シリーズ 専門家にきく!

スポーツ栄養アドバイザー石川三知さんに聞く チャレンジできる体のつくりかた第4回(全4回・レシピあり)

最終回となる今回は、子どものために家庭でできる、もうひと工夫について聞きます。

第4回 家庭でできる、+1のアイデア

――あまり料理が得意ではない保護者でも、栄養のバランスがとれるようなワザがあれば教えてください。


栄養の摂りかたのルールをおぼえると、簡単にメニューを考えられると思います。

まず、タンパク質の摂りかたですが、鶏肉だけを食べ続けるような「どれか食べ」は同じアミノ酸組成しかつくれないのでNG。昨日は魚料理だったから今日は肉料理とか、お昼はサバだったから夜はサケというように、種類を変えるだけで摂れるアミノ酸が異なるんですよ。そこに豆腐のみそ汁や納豆などの大豆食品を組み合わせると、動物性と植物性のアミノ酸組成が異なるタンパク質を同時に摂ることができるので、バランスの良い食事になります。

――肉や魚の種類を変えるだけでもOKと聞いて、気持ちがラクになりました。

ビタミンやミネラルが豊富な野菜の摂りかたは、「植物の形にして食べる」とおぼえてください。根や茎の部分は土から栄養を吸収して、それを運んで支える働きをし、葉の部分は光合成をしているからエネルギー代謝がいい。実の部分は気温の変化や陽射しの強弱など、外側からの変化から種を守る皮と実がある。すべて違う役割があるわけです。この「根と葉と実」の3つが入った食事を心がけましょう。


『最新版 身長を伸ばす 栄養とレシピ: 栄養のプロが教える』より

――それぞれの部位に、そんな役割があることをはじめて知りました。

テストや試合、発表会など、ここ一番というときには、いつもより実の部分を多く食べるとプレッシャーから自分を守ってくれますし、筋肉をつけたり体脂肪を減らしたいときには、葉の部分を多く食べると代謝が上がります。疲れたとき、ゆっくり休みたいときには、根菜の多いスープや煮物で、全身に栄養を届けて体を支えてください。

そして、アミノ酸もビタミン、ミネラルも、栄養素はチームで働くということもおぼえてほしい知識です。どれか1種類だけ多く摂っても、どれかが少なくてもベストな働きをしてくれません。いろいろなものをまんべんなく食べるようにしましょう。

――コンビニで買ったものやファストフードを食べることもあると思うのですが、成長期の子どもに影響はありますか?

コンビニで購入するものやファストフードは、非常食だと割り切りましょう。そして、前後の食事でコンビニエンスではない、新鮮で、温かくて、香りのよい食べ物をしっかり摂ればいいんです。

――市販のお菓子を食べることもあるのですが、手づくりにした方がいいですか?

市販のお菓子がダメと決めるのではなくて、手づくりのお菓子を食べさせる頻度をふやせばいいと思います。ヨーグルトに生クリームや蜂蜜、果物を入れて、何回かかき混ぜながら凍らせるだけでおいしいヨーグルトアイスができるんですから(笑)。簡単でしょう? 炊き込みご飯をちいさなオニギリにして冷凍しても補食になりますよ。

――小学校高学年になるとダイエットしてしまう女の子も出てきます。成長期にダイエットしてもよいのでしょうか?

本当に危険です。無駄に太らないように、お子さんが思う美人さんになるように、「こんな食べかたをしてみたら?」ってアドバイスをしてあげてください。

わたしがサポートしている大学生の選手たちも、「しっかり食べて、燃焼することをくり返していれば大丈夫」「炭水化物抜きのダイエットは絶対ダメ」の教えを守っていたら、その選手たちの体のタイミングに合わせて体脂肪率がグングン落ちて、食べても太らない体になりました。

――食べることに興味がない子どもには、どんな工夫をしたらいいのでしょうか?


食べることに興味がないお子さんは、食べることをがんばらないので、すぐに食べることをやめてしまうんですよね。そんなときには、ひとさじの中にいろんな栄養が入る食事からはじめてください。ドリアとかワンプレート料理とか、サンドイッチとかおにぎらずもいいと思います。そのひとさじ、ひと口の中にいろんな味と食感の食材を入れる工夫をして、いずれ興味がわくようなきっかけを用意してあげましょう。それがなにかのきっかけになるかもしれないと信じてあきらめないことが大切です。

――難しく考えがちな栄養素の話ですが、いまつくれる食事になにを足すか、どんな工夫をするかで、将来につながる体づくりができるんですね。しかも、石川さんに教えていただくレシピは想像しただけでもおいしそうです。石川さん、ありがとうございました。

最後にママとパパがちょっぴりラクできるレシピと、スタイルがよくなりたい子ども向けのレシピを1つずつ教えてもらいました。

【石川さんおすすめ】ママとパパがちょっぴりラクできるレシピ

ジャンバラヤ


撮影:武井メグミ

1人分 469kcal 調理時間 60分

材料(1合分)

  • 鶏もも肉…1/2枚
  • A [・チリペッパー、クミンパウダー、パプリカパウダー…各小さじ1/4・塩、にんにくのすりおろし…各少々]
  • 白米…1合
  • ソーセージ、いんげん…2本
  • 玉ねぎ…1/6個
  • コーン…大さじ1
  • にんにくのすりおろし…1/4片
  • レモン…1/8個
  • パセリ…少々
  • B[・トマトジュース…100mL・水…80mL・塩、チリペッパー、クミンパウダー、パプリカパウダー、コンソメ…各小さじ1/2・胡椒…少々]

作り方

  1. 鶏肉はAをすり込んで、フライパンでこんがりと焼く。ソーセージ、いんげんは小口切り、玉ねぎは角切りにする。
  2. 炊飯器に1、コーン、にんにく、Bを入れて炊く。炊き上がったら、鶏肉は食べやすく切り分け、レモン、パセリを添える。

【石川さんおすすめ】スタイルがよくなりたい子ども向けのレシピ

ニース風ポテトサラダ


撮影:武井メグミ

1人分 178kcal 炭水化物11.0g 調理時間 20分

材料(1人分)

  • じゃがいも…1/2個
  • いんげん…3本
  • ゆで卵…3/4個
  • ベビーリーフ…適量
  • ツナ缶…40g
  • A[・オリーブ油…小さじ2・白ワインビネガー(又は酢)…大さじ1/2・塩、胡椒…各少々・レモン汁…小さじ1/2・粒マスタード…小さじ1/2]

作り方

  1. じゃがいもは角切りにしてゆでる。いんげんはゆでて斜め切りにする。
  2. Aを混ぜ合わせ、1とツナをあえる。卵を添える。

この本にたくさんのレシピが載っています。

『最新版 スポーツ選手のための食事 400レシピ』
石川三知著/学研プラス刊/1,814円

スポーツ選手が強い体をつくり試合に勝つための、食事の知識とレシピを紹介。400レシピという豊富さであきずに毎日使えます。小中学生のスポーツ選手にも対応。またトレーニングやスケジュールに合わせたレシピが選べるつくり。食事の知識もしっかり掲載。

『最新版 身長を伸ばす 栄養とレシピ: 栄養のプロが教える』
石川三知著/学研プラス刊/1,080円

部活で活躍したい。服を着こなしたい。自分が背が高くなかったので子どもには大きくなってほしいなど、身長を伸ばしたい理由は人それぞれ。身長を伸ばしたいと願う本人やその親のための栄養とレシピの本。ふだんの食事に取り入れやすいコツも満載。

(企画・構成 渡邉純子)

第1回 スポーツ栄養学って、なに?
第2回 成長期の体を支える、食の環境づくり
第3回 わが子に合わせた栄養の摂りかた
第4回 家庭でできる、+1のアイデア

川筋真貴
川筋真貴(かわすじまき)
中学校の国語教員を経てライターに転職。女性向けの媒体での執筆が多く、IT関係からファッション・ペット・インテリアまで、女性のライフスタイルに役立つ記事の作成を得意としている。趣味は長年続けている茶道と御朱印集め。東京都在住。