
先日、親子でフリーマーケットに出店しました。
最初は、わたしひとりで参加しようと考えていましたが、試しに息子(小6)を誘ってみると、「やる! やる!」と予想外の返事が返ってきました。
そこで、出品するもののセレクトから値付け(値段を決める)、商品のディスプレイまですべての工程を手伝ってもらうことに……。
自宅でフリマの予行演習
まずは、出品するものを集めることからはじめました。
会場には、ディスプレイ用のテーブルも持参することになっていたため、当日使うテーブルを実際にリビングに出してみて、並べられるだけの量をセレクト。比較的ダメージの少ない子ども服や、普段使いしやすい食器などを出品することにしました。
「このシャツ、300円でどう?」
「え~? それは新品みたいだから450円でも売れるんじゃない?」
と一丁前のことを言う息子。
「自分だったら、その値段でも買う?」
「買う、買う」
なるべく息子の意見を尊重しつつ、大人の常識の範囲内で値付けをしていきます。
値付けの次は、ディスプレイの準備です。
段ボールを切り取り、マジックで、“安いよ~”、“買ってね”などのポップを作っていく息子。
「こういう地味な作業も、けっこう好きなんだよね」
となんだか楽しそう。

自宅でディスプレイの練習中。
「そうだ、お客さんにクイズを出して、正解したら、あめをプレゼントしようよ」
と、こんどは円周率を求めるクイズをつくりはじめました。
「え~、小さい子やお年寄りとか、答えられるかなあ?」
「大丈夫だよ」
と、走り出したら止まらない息子なのでした。
はじめてのお客さんにガッツポーズ
今回の会場は、横浜市内にある動物シェルター&イベントスペース「BUDDY Project」。
会場への商品の搬入と搬出は夫の車で手伝ってもらいました。
午前10時に開店。この日は、あいにくの雨で最初は客足もまばらでしたが、午後からは小降りになり、
「いらっしゃいませ」
とあいさつする息子の声も頻繁に聞こえてくるようになりました。
「これ、かわいいわね」
と箸置きに興味を示すお客さんに
「5個セットで、黄色と青とピンクと……」
とひと通り説明することもできました。
そのお客さんが箸置きを買ってくれたときは、ニコニコとうれしそうな表情。お客さんが見えなくなると
「やった!」
と小さくガッツポーズまで飛び出しました。

はじめてのお客さんに、うれしそうな息子。
売るための工夫が必要と気づく
今回、思わぬヒット商品となったのは、サバの缶詰です。オシャレな雑貨やさんの出店が多いと聞いていたので、それとは程遠いイメージのサバ缶の出品は最後まで迷いましたが、予想外に手にとってくれるお客さんが多かったです。

何人かのお客さんから
「これは人間用よね?」
という質問が。
そう、ここは動物病院のフリースペースなのです。動物用のえさだと思うお客さんが多かったようで、ポップに「人用です」という文字を追加することにしました。

サバ缶のポップに“人用です”の文字を追加する息子。
息子は、ものを売るためには、どんな商品なのかをお客さんに分かりやすいように陳列しなくてはいけないことに気づいたようです。追加したポップの効果が出たのか、その後、サバ缶はみごと完売となりました。
子ども服はあまり売れないまま、フリマは午後4時に閉店。気になる売り上げは、出店料の1,000円を差し引くと、家族分のケーキを買えるぐらいにはなりました。ちなみに、出店料は、動物病院で保護されている犬や猫たちの維持費として使われるそうです。
はじめてのフリマ出店を終えた息子は、
「楽しかった。でも、お店をやるのって結構大変なんだね」
としみじみ……。午前中はお客さんが少なかったため、持ってきた本を読んでいたのですが、子どもにとっては、このお客さんを待つという時間が、とてつもなく長く感じられたようです。それと、単純にもっともっと売れると思っていたみたいです。
でも、値付けやお客さんとのコミュニケーションなど“リアルお店屋さんごっこ”体験で、商売の仕組みを知ったこと、ものを売るためにはどんな工夫が必要かを考えられたこと、そして、どんな商品にどんな値段をつければ売れるかなど金銭感覚を養うことができ、息子にとって、とても有意義な経験ができたようです。
次回はもっと売れるかな!?