五月病にも役立つ。中学生から少しずつ身につけたい「ストレス・マネージメント力」

五月病にも役立つ。中学生から少しずつ身につけたい「ストレス・マネージメント力」

新学期が始まって1カ月。お子さんは新しい環境に慣れてきたでしょうか?

昔から「五月病」ということばがあるように、新しい環境のスタートからたまってきたストレスの影響で、心身に不調が出やすくなるのがGW明けの時期からです。ストレスをためすぎないためには早めのケアが大切。そのための「ストレス・マネージメント」という考え方を紹介します。

ストレス・マネージメントとは、簡単に言えばストレスと上手につきあうスキルを習得すること。ポイントは3つ。

  1. 「ストレス反応を知る」
  2. 「ストレス源を知る」
  3. 「対処法を考える」

まず、「ストレス反応を知る」ことからみていきましょう。

ストレスは「身体」「心」「行動」にあらわれる

中学生では、ストレスがことばより身体や行動の変化としてあらわれることが多いもの。ストレスによって引き起こされる身体と心と行動の変化のことを「ストレス反応」と呼びます。よくあるストレス反応をあげてみます。

  • 身体面:頭痛、腹痛、便秘、下痢、発熱、疲れやすくなる。
  • 心理面:気持ちが沈む、不安、心配な気持ちが大きくなる、やる気がしない、集中できない、イライラする、怒りっぽくなる。
  • 行動面:眠れない、朝起きられない、食欲がない、食べすぎる、金づかいが荒くなる、暴言、人や物にあたる、登校しぶり。

こういった反応が続くようであれば注意が必要。何かうまくいっていないことがあるのかもしれません。では、ストレス反応に気づいたらどうすれば良いでしょうか。

子どものストレスのサインに気づいたら?

ストレス反応に気づいたら、「元気ないみたいだけどどうしたの?」と、まずは気にかけていることを言葉にして伝えてください。とくに思春期の男子は「弱みをみせたくない」という気持ちが強いので、だれにも話さずに抱えてしまいがちです。

気になることがあったら親の方から話しかけてみてください。じっくり話を聞いてあげるだけでもストレスの軽減につながります。しばらく話していると、たとえば、

「授業がよくわからなくて、勉強をやる気が起きない」
「部活と勉強の両立が大変で疲れた」
「試合や試験で緊張した」
「友だちに言われたことで落ち込んだ」

などなど、日々の学校や家庭生活の中で悩んでいることがはっきりしてきます。


心身の変化とストレスが結びついていることを、子ども自身も気がつくことが大切

具体的なエピソードがわかれば、そういったできごとが心身の不調や行動の変化と結びついていることを、子ども自身に伝えていきます。大切なのは、親だけではなく子ども自身も、自分のストレスのサイン(=ストレス反応)に気づき、そして、自分がどんなことや場面にストレスを感じやすいのか(=ストレス源)を知っていくことです。

その2つがわかれば次にどう対処したらよいのかを考えていくことができます。

対処法として身につけてほしい、2つのスキル

ストレスへの具体的な対処法は個々の状況でちがいますが、どんな場合でも子どもに身につけてほしい2つのスキルがあります。

1つめは、「困ったときには人に相談する」という、サポートを求めるスキル。
2つめは「ストレス解消法をつくる」というスキル。

困ったときに親や先生、友だちなど周囲の人に相談できて、そしてこまめにストレスを解消する自分なりの方法をいくつか持っているお子さんは、いろいろあっても学校生活を安らかに過ごせていることが多いようです。普段からご家庭でそういったことを話し合ったり、親子でストレス解消法をいっしょに考えたりすることも役に立つでしょう。

定期テスト、部活の大会、友だちとのトラブルなど、子どもの世界でもストレスが全くなくなることはありません。子どもなりにうまくストレスとつきあう力をつけていくことも学力と同じくらい大切なことです。親が子どもと関わるときには、「ストレス・マネージメント」の考え方を知っているとサポートもしやすいのではないでしょうか。もし対応に迷うことがあれば、保護者の方もスクールカウンセラーなどに気軽に相談してください。

かくらいゆき(かくらいゆき)
臨床心理士。中学生から大学生までの思春期、青年期の子どもたちとその保護者の方のカウンセリングを中心に活動中。2児の母。