〜ヒラからPTA会長まで〜 PTAひととおりやってみた

第6回 PTAは続くよ、中学・高校でも

第6回 PTAは続くよ、中学・高校でも

小学校で2年間、ヒラのPTA委員を体験したわたし。小学校を卒業した上の子は中学受検を経て公立中高一貫校へ進学しました。ここからはわたしが体験した中学・高校でのPTA活動について書いていきます。

入学式直後のPTA委員決めにビックリ

4月をむかえ、上の子は中学1年生に、下の子は小学校5年生になりました。上の子の入学式は晴れやかな雰囲気に包まれ、これから過ごすかけがえのない日々への期待に胸がふくらみました。

入学式が終わると、子どもたちは担任の引率で教室へ、わたしたち保護者は別会場へと案内されました。大学の講義室のような大きな会場で子どものクラスごとに分かれて着席し、しばらくすると……バタン! と出入り口の扉が閉まりました。

「えっ、もしかして閉じ込められちゃったとか?」

たまたま扉が閉まっただけかもしれませんが、わたしには、あのときの扉の音が忘れられないのでした。

「みなさま、ご入学おめでとうございます」

保護者の一人がマイクを持って話しはじめました。入学式のあとに待っていたのはPTAの説明会だったのです。

「そうか。中学校にもPTAがあるんだ、子どもが高校を卒業するまでPTAは続くんだ」

子どもの入学式に気をとられてすっかり忘れていましたが、まだまだPTAとのつき合いは長いのだと、わたしはあらためて感じたのでした。

中学・高校におけるPTA活動とは

この学校のPTA活動の目的は、子どもたちの教育・生活環境を整備すべく、学校の先生と保護者が手を携えて取り組んでいくというものでした。なるほど、大きな趣旨は小学校のときのPTAと同じなんですね。

小学校のPTAと大きくちがう点は、学区の広さです。子どもたちはさまざまな地域から電車やバスを利用して通学しています。そのため小学校のPTAにあった青少対(「青少年対策地区委員会」の略称で、青少年のすこやかな成長を願って活動する地域団体のこと)や、地域ボランティアとの連携といった地域密着型の活動は、ここでは行なわれていませんでした。

また、上部組織であるP連(PTA連合会)に加入していないため、このPTAでは学校内のできる範囲で、子どもたちの教育に寄り添った活動をしているとのことでした。

中高一貫校のなかには中学PTAと高校PTAは別組織という学校もあるそうですが、わたしの学校はそうではなく、中学と高校を合わせてひとつのPTA組織だと説明がありました。中学と高校の保護者がいっしょに活動するメリットとして、同じ学年の保護者どうしによる「横のつながり」に加え、異なる学年の保護者と「縦のつながり」ができ、上の学年や高校のようすを知ることができる、という声が紹介されました。

また、入学したばかりのわたしたち中学1年生の保護者のメリットとして、PTAで1年間活動することによって、いち早く学校のようすがわかるようになること、先生方と話す機会が増え、ふだんの子どものようすを知ることができ、それによって子どもとの会話も広がるといったことなどが紹介されました。

そして説明が終わったら即、この場で委員決めをすると告げられたのでした。

「えっ、もう決めちゃうの?」

あまりに効率的な展開にビックリしましたが、わたしとしてはわが子が6年間お世話になる学校ですし、早いうちに委員をするメリットも理解できたので、積極的に委員をやりたいわけではないけれど、だれも手をあげる人がいなければ自分が委員を引き受けてもいいかな、と「やや前向き」な気持ちになっていました。

大団円の委員決めに胸をなでおろす

いよいよ委員決めです。PTA委員は各クラスから学年委員2名・文化部員 1名・会報部員1名の計4名が選出されます。

  • 学年委員は保護者懇談会の開催や、学校との連携を重視した活動を行なう
  • 学年委員のうち数名は翌年度の本部役員を選出する選考委員を兼任する
  • 文化部員はバザーや講演会などを企画・開催する
  • 会報部員はPTA活動に関する会報誌を編集・発行する

という、それぞれの活動についてもだいたい理解できました。

「まずは学年委員ですが、どなたかいかがでしょうか?」

声がかかるやいなや、サッ! と複数の手があがり、各クラスとも一瞬にして学年委員が決まりました。続いて文化部員、会報部員ともに立候補の手があがり、会場は大きな拍手に包まれました。
もしだれもいなければ……などというわたしの心配をよそに、委員決めは大団円をむかえました。

あとでわかったことですが、わたしの学校では中1、中2の委員決めは立候補で比較的サッと決まることが多いようです。やはり子どもが希望し受検を経て入った学校だということが、保護者にとって学校やPTA活動への協力意欲につながっているようでした。

また小学校のときのような、子どもひとりにつき1回はPTA委員をやるというノルマもありませんでした。できる人ができるときに引き受けるというスタンスです。

まさか数年後にこの学校でPTA会長になるなんて、このころは想像もできませんでしたが、まずは自分が委員にならずにすんでホッと胸をなでおろしたところから、わたしの新たなPTA活動が始まったのです。

梅本真由美(うめもとまゆみ)
サイエンスライター。
長野県出身。NTT勤務を経てNTT系列の広告代理店で編集・マーケティング・企業向けWebページの企画制作などを担当。結婚後は専業主婦となる。2002年、 「天文台マダム日記」の公開がきっかけでライターに転身、朝日新聞・天文雑誌などに執筆多数。現在、月刊星ナビにて「天文台マダムがゆく」、国立天文台の公式サイトにて「天文台マダム VERAに夢中!」を連載中。