対決!歴史人物バトル 平賀源内 VS レオナルド・ダ・ヴィンチ お宝探偵団の紹介 お知らせコーナー バックナンバー トップ
第一章 肩書(かたが)きの多いふたり 第五章 どっちもあやしい?
第二章 青年よ、都会に出よう! 第六章 源内の『モナ・リザ』!?
第三章 小説家と学者 第七章 ふたりとも生涯(しょうがい)独身だった
第四章 必要は発明の母か? 第八章 多芸多才か器用貧乏(きようびんぼう)か
第一章 第二章 第三章 第四章 第五章 第六章 第七章 第八章
どっちもあやしい?  
和尚 そうはいうが、源内という男の行動力は、なかなかのもんじゃ。  
  舞 たとえば、どんなこと?  
  和尚 日本初の博覧会ともいえる薬品の「物産会」を企画(きかく)・開催(かいさい)しておるし、薬草の鑑定をして鑑定料をもらったり、薬草の採取者と薬商のあいだに立ってブローカーみたいなことをしたり……。  
  翔太 なんか、あやしい。  
  ザザビー ワン(あやしい)。  
  和尚 ほかにも、秩父(ちちぶ)で金の発掘に乗り出して失敗したり、秋田で「古今の大山師(やまし)」を自称(じしょう)して鉄を掘(ほ)って……これは成功したみたいじゃがな。  
  大樹 ますますあやしいじゃん。  
  和尚 まだまだある。山で炭焼事業をやって成功。オリジナルの櫛(くし)や紙製の"革もどき"をつくって売って成功。「源内焼」という焼き物をつくって売ろうとして、これは失敗。羊を飼って毛織物の試し織りに成功するが商売にならず、これも失敗。  
  舞 なんか、半分以上失敗してない?  
  和尚
金の発掘に成功しておれば、大金持ちになれたのかもしれんがな……。
 
  大樹 あやしさでは、和尚以上だな。  
  和尚 わしと平賀源内をくらべるな。わしのほうが、まともじゃ。  
  大樹 次々と新しいものに挑戦する起業家でもあったんだね。  
  翔太 起業家っていうとカッコいいけどな。  
  舞 レオナルドもあやしいの?  
  和尚 いや、レオナルドのほうは、もっとちゃんとしておる。ミラノ大寺院の中央丸屋根の模型を製作、ミラノの当主とナポリ王の孫娘(まごむすめ)の結婚(けっこん)式場の機械じかけの「天国」の場を製作、花嫁(はなよめ)衣装のデザイン、宮殿(きゅうでん)新築と都市改革への参加、運河の改修工事、水利工事の設計監督……など、ちゃんと正式な発注を受けて仕事をしておるあたりは、源内とちがうところじゃな。もっとも源内も、秋田での仕事は秋田藩からの正式発注だけどな。  
  舞 だいぶん、レベルがちがうような……。  
  大樹 レオナルドってすごいな。  
  和尚 うむ。じゃが……レオナルドにも、ひとつ大きな欠点があった。  
  翔太 なに?  
  和尚 「完成嫌悪癖(けんおへき)」というやつじゃ。  
  舞 なに、それ?  
  和尚 レオナルドの作品には未完成のものが多いんじゃ。おそらく天才らしく、いろんなものをすぐに思いついて着手する……で、完成しないまま、また次のことをはじめる。集中はするが長続きしないところがあったんじゃな。絵以外のことをやっているときには絵筆を見ると腹が立つぐらい、ひとつのことに集中しておったらしい。レオナルド本人も「完成嫌悪癖」はコンプレックスだったのかもしれんなあ。
 
  翔太 「継続(けいぞく)は力なり」って、ことわざを聞かせてやりたいね。  
  大樹 でも、次から次にアイデアが浮かぶって、やっぱり、すげえよ。  















大樹の豆知識
『山師』

鉱山の採掘(さいくつ)事業をする人のこと。株などに投機する人のこともいうけど、どっちかっていうと他人をだましてカネをもうける詐欺師(さぎし)の意味で使われることが多いよな。