子どもが伸びる親力

ノウハウコレクターの親は、なぜうまくいかないのか?

ノウハウコレクターの親は、なぜうまくいかないのか?

親子関係がよければうまくいく

親子関係をよくすることは、しつけや勉強よりもはるかに大事です。
これは、子どもが幼児であろうが小中学生であろうがそれ以上であろうが、まったくかわりません。

そして、親子関係をよくするために絶対必要なのが、子どもが「自分は親に受け入れてもらえている」「わかってもらえている」「大切にされている」「愛されている」と実感できるようにしてあげることです。
これが、すべての土台であり始まりです。

子どもがそういう実感を持てていれば、生きる力がわいてきます。
いろいろなことでがんばるエネルギーがわいてくるのです。
そして、親の言うことも素直に聞くようになります。

親が「ゲームのやり過ぎに気をつけよう」とか「友達の家に行ったらあいさつを忘れないでね」などと言えば、それを素直に受け入れます。
すぐにはできないことでも、やってみようという気持ちにはなります。

親が「いけないことや危ないことに誘われたり巻き込まれたりしたら、心配だよ」とか「危ないことしないでね」などと言えば、「大好きな親を心配させちゃいけない」ということで心のブレーキになります。

叱りすぎると子どもは親の愛情を疑うようになる

この反対に、「自分はいつも叱られている」「自分は親に受け入れてもらえていない」「自分の気持ちを分かってもらえていない」「あまり大切にされていない」「あまり愛されていない」などと感じている子もいます。

もちろん、親は愛しているつもりです。
でも、子どもの方はそれが実感できていないというのです。
こういうケースはけっこうたくさんあり、多くの場合その原因は親の叱りすぎです。

このような場合、親がいくら口でいいことを教えても、いくら正しいことを教えても、子どもはそれを素直に聞くことができません。

親の心配が心のブレーキになるどころかかえって反発材料になり、よけい危ないことをしてしまうことすらあるのです。

こういうわけで、いい親子関係をつくることこそが最優先なのです。
それのないところで、「しつけをしなければ」とか「勉強をさせなければ」などと思っても絶対にうまくいきません。

ある親の実例

これらのことは、私が教師時代にいろいろな親子を見てきてわかったことです。
ある親が次のように言ったことがありました。

「懇談会で先生が教えてくれたように、2学期のはじめに節目の高揚感を活かして「○○するために□□する」という目標の書き方をしてやり始めたんですけど、子どものやる気はあまり続きませんでした」

親はそう言いましたが、私にはうまくいかない原因ははっきりわかっていました。
うまくいかないのは、その親が感情の起伏が激しくて、自分の気分が優れないときは感情的に叱りつける人だったからです。

子どもはそういう親にかなり反発心を持っていました。
ですから、形だけ「○○するために□□する」などという目標の書き方をさせられても、素直にがんばろうという気持ちになれないのです。

肝心なところができていないとノウハウコレクターになるだけ

まず、土台になるいい親子関係がなければ、どんな方法を試したところで、うまくいきません。
それでは、いわゆるノウハウコレクターになるだけです。

みなさんの職場やビジネスの世界にもそういう人がいるはずです。
いろいろなノウハウに飛びついてやり始めるけど、結局うまくいかないという人です。
そういう人は、一番肝心なところができていないのです。
ノウハウコレクターは職場やビジネスの世界だけでなく、親の中にもいるのです。

親野智可等(おやのちから)
教育評論家。1958年生まれ。本名 杉山 桂一。
公立小学校で23年間教師を務めた。教師としての経験と知識を少しでも子育てに役立ててもらいたいと、メールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発行。具体的ですぐできるアイデアが多いとたちまち評判を呼び、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛される。また、子育て中の親たちの圧倒的な支持を得てメルマガ大賞の教育・研究部門で5年連続第1位に輝いた。読者数も4万5千人を越え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。『「親力」で決まる!』(宝島社)、『「叱らない」しつけ』(PHP研究所)などベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても知られる。長年の教師経験に基づく話が、全国の小学校や幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会で大人気となっている。
著書多数。
Webサイト http://www.oyaryoku.jp/