わが家にヤゴがやってきた――ヤゴ救出大作戦!…の罠<第1回>

わが家にヤゴがやってきた

昨年6月の終わりごろのことである。
ある日帰宅すると、テーブルの上に半分に切られてビニルテープで養生されたペットボトル(2L)が置いてある。1/3ほど水がはってあり、枯れた葉っぱや枝の切れ端みたいなものが沈んでいる。水には藻屑のようなものが漂いお世辞にもきれいとは言えない。

小2(当時)の娘の話では、学校のプールで「ヤゴ救出大作戦」なるものが行われ、2年生みんなでヤゴをとってきたのだという。プール開きの清掃で流されてしまう前に、プールで繁殖したヤゴを救い出し、無事トンボになるまで家で育てようということらしい。

虫嫌いの娘だが、がんばって4匹とってきた。

しかし肝心のヤゴはどこにいるのだろう。ペットボトルの中をよくよく見ると、ああ、いるいる。それにしても小さい。1cmほどのものが4つ、ペットボトルの底の葉っぱや小枝の影に隠れている。ヤゴってこんなに小さかったっけ。


とまれせっかく娘が救出してきたヤゴだ。立派なトンボになるまで、しっかりと世話ができるように指導せねば。しかし、ヤゴを育てることなど小学生の時以来。まったくやり方を忘れているので、図鑑やインターネットを頼りに育て方を調べてみる。

まずは、ヤゴたちの快適な家づくりから始めよう。
参考までに、図鑑に載っていたヤゴの飼い方ページを以下引用する。参考にしてほしい。


『増補改訂版・飼育と観察(ニューワイド 学研の図鑑)』より

飼育ケースを用意して、ペットボトルから引っ越ししたら、次はえさだ。

衝撃の事実

さて、ヤゴって何を食べるんだったかな。金魚のえさでも大丈夫かな。
もう一度図鑑(『増補改訂版・飼育と観察(ニューワイド 学研の図鑑)』)を見てみる。

「やごは、動いているものしか食べないので、生きているえさが必要です。」

ん?

「生きているえさが必要です。」

エエーッ!!

「やごが小さいときは、アカムシやミジンコ、大きくなってきたらメダカやオタマジャクシを水そうに入れてやります。」

東京近郊で自然が豊かというわけでもない環境で、会社勤めのわたしが、毎日生きているアカムシ(ユスリカの幼虫)やミジンコを調達するのってかなりハードル高い気が…。

虫嫌いの娘に期待できるわけもなく、いきなり途方に暮れる。しかし、めげずにネットを調べてみると、アカムシって売っているものらしい。釣りや熱帯魚のえさに使うそうだ。

釣具店なら生きているアカムシが安価で大量に手に入るようなのだが、ヤゴを育てるためにアカムシを飼育する羽目になりそうでなにか理不尽なものを感じ、ペットショップで冷凍アカムシを購入。

冷凍なので当然死んでいる。じゃあ、どうするのか。

「生きているように見せかける」作戦を実行することにした。

「生きているように見せかける」作戦――失敗!!

ネット情報によると、アカムシを箸の先でつまんで、ヤゴの目の前で小刻みに震わせると食べてくれるというのだ。

冷凍アカムシは、1辺が2cmほどのキューブ状の小分けパックに4×8列で詰めこまれている。1パックを切り取り、中身を水に入れるとキューブはみるみるうちにほどけて、わらわらと大量のアカムシに分裂する。何匹つまっているのか数えてはいないが、100匹くらいはいるんじゃないだろうか。

さっそく割り箸(食卓の箸を使ったりしたら、家族の顰蹙(ひんしゅく)を買う)でアカムシを1匹つまみ、娘を呼ぶ。

「さあ、えさのあげ方をおしえるから、おいで。」

娘がスタンバイしたのを見計らって、ヤゴの目の前でアカムシを振ってみる。ヤゴは後ずさりして葉っぱの影に隠れてしまった。

それはそうだ。体長が1cmほどのヤゴからしたら、割り箸は巨大だ。人間でいえば、縄文杉をぶんぶん振り回しているようなもんだろう。その先にどんなにうまそうなものがぶら下がっていたとしても、おいそれと近づけるもんじゃない。

オニヤンマのヤゴなら割り箸でも平気だろうが、うちに来たのはどうやらかなり小型のトンボのヤゴらしく、割り箸作戦は失敗。

これは困った。えさを食べてくれないことには飼育どころの話じゃない。

さあ、どうする…。

(第2回に続く)

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