ネット依存にならない、かっこいいネットとのつきあい方

金魚に劣る集中力!?

金魚に劣る集中力!?

年々低下する集中力

金魚の集中力がどれくらい続くかなんて、考えたこともありませんよね。実は”9秒”だそうです。ではわたしたち現代人の集中力はいったいどれくらいでしょう。

年々低下し、いまや”8秒”というデータもあるようです(マイクロソフトカナダの研究チーム2015年5月発表 週刊ダイヤモンド参照)※1

その原因のひとつが、急速に変化する情報化社会という、わたしたちをとりまく環境の変化なのです。

スマホで集中力低下

スマホを手にするとあらゆる情報が目のなかに飛び込んできます。画像や動画につい引き込まれがちですし、通知が鳴れば無意識に見てしまいます。次々に目に入る情報とその対応に追われ、ひとつのことに集中する機会は減っています。

子どもたちの日常会話はネットに関するものが多く、小学生は登校するとまず「昨日あの動画見た?」という会話をしたりしています。

また最近、中高生と話していると「LINEの通知や既読未読は最近気にならなくなった」という生徒も増えてきたように感じますが、それでもTwitterの情報は常にチェックしていると言います。そうしないと学校での会話に入れずつまらないのだそう。自分にとって必要だからというより、友だちに合わせるために必要と感じているようです。

友だちとの関係や情報を気にする子はいつもスマホをそばに置いておく必要があります。スマホを手元に置くことで他の情報も視覚に入りますから、集中できない環境を自らつくってしまっているのです。

近年増えた相談のなかには「スマホを手にしたことで急速に成績が低下した」と悩む保護者からのものがありますが、集中を欠くことによる学習効率の低下の影響が大きいように感じます。

見える化作戦

集中力の低下はこのように作業効率の低下を招いたり、ながらスマホによる事故など危機管理意識の低下にもつながります。使う場所やタイミングをあらかじめ決めて、自分へのリスクを回避していきましょう。

すでにスマホを使っているお子さんの場合まず、子どものネット利用を「目的」と「時間」で可視化して、それを参考に平日と休日を分けて利用計画をたてましょう。

どんな目的で、何分利用しているのかを「見える化」する作業には本人の自覚をうながし、メリハリある利用を意識させる効果があります。

SNSのつながりを「浅いつながり」「深いつながり」というように人間関係を理解して整理するのもいいですね。連絡手段も用途や緊急度に分けてメールなのか電話なのか決めておく。もちろん親もいっしょにやってみてください。家族間でネット利用について話題が広がるのでオススメです。

「自分でスマホの利用時間を決めたら受験勉強に集中できた」というように、なにかのきっかけでネット利用にメリハリをつけられるようになったという子どもの話を聞きます。

スマホ購入前、試験、長期休暇前、学校でネットに関する指導があった、友だちとLINEでケンカした、人のツイートを見て落ち込んだ……など、ネットについて冷静になれる瞬間をチャンスに変えましょう。

情報断食という考え

脳は目に入るものをすべて情報として取り込んでしまいます。限られた脳のスペースを無駄な情報で満たさないよう、あえて情報に触れない時間や場所をつくっておくことも大事です。

たとえば机まわりがきれいでも、スマホがあったら通知が来るたびに作業が中断してしまいますし、息抜きなど自分に都合よい理由をつけてずるずるネットを見てしまいがちです。

そんなときには、スマホの置き場所を固定してみるのもいいでしょう。学校や塾に行くときしか使わないからと玄関を子どものスマホの置き場所にしている家庭や、リビングの決まった場所に家族全員のスマホを置いてある家庭もあります。また必要なときにしか利用しないためにデータ通信量を低く抑えるなどの工夫もいいですね!

※1
週刊ダイヤモンド 17年1月14日号 「現代人の集中力持続は金魚以下! IT進化で激減」
マイクロソフトカナダの調査データ ダウンロード先
遠藤さんプロフィールph
遠藤美季(えんどうみき)
任意団体エンジェルズアイズ主宰、情報教育アドバイザー・ネット依存アドバイザー。保護者・学校関係者に対し子どものネット依存の問題の啓発活動を展開するため、2002年にエンジェルズアイズを設立。学校講演、Web上での普及啓発活動、メールによる相談活動などをおこなっている。著書に『子どものネット依存 小学生からの予防と対策』(かもがわ出版)、『ネット依存から子どもを救え』(墨岡孝氏との共著、光文社)など。