〜ヒラからPTA会長まで〜 PTAひととおりやってみた

第11回 教員の忙しさを目の当たりに

第11回 教員の忙しさを目の当たりに

メールを駆使して活動

文化部のトップバッターは研修班です。6月下旬にPTA会員を対象とした絵手紙の講習会を計画しました。

絵手紙を習っている部員のツテによって講師が決まり、とんとん拍子に計画が進みました。開催までひと月ほどという忙しさですが、副部長を中心にどんどん準備を進めます。

とはいえ、遠くから通う部員どうしがひんぱんに集まることは難しいので、部員どうしの話し合いは主にメールのやり取りで行なっていました。
わたしが文化部長をしていた平成25年当時は、ちょうどガラケーからスマホへ移行しつつある過度期でした。子どもにはスマホを買ってあげたけれど自分はガラケー、という保護者もちらほら。メールアドレスをもたない部員には電話、FAXを補助手段として使い、連絡もれがないよう気をつけました

こうして部員たちがまとめた活動計画は、文化部担当のA先生の確認が必要です。
また、講習会会場とする教室の使用許可を得たり、長机やホワイトボードといった学校の備品を借りたりする場合も、学校で手続きをしなくてはなりません。
わたしと副部長は、手続きを進めるために学校へ出向き、A先生に活動の詳細を相談しようと考えました。

先生がつかまらない

まずはアポ取りです。学校に電話をし、A先生を呼び出してもらったのですが……「ただいま席を外しています」とのこと。昼休みに再度電話をするも空振り。その後も何度か授業終了の時刻を見はからって電話をしたのですが、状況は同じです。なかなかA先生とコンタクトが取れません

わが子2人も「授業以外で学校の先生に会うのは難しいよ」と、わたしを諭します。

子どもたちいわく、
「先生方の予定はだれにもわからないんだよ。突然ろう下で生徒に呼び止められて対応したり、教科準備室で生徒の質問に答えたりして、イレギュラーな仕事に追われているから。急に訪ねていっても会えないと思うよ。」
とのこと。ではいつなら面会できるのでしょうか。わたしの気持ちはあせります。

その後、わが子へのリサーチにより、6時間目が終わった直後には、ほぼすべての先生方が職員室の自分のデスクへ教材を置きに戻ってくることがわかりました。

「よし、そのタイミングで学校へ行こう!」
さっそく副部長に連絡です。

はじめて目にする先生方の姿

ある日の放課後、わたしと副部長は職員室の前に立っていました。待ち伏せ作戦、というわけです。6時間目終了のチャイムが鳴ってしばらくすると、授業を終えた先生方が続々と職員室に戻ってきました。ところが、職員室に入るや否や、先生方はふたたび職員室を飛び出し、職員用更衣室に吸い込まれていきます。

「えっ、もう帰宅するの?」
と思いきや、今度はジャージ姿で出てきて足早に去って行きました。

「そうか、みんな部活動の指導に行ったんだ。」

そこへA先生の姿が見えたので、用件を伝えます。
A 先生に「今後の連絡手段としてメールアドレスを教えて欲しい」とお願いしたのですが、「メールは使っていない」とのこと。代わりに携帯電話の番号を教えていただきました。
「22時以降でないと電話に出られないことが多いけど、困ったときはいつでも連絡してください。」とA先生。ありがたいです。
そして職員室でひと息つく間もなく、部活動の指導に向かっていきました。

それまでのわたしは、こうした先生方の忙しさをなにも知らずにいました
PTA活動によって、ふだん見ることのない先生方の姿に触れ、ただただ頭が下がる思いでした。
A 先生は今年定年退職されましたが、エネルギッシュなジャージ姿はいまでもわたしの目に焼きついています。

梅本真由美(うめもとまゆみ)
サイエンスライター。
長野県出身。NTT勤務を経てNTT系列の広告代理店で編集・マーケティング・企業向けWebページの企画制作などを担当。結婚後は専業主婦となる。2002年、 「天文台マダム日記」の公開がきっかけでライターに転身、朝日新聞・天文雑誌などに執筆多数。現在、月刊星ナビにて「天文台マダムがゆく」、国立天文台の公式サイトにて「天文台マダム VERAに夢中!」を連載中。