英語を聞き取れる耳は、モーツァルトが育てる!?

英語を聞き取れる耳は、モーツァルトが育てる!?

わたしは、学研キッズネットの『キッズみらいサポーター』として活動している株式会社USENで、音楽をとどける仕事をしています。これから毎月、音楽の専門家として、音楽が子どもたちに与える影響などについて、お知らせしていきます。

小学生と英語とモーツァルト

2020年4月から小学校に英語が本格的に導入されることを知っていますか?

3・4年で外国語活動が必修化され、5・6年では成績がつく教科になります。また、新学習指導要領への移行措置として今年度からすでに3年生以上で外国語活動が始まっています。

親としては、少しでも子どもが英語に興味を持ったり、抵抗感を抱かないようにしてあげたいと思いながらも、子どもは毎日の学校の宿題や、ほかの習い事だけで手いっぱい…といった状況ではないでしょうか?

そんな多忙を極める子どもや保護者におすすめしたいのが、モーツァルトの音楽。誰もが一度は聴いたことがあるのではないでしょうか? この名作曲家・モーツァルトの音楽が、英語を聞き取る力を養うのに有効だという説を唱えるのは、免疫音楽医療学を専門とされる埼玉医科大学短期大学名誉教授の和合治久先生。モーツァルトの音楽がなぜ英語の聞き取りに有効なのか、話を聞きました。

和合治久(わごうはるひさ)
和合治久(わごうはるひさ)
埼玉医科大学短期大学名誉教授。東京農工大学大学院修士課程修了後、京都大学で理学博士取得。免疫音楽医療学などが専門。

日本人は、もともと英語を聞き取る力がある

――なぜ日本人は英語を聞き取るのが苦手なんでしょうか。

和合:人間は、生まれたときにはあらゆることばの音を聞き取れる力を持っています。例えば、日本人でも英語を母国語とする国で生まれ、幼少期から英語を話す環境の中で育てば、英語を聞き取り話せるようになります。

――そうなんですか!? では、なぜ日本語を母語とする幼児は、英語を聞き取る力が低下するのでしょう。

和合:実は、さまざまな言語には、主に使用される音域(パスバンド)があり英語の音域は約2000ヘルツから1万2000ヘルツと高いのに対して、日本語は約125ヘルツから1500ヘルツと低い音域になっています。これが、日本人の英語の聞き取り能力の低さの原因となっています。

つまり、低い音域の日本語に慣れた幼児は低い音域の日本語に特化するため、英語の高い音域を聞き取れなくなり、英語特有の音やリズム、イントネーション、アクセントなどをキャッチしにくくなるのです。

――それとモーツァルトとどんな関係があるのでしょうか。

和合:モーツァルトの音楽には、音の特性として約4000ヘルツ以上の高い周波数の音ゆらぎ(風のそよぎや川のせせらぎに近い音)、そして和音が豊富で音同士が生み出す倍音という現象も多く存在しています。こうした特性をもつモーツァルトの音楽に聴き入ると、脳機能が活性化され、会話を聞き取る力や会話する力を高めることができると言われています。

すべての人間は、母親のお腹の羊水の中で育って生まれてきますが、内耳が完成する妊娠5カ月ごろの胎児の場合、羊水でも伝導する約8000ヘルツ以上の高周波音を骨導音として聞いています。したがって、高周波数の音に富むモーツァルトの音楽は胎児の耳にも届いて英語の聞き取り能力を向上させ、脳の聴覚機能を高めることで意味があります。

――一度失ってしまった聴覚機能は取り戻せないのでしょうか。

和合:いいえ、そんなことはありません。聴覚という五感の一つは、ありがたいことに訓練をすれば向上します。外国語を聞き取る力も向上させることができます。小学生のお子さんでも、モーツァルトの音楽を日常的に聴いたりして高周波音を聞き取る機能を高めることで、英語を聞き取れる耳をつくることができると考えられます。

家族みんなでモーツァルトを聴けば一石二鳥の効果が!

英語が聞き取りやすくなれば、子どももきっと楽しく学習できるでしょう。和合先生のお話によれば、モーツァルトの音楽にはほかにも、不安や不快なストレスを減少させて、記憶力や集中力を高めたり、自律神経の一つである副交感神経に直接作用して、脳や身体の機能をリラックスさせたりする効果があるとのこと。仕事や家事などでお疲れの保護者の方にもおすすめです。2020年度に向けて、今から家族みんなでモーツァルトの音楽を聴いてみてはいかがでしょうか。

お役立ちDATA

USENでは、お手持ちのスマートフォンや専用チューナーで聴ける、家庭向けの音楽放送や配信サービスを提供しています。モーツァルト専門の番組や、子ども向けクラシック番組のほか、家庭での学習に役立つ番組も多くラインアップしています。

くわしくはホームページをご覧ください。
USENのWebサイト

番組「英語力アップのためのモーツァルト」<主な放送楽曲例>(和合先生 選曲)

1)ピアノソナタ 第11番 イ長調 K331 第1楽章及び第3楽章
2)クラリネット協奏曲 イ長調 K622 第1楽章
3)ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K488 第2楽章
4)ピアノ協奏曲 第21番 ハ長調 K467 第2楽章
5)オーボエ四重奏曲 ヘ長調 K370 第2楽章および第3楽章
6)ディベルティメント ニ長調 K136 第1楽章および第2楽章
7)ディベルティメント 変ロ長調 K287 第2楽章
8)フルート協奏曲 ト長調 K313 第3楽章
9)セレナード 第13番 ト長調 K525 第2楽章および第4楽章
10)バイオリン協奏曲 第3番 ト長調 K216 第1楽章
11)バイオリン協奏曲 第5番 イ長調 K219 第2楽章
12)ディベルティメント ニ長調 K334 第3楽章

山下光儀(やましたみつよし)
山下光儀(やましたみつよし)
株式会社USEN コンテンツプロデュース統括部長。USEN入社後、主に、店舗BGM制作を担当し、スーパーマーケットなどの販促ソング、オリジナル楽曲制作に加わる。子ども向けの教育コンテンツ制作にも従事。2014年より現職。業務店および個人向けの音楽配信事業を統括する。最近では、音楽が人にもたらす効果など音の持つ力の研究にも注力している。プライベートでは、少年野球チームのコーチをするなど、子どもたちとの触れ合いを大事にしている。3児の父。