すくすく伸びる子どもたちに、本当に大切なこと

規則正しい「睡眠」と「食事」、夢中になれる「遊び」が子どもを伸ばす原点

規則正しい「睡眠」と「食事」、夢中になれる「遊び」が子どもを伸ばす原点

学研キッズネットfor Parentsの記事からわかった、すくすく伸びる子どもたちのために本当に大切なことをふり返る特集第2回は、睡眠と食事、遊びが子どもたちに与える影響についてとりあげていきます。

人生は毎日の小さな積み重ね。伸び盛りの子どもたちにとって、1日のもつ意味合いは大人よりも大きく、また周囲にいる大人に左右されがちです。だからこそ日々の小さな習慣や体験を大切にしてあげる必要があります。

このページの目次

  1. 眠りと「自尊感情・自己肯定感」には深いつながりがある!
  2. 自分の体は自分の食べたものでできている
  3. 100%やりたいように遊ぶ時間、夢中になる時間がその子の強みを育てる
  4. 夢中になっている時間と同じくらい大切なのがぼーっとして過ごす時間

1.眠りと「自尊感情・自己肯定感」には深いつながりがある!

何時に就寝するのか、何時間眠るのかという睡眠サイクルと、ありのままの自分を受け入れるという自己肯定感とは密接なつながりがあり、ひいては子どもの日常生活(落ち着きや情緒の安定性)や学力にも関係してきます。このことは脳の成長の仕方から考えていくとよくわかります。

脳は「古い脳(姿勢を保つ、呼吸、睡眠など【からだ】に関する脳)」→「新しい脳(記憶や思考、指先の微細な動きや言語、感情など、いわゆる【脳】)→「前頭葉(人間らしさなど【こころ】の脳)」の順番で発達していくそう。日中活動をする昼行生物である人間は、朝起きて夜暗くなったら寝るのが当たり前で、早寝早起き朝ごはんという生活習慣を身につけることが、この正しい発達のために大切になってきます。

睡眠や食事などによって、まずは土台となる「古い脳」をしっかり育てるべきときに、「新しい脳」を育てようと習い事などを詰め込んで睡眠時間を削ってしまっては本末転倒。このあたりのくわしい話を、発達脳科学を研究している成田奈緒子先生の話を交え中曽根陽子さんがわかりやすく教えてくれています。

寝る子は育つ! 正しい睡眠の習慣を身につけよう 1

寝る子は育つ! 正しい睡眠の習慣を身につけよう 2
「子どもが伸びる家庭の10の習慣」(中曽根陽子さん)

「子どもにとっては生活習慣を身につけることがもっとも重要なことであり、とりわけ睡眠の習慣は、小学校時代においてなにより重要だと考えているからです。」生活習慣を崩さなければできないような勉強が必要になることは本末転倒であると陰山英男先生は読者の質問に答えます。

中学受験で深夜まで勉強する娘に夫が怒り
「教えて! 陰山先生」(陰山英男先生)

物を考えるのに最適な時間は睡眠時である」自身の経験からそう断言するのは宮本哲也先生。脳の意識の領域と無意識の領域を比べると、無意識の領域の方がはるかに大きいのですが、この無意識の領域にアクセスできる時間が眠っている時間です。ここを入り口として「学力差は睡眠時につく」と考える宮本先生の話はこちらです。

子どもの学力差はここでつく!
「『賢い子ども』の育て方」(宮本哲也先生)

みなさんは眠りに就くとき、どんなことをイメージしながら横になっていますか? 入眠するときのイメージトレーニングの大切さを説くのは親野智可等先生で、人生を左右することさえあると言います。このイメージトレーニングは大人のわたしたちがやってみて、自ら経験しつつ、子どもたちにも教えてあげることをすすめます。

毎晩布団に入るときに、うれしいこと、楽しいこと、達成したいことを思い描きながら眠りにつくだけ。「一度コツを覚えれば一生の財産」。そこまで言われたら、やってみないわけにはいきませんね!

眠りにつくときのイメージトレーニングで人生が決まる
「子どもが伸びる親力」(親野 智可等 先生)

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2.自分の体は自分の食べたものでできている

「早寝早起き朝ごはん」という生活習慣が大事であることから、次に取り上げるのは食事。

スポーツ栄養アドバイザー・石川三知さんは、「わたしたちの体は自分が食べたものでできているということを意識してほしい」「自分の体は自分でしか作れない」と言います。石川さんは食べ物が成長期の子どもの体を支える大切な材料になっていること、「かむこと」の大切さ、味覚や食感が子どもの感性を高めることなどをやさしく教えてくれます。石川さんおすすめレシピも手軽なものばかりなので、ぜひ作ってみてください。

スポーツ栄養アドバイザー石川三知さんに聞く チャレンジできる体のつくりかた第2回
「シリーズ 専門家にきく!」石川三知さんインタビューより

子どもの好き嫌いのなくし方や、子どもにうまく手伝ってもらって食に関心を持ってもらう方法を教えてくれるのが、フードスタイリストのダンノマリコさん。「子どもの好き嫌いに寄り添わず食卓に料理を出し続ける」という考え方も参考になります。

忙しくても、子どもといっしょにごはんを作って食べるコツ
ダンノマリコさん

これからの寒い季節、風邪やインフルエンザの流行に少しでも対抗したいですね! 牧野直子先生の風邪対策メニューは、日頃の食事作りを考えるうえでもヒントになります。

寒い冬に負けない! 風邪対策メニュー
「元気な子どもが育つ毎日のごはん」(牧野直子先生)

最近、多いと言われる子どもの「低体温」は、意欲の低下にもつながります。改善には規則正しい生活が大切で、食生活の見直しも大いに役立つはず。牧野先生のレシピをもう1本紹介します。

子どもに急増中! 低体温を防ぐ「辛くないチリコンカン」
「元気な子どもが育つ毎日のごはん」(牧野直子先生)

食事は「何を食べるか」も大切ですが、「誰と食べるか」「どんな雰囲気の中で食べるのか」も同じくらい大切ですよね。家族の生活時間帯が合わずひとりで食事をする子どもや、家事育児を抱えてつかれてしまった保護者のために、居場所を提供する活動をしている人たちもいます。

「こども食堂ネットワーク」の事務局長を務める釜池雄高さんは、「子ども食堂」は“「子ども」と「食」を中心にした地域みんなの居場所”だと考えているひとりです。「子ども食堂」とは、子どもがひとりでも食事ができ、地域の人たちが、無料または低額で食事を提供する場を指しています。核家族化が進む現代では、自分のためにも子どものためにも、ときに地域の力を借り、人間関係のネットワークを広げるきっかけにするのも良い方法ではないでしょうか。

いま話題のキーワード「子ども食堂」ってなんだろう?
こども食堂ネットワーク事務局長・釜池雄高さんインタビューより

大人の健康にとっても食生活は重要な問題ですが、子どもは体が大きく変化する時期であるうえに、自分で食事を選べないという点で保護者の責任は重大だと改めて感じます。眉間にしわを寄せるほど深刻になりすぎず、それでもできるだけ子どもの体に役立つ食べ物を選んで、子どもといっしょに食事の時間をおいしく楽しく過ごしたいものです。

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3.100%やりたいように遊ぶ時間、夢中になる時間がその子の強みを育てる

子どもが大好きな「遊び」の時間。でも、子どもが好きな遊びは、大人がハラハラするものばかり。高いところから飛び降りてみたり、火や水を使いたがってみたり、木登りや泥遊び、ひみつ基地なんていうのも好きですね。一方、最近は公園に禁止事項が増えてきました。

そんななか、「自分の責任で自由に遊ぶ」ことのできる冒険遊び場プレーパークは「本当にやりたいように遊んでいい」場所です。火を使ってもいい、泥だらけになってもいい、ぼーっとしていたっていい。「自分が100%やりたいようにやるのが『遊び』。大人から見て遊んでいるように見えなくてもいい」と話すのはNPO法人こがねい子ども遊パーク・代表理事の邦永洋子さん。「失敗も含めてすべて自分の手でやってみるという経験の積み重ねが、自分のことを大好きだと思える気持ちや相手を尊重する気持ちにつながると思う」と話してくれました。

自分の責任で自由に遊ぶ、冒険遊び場「プレーパーク」~‟こがねい子ども遊パーク“インタビュー~

子どもが「自発的に」「思いっきり遊ぶ」という経験は、創造力や学びの力を育むことにつながると教えてくれるのは中曽根陽子さん。時間を忘れて遊びに熱中しているような状態を体験した子どもの方が、そうでない子どもより学習の効率もあがるし、思いも寄らないような力を発揮することがあるそうです。

よく遊んだ子は賢くなる!? ~子どもを伸ばす遊びの力~
「子どもを伸ばす10の習慣」(中曽根陽子さん)

「何かに没頭できる子は強い」と宮本哲也先生も言います。「子どもが何かに没頭している時間は自分の意志で生命力を磨いている宝の時間なので、どれほど親の趣味とかけ離れていても決して邪魔をしてはいけません」。

没頭力を鍛える
「『賢い子ども』の育て方」(宮本哲也先生)

「もしかしたらいまの学校でほめられるポイントと、20年後の社会で役立つことは違うんじゃないかって思うんです。いまは、ほめられないなと思うようなことも、ひょっとしたら将来、その子の役に立つことかもしれない。だから、夢中になれる強みを見つけてあげて、伸ばしていくことが大事なのかな」と語るのは株式会社LITALICO(リタリコ)の執行役員CTOの岸田崇志さんです。

多様性を力に変えて 障害のない社会をつくる  株式会社LITALICOインタビュー第4回

子どもが意に染まない遊び方をしていると、大人はついつい手出し口出しをしがちです。けれど、こんな時間こそ子どもにとって大切な育ちとなっているのですね。

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4.夢中になっている時間と同じくらい大切なのがぼーっとして過ごす時間

子どもがぼーっとしていると、「何してるの?」「〇〇はやったの?」「宿題は終わった?」そんなふうに声をかけてしまったことはありませんか。意外にも、「脳科学の研究で、ぼーっとしている時間のほうが、脳の活動が盛んになるということがわかっています」。「そのときに使っているエネルギーは、意識的に頭を使っているときの20倍にも達する」というのは驚きです。

ぼーっとしている時間に頭は育つ
「AI時代を生き抜くために『失敗力』を育てる6つの栄養素」(中曽根陽子さん)

もちろん、だからといって、お子さんに「たまにはぼーっとしなさい!」なんて言ってはいけません。わたしたちが親としてできることは、子どもの予定を詰め込み過ぎず「遊び時間やぼうっとする時間を含めて、もっと子どもたちに自由時間を保障してあげ」ること。自由時間に主体的に生きることが、子どもの自己実現力を育てていくのです。

仕事でもプライベートでも、主体的に生きられる人にするには?
「子どもが伸びる親力」(親野 智可等先生)

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次回は、土壌ができた上に育まれる、「学び」と「やる気」について深く考えていきます。子どものやる気を引き出すために、保護者にできることとは?

学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)
『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。
学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。
子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。

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