブルにあった子どもは16.2%で増加中

今回も、東京都の「家庭等における青少年の携帯電話・スマートフォン等の利用等に関する調査」(平成29年度)※1 を読み解きます。

この調査では、携帯・スマホのトラブルの有無と内容について聞いています。

「お子さんが携帯電話・スマートフォンを利用する中で、どのようなトラブルに遭ったことがありますか。(いくつでも)」という設問に対して、最も多かったのは「トラブルに遭ったことはない」の70.1%です。

<<トラブルの有無・内容>>

お子さんが携帯電話・スマートフォンを利用する中で、どのようなトラブルに遭ったことがありますか。(いくつでも)


東京都 「家庭等における青少年の携帯電話・スマートフォン等の利用等に関する調査」 (平成29年度)」より

なんらかのトラブルがあったとした回答の合計は16.2%で、前回調査(平成28年度)より6.5ポイント増えています。東京都の子どもは、約6人に1人が携帯・スマホでトラブルを経験しており、増加傾向にあるということがわかりました。

トラブルの内容を見てみると、友だちとのトラブル、チェーンメール、歩きスマホといった従来型のもの、高額請求、個人情報を盗まれた、自画撮りのような深刻なものまでさまざまです。

子どもが慎重なネットの使い方をしていても、トラブルに巻き込まれたり、周囲の悪意にさらされるケースはないとはいえません。

もしも子どもがトラブルにあったときには、保護者などの大人に相談したり、行政のネットトラブルの相談窓口や場合によっては警察に相談することが大前提です。絶対に子どもだけで解決しようと思わないことが大事だと、お子さんによく伝え、理解してもらい、親に話しにくいときのために、相談窓口の連絡先などの情報を共有しておいてください。

保護者としての課題は、知識・コミュニケーション・興味関心

さて、この調査では保護者自身の課題意識についても聞いています。

「携帯電話・スマートフォン・インターネットを、お子さんが正しく使用するために、保護者として必要な課題は何だと思いますか。(2つまで)」という質問についてみていきます。

<<保護者として必要な課題>>

携帯電話・スマートフォン・インターネットを、お子さんが正しく使用するために、保護者として必要な課題は何だと思いますか。(2つまで)


東京都 「家庭等における青少年の携帯電話・スマートフォン等の利用等に関する調査」 (平成29年度)」より

保護者が考える課題の上位3つは次の回答です。

  • インターネットや携帯電話等について、子供に教育できる 十分な知識を身につけること 43.5%
  • 親子のコミュニケーションを緊密にすること 37.4%
  • 子供の使用状況について、保護者がもっと関心を払うこ と 30.9%

保護者に、知識不足や子どもとのコミュニケーション不足、子どもの使い方についての関心不足について自覚があることがわかります。

もっと興味を

さて、今回あげた2つの調査結果で、非常に気になっていることがあります。

それは、子どもの携帯・スマホの使い方に関して、保護者の興味関心が薄くなっている傾向が見られることです。

子どものネットトラブルの有無についての質問で2番目に多かったのは、「わからない(13.7%)」という回答でした。
子どもの携帯・スマホの使い方が放任気味になっているのではないかと危惧します。

また、保護者として必要な課題についての質問でも、2位は親子のコミュニケーション不足、3位は子どもの使用状況への関心不足で、関心の薄さを感じさせる回答が上位に入っています。

さらによく見てみると、「今のままで問題ない」という回答が前回より2.7ポイント増えています。一方、課題としてあげられている項目では、ほとんどが昨年よりも数値を減らしています。
「うちの子は携帯・スマホをうまく使っている、いまのままでOK」と感じる保護者がじわりと増えているのです。

しかしながら、子どものネットトラブルは前回調査よりも6.5ポイント増えているわけで、保護者のこの傾向はよろしくありません。

子どもがどんなふうにスマホを使っているのか、愛情をもって注意深く見守ることは、保護者にしかできない応援のしかたです。

思春期のお子さんにいやがられたとしても、見守りは保護者の仕事と腹をくくって、わが子がどんなふうに携帯・スマホを使っているのか、関心をもち続けてほしいと思います。

※1 東京都 「家庭等における青少年の携帯電話・スマートフォン等の利用等に関する調査」 (平成29年度)

渡邉純子(コドモット)(わたなべじゅんこ)
株式会社コドモット代表取締役社長。
NTT在籍時代の2001年、子ども向けポータルサイト「キッズgoo」を立ち上げ、同サイトでデジタルコンテンツグランプリ・エデュテイメント賞受賞。独立後は小学生向けのコンテンツを中心に、企業の子ども向けWebサイトや公共団体の子ども向けツールなどの企画制作を数多く手がける。一男一女の母。