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星空は科学への入り口 国立天文台が伝える星の魅力 第4回(全4回) 

縣 秀彦(あがた ひでひこ)
自然科学研究機構国立天文台准教授、天文情報センター普及室長。専門は天文教育と科学コミュニケーション。国際天文学連合国際普及室長、日本科学教育学会理事、日本天文教育普及研究会長などを歴任するほか、テレビやラジオ等でも活躍。「面白くて眠れなくなる天文学」(PHP出版)、「地球外生命は存在する!」(幻冬舎)など多数の著書がある。

第4回 家族みんなで星と宇宙を楽しもう

――天体を観察するときには、どんなところに着目して見ると良いでしょうか。夜間の観察における注意点なども教えてください。


星空を見るときは安全に

まずは安全に見ましょう。夜間ですからね。親子で楽しむのがなによりですが、星を見るときは信頼できる大人といっしょに見てください。できれば、星にくわしい人がいて、星座や天文学の知識を教えてもらえると、より楽しめると思います。

日本には、通称「星のソムリエ」と呼ばれる星空案内人の資格認定制度があります。2018年7月現在、全国に星のソムリエは847名、星の準ソムリエは4147名います。星のソムリエに限らず、学校の天文部や地域の天文同好会などで活動している人もいますから、もしかすると、案外身近に星空案内をしてくれる人がいるかもしれませんね。

星空案内をしてくれる人がいなくても、星空を観察するまえにウェブサイトをチェックしたり、星座早見盤や双眼鏡を準備していくと役立ちます。
夜空にスマホをかざすと、星座や星の名前を教えてくれるアプリもあります。
事前にウェブサイトやアプリで、天体現象が起きる日付をチェックしておいて、カレンダーに記入しておいたり、アプリでアラートを鳴らすようにセットしておけば、天体現象の見逃しを防ぐのに役立ちます。

国立天文台のTwitter アカウントをフォローするだけでも耳よりな情報が手に入りますよ。

縣先生おすすめのウェブサイトと星空観察用アプリ

●国立天文台ほしぞら情報(国立天文台)
https://www.nao.ac.jp/astro/sky/
国立天文台情報センターが注目した天体現象を月ごとに案内している。

●宇宙(そら)のトビラ(学研キッズネット)
https://kids.gakken.co.jp/soratobi/
JAXAと日本宇宙少年団がつくっている情報誌「宇宙(そら)のとびら」のネット版。宇宙のニュースや、宇宙の楽しい体験ができる活動を紹介している。

●国立天文台のメールニュース(国立天文台)
https://www.nao.ac.jp/mailnews/
注目の天文現象や国立天文台に関係する各種のイベント情報をメールで受け取れる。登録無料。

●パオナビ(アストロアーツ)
http://paonavi.com/
全国の天文施設のポータルサイト。近くの天文施設やイベント情報を探すことができる。

●天文学辞典(公益社団法人日本天文学会)
https://astro-dic.jp
日本天文学会が無料公開している天文学辞典。天文学の広い分野にわたるおよそ3000語を解説している。

●スマホをかざして天体観測できるアプリ
seizahyo星座表(iPhone / Android

starwalk2Star Walk 2 (iPhone / Android

――最後に、国立天文台に足を運ぶとどんな天文学体験ができますか。三鷹キャンパスのほかに一般見学が可能な国立天文台の施設についてもご紹介ください。


国立天文台三鷹キャンパスの公開施設、天文台歴史館の展示の前で

東京都三鷹市にある国立天文台三鷹キャンパスは、国立天文台の本部です。見学コースがありますから、豊かな自然のなかをゆっくり散策しながら、歴史ある建物や観測施設を見学することができます。


天文台歴史館の65cm屈折望遠鏡

原則として見学は自由ですが、事前申込制の定例イベントとして、月に2回、50センチ公開望遠鏡での観望会(星を見る会)を開催しています。また、最新の天文学の成果を、立体映像で再現する4D2Uドームシアターの公開を月に4回、行なっています。


国立天文台三鷹キャンパス 2015年冬の観望会(国立天文台)

4D2Uドームシアター(国立天文台)

国立天文台は三鷹キャンパスのほか、岩手県奥州市、長野県南牧村、岡山県浅口市など、国内外に7カ所のキャンパス・観測所があり、いずれも一般見学ができます。

国内のキャンパスや観測所では、年に1度、家族で楽しめる「特別公開」があります。国立天文台のサイトをチェックして、家族や友だちと見学に来てください。
そしてぜひ、みんなで楽しみながら、宇宙や星を身近に感じてみてください。

――いますぐ天文台や星空観察会へ出かけたい気持ちになりました。縣先生、ありがとうございました。

 

(企画・構成 渡邉純子)

第1回 天文学とわたしたち
第2回 この夏は火星に注目!
第3回 星空は科学への入り口
第4回 家族みんなで星と宇宙を楽しもう

梅本真由美(うめもとまゆみ)
サイエンスライター。
長野県出身。NTT勤務を経てNTT系列の広告代理店で編集・マーケティング・企業向けWebページの企画制作などを担当。結婚後は専業主婦となる。2002年、 「天文台マダム日記」の公開がきっかけでライターに転身、朝日新聞・天文雑誌などに執筆多数。現在、月刊星ナビにて「天文台マダムがゆく」、国立天文台の公式サイトにて「天文台マダム VERAに夢中!」を連載中。