〜ヒラからPTA会長まで〜 PTAひととおりやってみた

第13回 念願の天文講演会を開催

第13回 念願の天文講演会を開催

文化部の行事もいよいよ講演会を残すのみとなりました。

いきなりピンチ! 日程調整が難航

わたしたち講演会担当は、秋の講演会開催に向け、文化部が始動した5月から活動をはじめました。

一番大変だったのは講演会の日程調整でした。
まずは講演会の日時を決めなければなりません。日曜日は学校の規則により、一切のPTA行事が開催できないため、なるべく多くの人が参加しやすい土曜日の午後に開催したいと考えました。

次に講演会の会場選びです。学校内でスクリーンや音響設備が整った一番大きな教室となると、選択肢はひとつしかありません。約220名が着席できる視聴覚室です。
ところが視聴覚室は、模試の会場や入学希望者に向けた学校説明会の会場として、頻繁に使われていました。

あらためて確認してみると、夏休み以降で土曜日の午後に視聴覚室があいている日は、たった4日。これにはおどろきました。
学校の立場で考えると、土曜日もこんなに行事がいっぱいあって、学校がこれほど頻繁に使われているとは気づきませんでした。

講師としてお呼びする教授も、学会や海外出張などでスケジュールがびっしり。土曜日の午後では日程の折り合いがつきませんでした。

「このままでは開催日が決まらない。どうしよう……。」

そんななか、平日の定期考査最終日の午後に開催してはどうか、という案が出ました。定期考査の最終日は午後の授業がありません。考査が終わったあとなら、生徒たちも参加しやすいにちがいありません。
教授とも日程が調整でき、講演会は12月の金曜日に決まりました。まずはひと安心です。

PTAと学校が一丸となって準備

日程が決まれば、あとは準備を進めるのみ。
わたしは講師依頼書などの必要書類を作成し、文化部長として、教授のもとへあいさつと打ち合わせに行きました。

さらにPR大作戦として、各教室に講演会のポスターを貼ってもらいました。
また、学校の図書館の協力を得て、10月から講演前日まで図書館に教授のコーナーを開設していただき、著書の展示や紹介、貸し出しを行ないました。ときどきわたしも図書館のようすを見に行きましたが、教授の著書がすべて貸し出し中だったことがあり、生徒の関心の高さがうかがえました。

教授は中学3年生の教科書を執筆していて、通常その単元は1学期に学習するのだそうです。ところがその年はなんと、学校が年間の学習予定を変更して、講演会直前に学習するよう調整してくださったのです。
教授の講演会に、学校をあげて協力しようという気持ちが伝わってきて、とてもありがたく思いました。

さて、わたしたち講演会担当は、比較的スムーズに準備を進めることができました。というのも、部員のひとりが、「だれが、いつまでに、なにをすればいいか」を一目でわかるようA4用紙1枚の表にまとめてくれたのです。それはまさしく、タスク管理表

バザーの整理券のときもそうでしたが、PTA活動を円滑に進めるうえで、こうした一人ひとりのノウハウが非常に役に立つことを何度も実感しました。

講演会は満員御礼! 大成功

講演会当日、会場は満員御礼。教授の講演スタイルは、演台にじっとしているのではなく、みんなの前に出て身ぶり手ぶりをしながらのフリートークです。
2年前、わたしが教授の講演に感動して、「この教授を呼びたい、生徒たちに聴かせたい」と感じたあの日と同じように、教授は、熱く、情熱的な語り口で、研究の最前線の魅力をあますところなく語ってくださいました。

とくに、コンピュータシミュレーションや観測データを用いた美しい映像を使って、宇宙のさまざまな天体や宇宙の構造を案内する場面では、会場から感嘆のため息がもれるほどでした。

質疑応答では、生徒たちから次から次へと質問が飛び出しました。ある生徒が、「休みの日はなにをしているんですか?」と切り出してからは、教授の趣味やプライベートにまで話がおよび、楽しいやり取りが続いて盛り上がりました。

講演終了あと、感想でびっしり埋まったアンケート用紙を見たときは、文化部一同、感激しました。
「感動しました」「一生の思い出にします」「自分の将来について深く考えることができました」「自分もがんばりたい!」などの感想を見て、わたしは、ずっといっしょにがんばってくれた副部長と思わず抱き合っていました。

教授からも「熱心な中高生の前で楽しく話すことができた」とコメントをいただき、うれしかったです。
多くの喜びの声を目にして、わたしは、「教授を呼べてよかった。日程が決まらず大変な時期もあったけれど、開催して本当によかった」と心から思いました。

梅本真由美(うめもとまゆみ)
サイエンスライター。
長野県出身。NTT勤務を経てNTT系列の広告代理店で編集・マーケティング・企業向けWebページの企画制作などを担当。結婚後は専業主婦となる。2002年、 「天文台マダム日記」の公開がきっかけでライターに転身、朝日新聞・天文雑誌などに執筆多数。現在、月刊星ナビにて「天文台マダムがゆく」、国立天文台の公式サイトにて「天文台マダム VERAに夢中!」を連載中。