子どもが伸びる親力

親がひと工夫するだけで、子どもの「わかってる。うるさい」の反抗がなくなる

親がひと工夫するだけで、子どもの「わかってる。うるさい」の反抗がなくなる

子どもの状況を見てから話しかけよう。観察力が大事

子どもに何か言ったとき、「わかってるよ!」と反抗されると、頭に来ますよね。
それで、「わかってるならどんどんやりなさい」と言い返して、また「うるさい」と反抗される…。

さらに、「親に向かってうるさいとは何なの?」「うるさいからうるさいって言っただけ」「どんどんやらないからでしょ」「今やろうと思ってたの!」「うそ言いなさい」「もうやる気なくなった」などと言い合いになる…。

よくある光景ですが、こういう言い合いをするとお互いイライラして、さらにストレスが溜まります。
特に、子どもが反抗期の時にはこういうことがよく起こります。

こういう不毛な言い合いを防ぐためにひとつ気をつけたいのが、そのときの子どもの状況をよく見てから話しかけるということです。

つまり、観察力が大事です。

誰にも、気持ちよい返事ができないときがある

例えば、大人でも、家計簿の数字が合わなくてイライラしながら計算しているときに、話しかけられたらどうでしょう?

あるいは、毎週楽しみにしているテレビの連続ドラマを、夢中で見ているときに話しかけられたらどうでしょう?

しかも、楽しい話ならともかく、「さっき頼んだアイロン掛けまだしてないじゃん。いつになったらやってくれるの?」などという話だとしたら、どうでしょう?

つい、「わかってる。うるさい」と言いたくなるのもわかりますよね。

同じように、子どもも友達とのラインのやりとりで、何と返信していいか考えあぐねているところかも知れません。

あるいは、大好きなアニメのすてきな場面を夢中で見ているところかも知れません。新しく買ったガジェットの使い方がわからず、取り扱い説明書をちょっとイライラしながら読んでいるところかも知れません。

こういうとき話しかけられても、気持ちよい返事をすることは難しいのです。

今、相手の内面はどういう状況なのか?

今、相手の内面はどういう状況なのか?
今これを言ったとして、相手には聞く余裕があるのか?

もし、話を聞けるような状態でないなら、やめたほうがいいです。
そして、相手が聞ける状態になるまで待ちましょう。
相手にとって楽しい話ならともかく、そうでない話の場合、これは絶対に必要な配慮です。

自分が何か思いついたら、すぐ話しかけてしまう…。
相手の心理的な状況などおかまいなしで、言いたいことを言ってしまう…。
悪意はないかも知れませんが、観察力がないばかりに、相手の神経を逆なでしてしまう…。
これだとうまくいきません。

大人同士の職場でもこういう人はいます。
でも、職場では配慮ができるのに、わが子には配慮ができないという人もいます。
そういう人は、わが子に甘えているのです。

はじめに相手にとって楽しい話をしてみる

ところで、先ほど「相手が聞ける状態になるまで待ちましょう」と書きましたが、いつまでも待っていられないときもあると思います。

そういうときは、はじめに相手にとって楽しい話をしてみるといいでしょう。
例えば、相手を褒める話、あるいは相手が興味を持っている話題です。

「この前のテニスの試合、サーブが絶好調だったね」
(ほめられるネタを探して、まずはそこから入りましょう)

「マルオの猫パンチってかわいいよね」
(かわいがっているペットがいる場合、その話題は効果的です)

「ジャイアンツがまた連勝記録を伸ばしたね」
(応援しているチームの話題は効果的です)

ハードルを下げてあげるとさらに効果的

相手がそれに応えてくれて少し会話ができれば、そこで相手の気持ちはオープンな状態になります。

そうなってから、こちらの言いたいことを何気なく言うのです。
大切なのは、とがめたり責めたりする言い方をしないことです。

「勉強しなきゃダメでしょ」や「いつになったら片づけるの?」などは、とがめているからNGです。

「さあ、勉強しようか」や「じゃ、そろそろ片づけようか」などならOKです。

「勉強、ちょっとだけやっておくか」や「手伝ってあげるから、ちょこっと片づけしておこう」などのように、ハードルを下げて、簡単そうにして促すと効果があります。

居心地のよい家庭で自己肯定感と他者信頼感を育んであげよう

ということで、子どもの「わかってる。うるさい」にイライラする前に、自分が無神経かつ無遠慮に話しかけていないか振り返ってみてください。

親がもう少し観察力を高めて、ちょっとした配慮をしてあげるだけで、不毛かつ不必要な言い合いをさけることができます。

そうすれば、よりよい親子関係が築けるようになり、家庭が子どもにとっても親にとっても居心地のよい場所になります。

そのような中で、子どもは自己肯定感と他者信頼感を育むことができます。
そして、この2つがあればその子の人生は大丈夫です。

親野智可等(おやのちから)
教育評論家。1958年生まれ。本名 杉山 桂一。
公立小学校で23年間教師を務めた。教師としての経験と知識を少しでも子育てに役立ててもらいたいと、メールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発行。具体的ですぐできるアイデアが多いとたちまち評判を呼び、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛される。また、子育て中の親たちの圧倒的な支持を得てメルマガ大賞の教育・研究部門で5年連続第1位に輝いた。読者数も4万5千人を越え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。『「親力」で決まる!』(宝島社)、『「叱らない」しつけ』(PHP研究所)などベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても知られる。長年の教師経験に基づく話が、全国の小学校や幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会で大人気となっている。
著書多数。
Webサイト http://www.oyaryoku.jp/