中学1年生は子どもも親も変化のとき あせらず、心配しすぎず、中1の壁を上手に乗り越えましょう

小学校から中学校に進学すると生活が大きく変わります。生活面や学習面の変化に戸惑い、心身の不調を訴えたり学校に行くことがおっくうになったりする状況を「中1の壁」と呼びます。

また、本格的な思春期がはじまるため口数が減り、子どもの気持ちや学校でのようすがわかりにくくなり親としては心配がつのりがち。親にとっても子どもにとっても変化への対応が必要な時期ですが、あせらず乗り切っていきましょう。


中学生になると何が変わるの?

中学校は教科ごとに先生が変わるため戸惑うことも多く、先生との相性によっては教科への興味が下がることもあります。また中学には、小学校にはなかった「定期テスト」があるのも大きな違いです。「定期テスト」は科目数が多く出題範囲も広いため、自主的で計画的な勉強が必要になります。

小学校では教科になかった「英語」の勉強が本格化し、「数学」も算数に比べて内容が高度になり、さらに覚えることがたくさん。

部活は、運動部ならほぼ毎日練習があり、そのあとに塾も重なってくると、どうしても生活リズムがうしろにずれやすくなります。「先輩、後輩」という関係が始まり、クラスの人間関係でも今までと違ったタイプの生徒たちにもまれて、新しい友人関係を築くのに時間がかかることもあるでしょう。慣れるまでは頭も心もからだもとてもエネルギーを使うため、知らず知らずにストレスがたまってしまいます。

スタート時、どんなことを心がけたらいい?

では、入学前の今からどんなことを心がけたらよいでしょうか? 4つのポイントを紹介します。

①入学前に見通しを話し合っておく

春休み中に何気なく、お子さんと中学校生活のイメージを話し合っておきましょう。新しい環境が始まるときは、あらかじめ見通しがわかっているだけでもストレスが軽減されます。

最近は中1の壁をなくすために小学校と中学校が連携し、小学6年のうちに中学校見学をしている学校もありますが、見学してから入学まで間があるため、実感がわいていない子どもも多いです。

たとえば朝は何時に家を出るのか、何時まで部活をやって帰宅するのか。塾に行く日のスケジュールはどうなるのか。定期テストはいつごろなのか。教科の勉強法はどう変わるのか。中学になって新しく変わることについて確認しておきましょう。

ただし、あまり不安をあおるといけないのでさりげなくリラックスした雰囲気で。

学外のことはなるべく時期をずらして始める

中学生活に慣れるだけでも最初は大変なので、なるべく他の新しいことは同時に始めない方が良いでしょう。

たとえば塾や習い事などは入学前のまだ余裕がある時期に始めるか、もしくは定期テストの状況を見てから考える。また入学と同時にスマホを使いはじめるお子さんも多いと思いますが、本当に必要か見極めてからでも遅くないでしょう。

完璧をめざさない、まわりと比べすぎない

適応のペースはその子によって違います。勉強や部活、人間関係など、最初から順調な子もいれば時間がかかる子もいます。まずは本人がやりやすいところから取り組んでいきましょう。反抗期でコミュニケーションがうまくとれず親自身が不安になって先走り、さまざまな情報に振り回され親子間がギクシャクしてしまう例もよくあります。

また、この時期の子どもは、まわりと比べて劣等感を感じやすい時期です。親が思っている以上に思いつめてしまうこともあるので、親はあせらずまずは目の前の子どものようすをよく見てあげましょう。そして、子どもにも自分のペースを大事にするように声をかけてあげましょう。

子どものサインに気づく

思春期の子どもは言葉で言わない分、ストレスを体の不調で表現することが多いです。病気ではないのに体の不調が続いたり、朝起きられないなどあるようでしたら、まずはスローダウンして休息を取り、話を聞いてあげてください。

多くの子どもたちは慣れてくると新たな自分の居場所や目標をみつけ、柔軟に適応していきます。あまり心配しすぎず、見守ってくださいね。

かくらいゆき(かくらいゆき)
臨床心理士。中学生から大学生までの思春期、青年期の子どもたちとその保護者の方のカウンセリングを中心に活動中。2児の母。