ああ言えばこう言う。母と息子の“押し”問答集

消しゴムは人のためならず

消しゴムは人のためならず

息子2号、英検初受験の日。会場まで車で送って行きました。

続々やってくる車の列に並び、駐車場に車を止めた瞬間、「消しゴム忘れてきた!」と息子2号。

おーい。

集合時間まであと5分。息子よ、間に合う距離にコンビニもないぜ……。

 「だれか知り合い来てないの?」

息子2号 「Tくんはね、多分いる」

 「じゃ、Tくん見つけて、『あとで返すから、消しゴムの切れ端ちょうだい!』ってお願いだ」

さいわい、受付の列にTくんを発見し、「消しゴム貸して」と小声でお願いした息子2号。

受付終了後、2号のあとを追いかけ試験会場に入ると、もうひとりの友だち・Kくんから消しゴムを借りていました。どうやらTくんからKくんに、事前に話がいっていたらしい。

消しゴム2個持ちしていたKくん、神!
TくんからKくんへの連携プレイ、神!
そして、とっさのできごとに泣かなかった2号、神~!

Tくんとは小1の時、折り合いが悪くていつもグチをこぼしてたのになぁ。2号は、忘れ物するといつも泣きながら家に戻ってきてたのになぁ。友だち同士で助け合う関係ができてるんだなぁ。成長したなぁ……。

わが子に対し、持ち物確認などしようともしなかった自分のズボラさはそっちのけで、子どもたちの成長にひたすら感謝するのみ! でした。


そんなことがあった翌日。

息子2号 「ママ~。リボン結びのやり方、もう一回教えて」

以前に練習したはずの、給食当番エプロンの、腰のリボンが結べなくなってしまったというのです。まさか、結べないのはきみだけ? バカにされたりした? と思い、遠まわしにたずねてみました。

 「結べる子と結べない子がいるの?」

息子2号 「背中側で結べない子は、何人かいる」

 「そうかー。で、きみは結べなくてどうしたの?」

息子2号 「結んでもらった。だから、自分が結べるようになって、結べない子に教えてあげるの」

なんだかとってもほっこりする回答が。
やさしくしてもらったら、そのやさしさをだれかに返す。そういうリレーがちゃんとできてるんだなぁ(自分の陰湿な想像を、ちと反省しました……)。

いま息子2号の筆箱には、

  1. 自分用
  2. だれかのため用
  3. これはナニ用?

の、3個の消しゴムがはいっています。

受け取ったやさしさと受け渡したいやさしさが、筆箱の中にキチキチに詰まっています。



ヤナトモ
宮崎県在住/40代
高3、小5の男児の母。
趣味は哲学。