〜ヒラからPTA会長まで〜 PTAひととおりやってみた

第3回 子どもの登下校を見守る係の仕事

第3回 子どもの登下校を見守る係の仕事

子どもと通学路を歩いて登下校を見守る

子どもの登下校を見守る係というと、登下校時に道路横断の補助をする「緑のおばさん(学童擁護員)」のような活動を思いうかべたかもしれませんね。
でもわたしたちの地域では、そうした通学路での安全指導はすべて、シルバー世代の有志による学校安全ボランティアが引き受けていました。

となると、わたしたち「保護者と教職員の会」の活動はなんでしょうか?
それは、決められた期間に「子どもといっしょに通学路を歩く」ことでした。
保護者は子どもといっしょに通学路を歩きながら、あぶない場所をチェックしたり、「子ども110番の家 ※」があれば、その場所を子どもに確認させたりします。通学路を歩いて気づいた情報があれば、アンケート用紙に記入して報告する、というのが一連の流れです。

※「子ども110番の家」とは、子どもが危険を感じて助けを求めて駆け込んできたときに、子どもを保護し、警察などへの通報に協力してくれる家や施設のこと。

運営委員としてわたしたちが行なう仕事を整理してみます。

  1. 運営連絡委員(本部役員)の承認を得て親子で登下校する期間を設定し、おたよりを作成・配布する。
  2. あぶない場所の情報など、保護者が気づいたことを記入するアンケート用紙を作成・配布する。
  3. 期間中、親子で登下校をしてもらう(保護者は自由参加)。わたしたち委員はまわりの親子の様子を見ながら歩く。
  4. 提出されたアンケートを集計して情報をまとめ、運営委員会で報告する。
  5. アンケート集計報告のおたよりを作成・配布。集まった情報を保護者にフィードバックする。これを学期ごとに行ないます。通学路に立っている学校安全ボランティアの方にあいさつをしたり、同じ地域に住む小学生の顔をおぼえたりしながら、子どもといっしょにワイワイ通学路を歩く、一見とても楽しい活動です。そしてわたしは、この活動にはとても大切な意味合いがあることをPTAの経験を通してはじめて知りました。

活動の真意がわかって心を動かされる

前年度からの引き継ぎによると、親子での登下校は「1学期のゴールデンウィーク明け、2学期の夏休み明け、3学期の冬休み明けに、それぞれ1週間程度実施する」と決められていました。どうしてその時期が指定されているのでしょうか。その意外な理由にわたしはおどろきました。

そもそもわたしの学校では、この「子どもの登下校を見守る」活動は、長期休み明けに不登校になりがちな子どもに対する心のケアを目的として行なっていたのです。

たしかに、長期休み明けに1日休んでしまって、気づいたときには休みが長期化していたという一般例は、わたしも聞いたことがあります。
みんなが親子で登下校することによって子どもの心の負担を減らし、学校へ行きやすい環境を作ろうという意図に、わたしは思わずうなりました。さらに、安全確認や地域のコミュニケーション促進など、子どものために考えぬかれた活動であることにも心を動かされました。
そしてこのことは、それまでわたしがPTA活動に抱いていた勝手なマイナスイメージを見なおすきっかけになりました。

それまでは、学校安全ボランティアが見守っているのに、保護者がわざわざいっしょに歩く必要があるのだろうかと疑問を感じていましたが、心のケアという目的を知って、保護者が活動する意味がわかりました。また、子どもたちが見えないところでさまざまな心配りをしてもらっていたことを知って、PTA活動のありがたみを感じるようになりました。

学校規模での情報収集と情報共有

活動に参加した保護者から集まったアンケートには、「楽しかった」「地域の保護者と顔見知りになれてよかった」などの好意的な感想が多くよせられていました。こうした声は、わたしたち委員のやりがいになります。とくに1年生の保護者がこの活動を非常に高く評価しているという集計結果はうれしかったです。

「子どもの体調に不安があったので登校につきそった。まわりのみんなが親子で登校しているので、自分だけ親に連れられてはずかしいという思いをさせずにすんだ」という回答を見たときは、子どもの心のケアという活動の意義をあらためて実感しました。

安全確認については、
「A町のB道路は、△月△日まで道路工事のため歩道が通れない」
「A町の道路工事により○○通りは大型車両の通行が多い」
「△月△日にC公園で不審者が目撃され110番通報された」
など、保護者がじっさいに通学路を歩いて確認した有益な情報が得られました。

これらの情報や意見をまとめ、おたよりを作成して全家庭に配布し、保護者に情報をフィードバックします。
ふだん働いていて親子で登下校することが困難な保護者もおおぜいいるので、こうした情報を学校規模でみんなが共有できる点は、PTA活動のよい点だと感じました。また、PTAの活動を外側から見ているだけでは、案外わからないことがあるのだと知りました。

以上が運営委員として行なった「子どもの登下校を見守る係」の内容です。
次回は「学級委員」の活動についてふりかえってみたいと思います。

梅本真由美(うめもとまゆみ)
サイエンスライター。
長野県出身。NTT勤務を経てNTT系列の広告代理店で編集・マーケティング・企業向けWebページの企画制作などを担当。結婚後は専業主婦となる。2002年、 「天文台マダム日記」の公開がきっかけでライターに転身、朝日新聞・天文雑誌などに執筆多数。現在、月刊星ナビにて「天文台マダムがゆく」、国立天文台の公式サイトにて「天文台マダム VERAに夢中!」を連載中。