ただいま中学1年生

第5回 はじめての5段階評価

第5回 はじめての5段階評価

早いもので、中1も残り半分となったハルキは、人生初の5段階評価の通知表をもらってきました。1週間くらい前から、「今回の通知表は流して。甘く見てた。後期からマジがんばる」と言うハルキ。どうやら自信がないようなのです。

不安な保健体育の評定は?

前期の中間テスト終了後、ひとまず3段階評価をもらってきたのですが、そこにはなんとCがあったのです。3段階のCってことは、いちばん下。ってことは「2」? もしかしたら「1」がついちゃうってことですか~???

「C」がついたのは保健体育なのですが、ハルキは、マットや跳び箱などの器械体操が苦手なようです。わたしたちの時代には考えられませんが、保健体育も、授業のたびにレポートを提出するそうで、その内容がダメで、2~3回再提出させられたというのです。

やだな、やだな。「2」は見たくない。

前期終業式の日、部活を終えて帰宅したハルキ。こちらからは催促しないと決めていたのですが、ベッドの上でスマホを手にとり、くつろぎ始めるハルキ。母はもう待てません。

「提出物は?」
「え?」
とぼけているのか、本当に忘れているのか……と思っていると、
「あー、あー」
と出しにくいようすもなく、カバンから通知表を出してきたハルキ。

A4版の裏表。表にはシンプルに「通知表」とあります。裏を返すと……。

とりあえず「2」はない! よかった。保健体育は、夏以降プールがあったので、それで挽回できたのと、3段階評価でレポートが悪いことが分かったので、その後はきちんと書くようにしたようです。

保健体育なんて良い成績じゃなくてもいいのでは、というわけにはいかないのが高校入試のようです。公立高校の入試の際に必要な内申書は、9教科の平均だし、私立も推薦入試の場合は、9教科の内申が必要な学校もあるからです。

5段階評定が決まるまで

全体的には、それほど驚くこともないかなという成績で、はじめての5段階評価はこんなもんなのかなという印象でした。ハルキには「後期からがんばる」と、事前に余計なことを言わないように釘を刺されていたし、いきなり細かいことを言っても聞き入れてくれないだろうと思い、

「まあまあじゃない。後期はがんばるんだもんね」

と塾に送り出しました。ハルキが塾に行っている間に、5段階評定のもっと細かいところが知りたくなり、各教科の「評価」の合計点を書き出してみました。

「第2回 授業ガイダンスなるもの」で少し触れましたが、1~5までの5段階の数字は「評定」と呼ばれ、その元になっているのは、各教科の4~5つの観点にA○(マル)・A・B・C○(マル)・Cの5つのアルファベットでつけられる「評価」と呼ばれるものです。

「評価」は、各教科(例:数学)、各単元(例:一次方程式)ごとに、観点別(関心・意欲・態度、思考、技能、知識・理解)の評価がつきます。

  • A○(マル)…十分満足できるもののうち特に程度の高いもの=5点
  • A…十分満足できる=4点
  • B…おおむね満足できる=3点
  • C○(マル)…努力を要する=2点
  • C…一層努力を要する=1点

「評価」の合計点を総括したものが1~5の「評定」となります。

  • 評価4~7点=評定1
  • 評価8~10点=評定2
  • 評価11~13点=評定3
  • 評価14~17点=評定4
  • 評価18~20点=評定5

たとえば、数学の評価が

  • 数学への関心・意欲・態度→B
  • 数学的な見方や考え方→A
  • 数学的な技能→A
  • 数量や図形などについての知識・理解→A○

だった場合、
B=3点 + A=4点 + A=4点 + A○=5点 =16点
16点=評定4ということになります。

評定がアップできそうな教科を見つける

9教科の評価の合計点を出してみると、あと少し努力すれば成績アップできそうな教科が見えてきました。数学は、関心・意欲・態度の評価を上げれば、1アップできそう。社会も、どれかひとつの評価が上がれば、評定が1アップできそうです。

中学生になったばかりのハルキは、社会がおもしろいと言っていて、中間テスト後の3段階評価もよかったのです。でも途中から「先生の話がつまらない。眠くなる」と言うようになり、今回の評価では、4つのうち、3つが落ちてしまいました。

楽しいと俄然張り切るけど、つまらなくなると、ひゅ~っとしぼんでしまうハルキ。自分の中学時代を振り返っても、似たような経験がありますが、いちばん楽しかった教科が先生によって嫌いになってしまい、さらに成績も落ちてしまうのはもったいないですよね。

塾から帰ったハルキに、

「社会と数学は、評価をあと1ずつ上げれば、評定も上がりそうだよ」

と評価を計算した紙を見せると、

「ナイス~」

と予想外に感謝されました。

「先生も人間だからいろんな性格の人がいるよ。先生の好き嫌いで成績が下がっちゃうのはもったいないよ」
「分かった。後期はもっとがんばるよ!」

と前向きなハルキ。有言実行で後期はさらにがんばってほしいです。

竹内ナナ
ナナ竹内(たけうちなな)
夫と息子との3人暮らし。神奈川県在住。
出版社勤務を経て、フリーランスのライターに。息子がテニスを始めたのを機に、自分もスクールに通って、基礎をきちんと学びたいと思う今日このごろ。青空の下、家族でテニスを楽しみたい。