〜ヒラからPTA会長まで〜 PTAひととおりやってみた

第5回 小学校でのPTA活動を振り返って

第5回 小学校でのPTA活動を振り返って

今回は2回目のPTA活動も含めて、小学校でのPTA活動全体を振り返ってみます。

PTAに会社のような上下関係はない

わたしにとってはじめてのPTA活動は無事に終わりました。ヒラ委員なので負担が軽かったせいかもしれませんが、とくにストレスを感じることもなく、楽しく活動できました。

「楽しい」と感じることができた要因のひとつに、当時PTA会長をしていたKさんとの出会いがあります。Kさんはとにかく「楽しくやろう」がモットーのフレンドリーな方で、いつも友だちに囲まれて和気あいあいと活動している姿が印象的でした。

当時のわたしは、1年前に転入してきたばかりで地域のことがよくわからず、PTA活動にも不安がありました。そんななか、Kさんが運営委員会初日に「PTAはじめてなの? わからないことはなんでも聞いてね。」と、声をかけてくれたのです。その後も運営委員会のたびに「なにか困ってない? 大丈夫?」と雑談を交えて話しかけてくれたので、執行部のみなさんと会話する機会が増えて、安心感を持って活動できました。

それまでわたしは、PTA会長=エライ人という思い込みがあり、大勢の前でスピーチするKさんを見て「すごいなあ」と雲の上の人を見るような気持ちを抱いていました。でもKさんと話すうちに、そんな気持ちは吹き飛びました。同じ保護者どうし、上も下もないわけで、会長もヒラも同じ立場のママ友なんですよね。わたしはKさんと友だちになり「Kさんはエライ人をやっているのではなく、会長という役割を果たしているんだ」と気づきました。

このときの「会長という役割を担当する」という気づきは、その後、わたしが中高一貫校でPTA会長をつとめる際に大きな影響を及ぼしました。その後、Kさんはわたしとは別の中学でPTA会長をつとめることになり、最寄り駅でバッタリ再会したらお互いにPTA会長だった、なんていうことも。いまでもKさんとは友だちづき合いが続いています。

翌年はPTA委員に立候補

翌年、上の子は6年生、下の子は4年生になりました。わたしは前年度の委員決めのときに「いずれまた」と発言したとおり、下の子のクラスでPTA委員に立候補し、前年度の経験をいかして「登下校を見守る係」のチーフ役を買って出ました。

なんて言うと聞こえは良いのですが、わたしの本音としては、子どもひとりにつき1回はPTA委員をやるというノルマを早く終わらせたい、下の子の真っ白なカルテ(PTA委員歴記録用紙)を埋めてしまいたい、という消極的な理由で手をあげたのでした。6年生のときにカルテが真っ白なままだと、自動的にPTA委員になってしまいます。じつは、わが家の子どもたちは2人とも中学受験を予定していたため、6年生のあいだは受験サポートに専念したかったのです。

もうひとつ、早くPTA委員をしておきたかった理由があります。わたしの学校では、6年生だけは通常のPTA委員に加えて、卒業対策委員、通称卒対(ソツタイ)を選出します。友だちから聞く限り、卒対になると多忙を極めるようです。

当時からフリーのライターをしていたわたしは、拘束時間が長くなったりして仕事との両立が難しくなることを懸念する気持ちがありました。下の子が6年生のときに卒対になるのはわが家の状況からすると難しかったので、先にPTA委員をしておきたかったのです。

さて、PTAのお役を果たした上の子のクラス。6年生の委員決めは難航するだろうと、保護者会に身構えて出かけて行ったところ……

「最終学年だからなごり惜しい、思い入れのある小学校で役に立ちたい、最後に仲の良い保護者と思い出づくりをしたい」と卒対を希望する保護者が複数手をあげてくれたので、すんなり決まりました。ありがたいと思うと同時に、世の中うまくバランスがとれているな、いろいろな保護者が支え合っているんだなと実感しました。

下の子が6年生のときはなかなか手があがらず、卒対を含むすべてのPTA委員をくじ引きで決めました。

委員を話し合いで決めるにせよくじ引きするにせよ、必要以上にもめることなくサラッと決まって欲しいものですが、それぞれ事情があるので、なかなかそうもいきませんね。

小学校におけるPTA活動の課題

いま思えば、こうした方がよかったのかな、と思うこともあります。

たとえば、公立小学校は基本的に土日が休みなので、PTA活動も平日の昼間に学校に集まって行なうことが多かったと記憶しています。正直、平日にフルタイムで働いている保護者にとっては、出席すること自体がキビシイのではないかと感じられました。

当時は学校に集まって活動することを前提にしていたので、平日以外の活動は難しいという状況がありました。いま思えば、公民館などを借りて平日夜や土日に集まる方法もあったかもしれません。

働く保護者がもっとPTA活動に参加しやすくなるよう配慮する必要性を感じるとともに、これまでどおり平日昼間の方が活動しやすいという保護者への配慮もまた必要です。両立させることは難しいことではありますが、小学校におけるPTA活動の大きな課題ではないかと感じます。

当時とちがっていまはスマホが普及しているので、SNSで意見交換や話し合いをするなど、ICTの活用を課題解決の糸口にできるかもしれません。自分たちの状況に合わせてバランスよく活動できる方法をさぐりながら、無理なくPTA活動をして欲しいとわたしは思います。

梅本真由美(うめもとまゆみ)
サイエンスライター。
長野県出身。NTT勤務を経てNTT系列の広告代理店で編集・マーケティング・企業向けWebページの企画制作などを担当。結婚後は専業主婦となる。2002年、 「天文台マダム日記」の公開がきっかけでライターに転身、朝日新聞・天文雑誌などに執筆多数。現在、月刊星ナビにて「天文台マダムがゆく」、国立天文台の公式サイトにて「天文台マダム VERAに夢中!」を連載中。