AI時代を生き抜くために 「失敗力」を育てる6つの栄養素

第1回 失敗できない人は、成功できません


エリートを目指して完璧な準備をしたつもりでも、その道はなくなるかもしれない・・・。
『1歩先いく中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』(晶文社)

子どもには、幸せな大人になってほしいから

あなたは、お子さんにどんな大人になってほしいと思っていますか?
「なにか好きなことを見つけて、輝いてほしい。」
「世の中の役に立つ人になってほしい。」
「グローバルに活躍してほしい」
あるいは、「一生食べていけるような資格やスキルを身につけてほしい。」という人もいるかもしれません。
いずれにしても、みなさんの願いは、「子どもに幸せになってほしい」ということではないでしょうか。

では、子どもが与えられた才能を発揮して幸せに生きていくために親はなにをすればいいのでしょうか。子育てについては、いろいろな情報があふれていますよね。みなさんも、思うようにならない子育てと、あふれる情報に振り回されて不安になってはいませんか?

しかも今は、変化のスピードが速く、それらの情報もすぐに古くなってしまいます。

そこで、みなさんのお子さんが将来幸せに生きていくために、おさえておくべきことを厳選して紹介していきたいと思います。

失敗力ってなに?

さて、このシリーズのタイトルにある「失敗力」という言葉はどういう意味でしょう。
「失敗する力?」。いいえ、そうではありません。

「失敗力」とは、失敗を恐れずに挑戦する力です。

でもわたしたちは、失敗を恐れます。
だから子どもにもついつい「そんなことをしていると失敗するよ」とアドバイスをしがちです。

しかし、ちょっと考えてみてください。失敗したのは、そのときの能力以上のことに挑戦した結果です。つまり、成長のチャンスということですね。
失敗させないということは、子どもの成長のチャンスを奪ってしまうことではないでしょうか。

多くの偉人も、失敗に関する言葉をたくさん残しています。

例えばエジソン。
電球を発明するまでに、1万回失敗を繰り返したそうですが、彼自身はこう言っています。

わたしは失敗したことがない。ただ、1万通りの、うまく行かない方法を見つけただけだ。」


こんな考え方ができたから、偉業を達成できたのですね。

なぜ今、失敗力が必要なの?

子どもが幸せな大人になって生きていくために、どんな時代でも変わらず必要なことと、その時代に必要な技術や能力があると思います。

では、子どもたちが大人になるころ、どんな時代が来るのでしょうか。

「人工知能(AI)の発達で、今後10~20年程度で、日本でも総雇用者の約49%の仕事が自動化される可能性が高い」という研究結果が発表され、 人工知能(AI)に対する関心が高まっています。
子どもたちが生きる未来は、わたしたちの想像を超えた変化の時代といえるでしょう。
ということは、子どもが幸せに生きていけるように万全の準備をしたつもりでも、その道がなくなってしまうリスクがあるということです。

リスクというと子どもたちの未来は暗雲が立ち込めているようですが、見方を変えれば、49%の仕事の代わりに、新しい仕事が生まれるチャンスがあるということです。
エジソンもこう言っています。

「それは失敗じゃなくて、その方法ではうまくいかないことがわかったんだから成功なんだよ。」

ピンチはチャンスです。

しかし、ピンチをチャンスにするためには、失敗を恐れずチャレンジする力、「失敗力」が必要です。AI時代を生き抜くために「失敗力」のある子どもに育てませんか?

このシリーズでは、子育てにおいて、どんな時代でも変わらず必要なこと、そして、AI時代に必要な技術や能力の育て方を、6つのカテゴリーに分けて、最新の学術研究などをもとに紹介します。

お子さんはもちろん、あなたの子育てをハッピーにする6つの栄養素です。


次回のテーマは、発達脳科学に基づく脳育てです。

中曽根陽子
中曽根陽子
教育ジャーナリスト

教育雑誌から経済誌、紙媒体からWeb連載まで幅広く執筆。子育て中のママたちの絶大な人気を誇るロングセラー『あそび場シリーズ』の仕掛人でもある。 “お母さんと子ども達の笑顔のために”をコンセプトに数多くの本をプロデュース。近著に『1歩先行く中学受験成功したいなら「失敗力」を育てなさい』『後悔しない中学受験』(共に晶文社)『子どもがバケる学校を探せ』(ダイヤモンド社)などがある。教育現場への豊富な取材や海外の教育視察を元に、講演活動やワークショップもおこなっており、母親自身が新しい時代をデザ インする力を育てる学びの場「Mother Quest 」も主宰している。公式サイトhttp://www.waiwainet.com/