貨物を運ぶ巨大船！ 大きなエンジンの守護神「機関士」の仕事って？

海(うみ)ー！　船(ふね)―！　久(ひさ)しぶりにやってきたぞ！　内航船(ないこうせん)！

すごい迫力(はくりょく)！！　みんなは「内航船(ないこうせん)」ってどんな船(ふね)か知(し)っているかな？

今日(きょう)は静岡(しずおか)の清水港(しみずこう)から東京(とうきょう)の品川(しながわ)港(こう)まで貨物(かもつ)を運(はこ)ぶ「神(かみ)北丸(きたまる)」という内航(ないこう)船(せん)に乗(の)るよ！！

船(ふね)の中(なか)ではどんな人(ひと)たちが働(はたら)いているんだろう……？

まずは船長(せんちょう)さんに会(あ)いに行(い)ってみよう！ GOGOGO！！！

こんにちは！　「神(かみ)北丸(きたまる)」にようこそ！　この船(ふね)は、長(なが)さ約(やく)170m、重(おも)さ12,430トンもある大(おお)きな船(ふね)なんですよ！　2017年(ねん)生(う)まれなので、今年(ことし)で7歳(さい)を迎(むか)えました！

おお～！！　あたらしい船(ふね)なんですね！！　100m走(そう)を走(はし)ってもまだまだ船(ふね)が続(つづ)くなんて……すごく大(おお)きい船(ふね)だなぁ！

それに重(おも)さもある！！　こんなに大(おお)きな船(ふね)のリーダーでもある船長(せんちょう)さんって、どんなお仕事(しごと)をしているんですか。

船長(せんちょう)は、船(ふね)の針路(しんろ)や天気(てんき)、時間(じかん)、積(つ)んでいる貨物(かもつ)のことなど、船(ふね)の運航(うんこう)に必要(ひつよう)な情報(じょうほう)をすべて集(あつ)めて、安全(あんぜん)に計画通(けいかくどお)り運航(うんこう)する責任(せきにん)があります。

この船(ふね)で働(はたら)く全員(ぜんいん)の命(いのち)と、積(つ)んでいる貨物(かもつ)の安全(あんぜん)を預(あず)かる、重要(じゅうよう)な役割(やくわり)があるんですよ。

かっこいい！！　船長(せんちょう)ってぼくと同(おな)じように「キャプテン」とも言(い)いますよね。さすがキャプテンだ！

フェリーに乗(の)ったことがあるけど、内航船(ないこうせん)は「働(はたら)く船(ふね)」って感(かん)じ！　船(ふね)の中(なか)のようすも雰囲気(ふんいき)も違(ちが)いますよね！

この船(ふね)は、「RORO船(せん)」といって、貨物(かもつ)を積(つ)んだトラックやシャーシと呼(よ)ばれる荷台(にだい)ごと載(の)せて運(はこ)んでいます。

みんなの身近(みぢか)にある観光船(かんこうせん)とは、船(ふね)の大(おお)きさはもちろん、運(はこ)ぶ貨物(かもつ)の種類(しゅるい)や大(おお)きさ、量(りょう)まで異(こと)なります。運(はこ)ぶ距離(きょり)も長距離(ちょうきょり)になるので、船(ふね)の装備(そうび)も船内(せんない)もまったく違(ちが)うんですよ。

それにしても、こんなに大(おお)きな船(ふね)をどうやって動(うご)かしているんだろう？

船員(せんいん)さんを探(さが)してみよう！　GOGOGO！！

こんにちは！　この船(ふね)はメインエンジンと呼(よ)ばれる大(おお)きなエンジンの動力(どうりょく)で動(うご)いているんですよ。

ではここで問題(もんだい)です！　この船(ふね)のメインエンジンの力(ちから)は、軽自動車(けいじどうしゃ)でいうと何台(なんだい)分(ぶん)でしょう？

え〜！　全然わからない！

正解(せいかい)は……。

えええ～！？　そんなに！？　1台(だい)でもじゅうぶんなパワーがあるはずだから……びっくりしちゃった！！

想像(そうぞう)以上(いじょう)の数(かず)だよね！　それだけ燃料(ねんりょう)もたくさん必要(ひつよう)になるのかな？

そうですね。でも、一度(いちど)に運(はこ)べる貨物(かもつ)の量(りょう)で比(くら)べると、トラックよりもこの船(ふね)の方(ほう)が圧倒的(あっとうてき)に多(おお)いので、同(おな)じ量(りょう)の貨物(かもつ)を運(はこ)ぶのに必要(ひつよう)な燃料(ねんりょう)を比(くら)べると、この船(ふね)の方(ほう)が有利(ゆうり)なんですよ。

たとえば1トンの貨物(かもつ)を1km運(はこ)ぶときに排出(はいしゅつ)される二酸化(にさんか)炭素(たんそ)の量(りょう)は、トラックの場合(ばあい)は208gですが、船(ふね)の場合(ばあい)は43g。環境(かんきょう)への負担(ふたん)が少(すく)なくなるという強(つよ)みもあるんですよ。

ちなみに、輸送(ゆそう)の方法(ほうほう)を環境(かんきょう)へのダメージの少(すく)ない方法(ほうほう)に変(か)えることを「モーダルシフト」って言(い)います。

何(なに)かを比(くら)べるときは、基準(きじゅん)を変(か)えてみるってことも大事(だいじ)なんだね。すごく勉強(べんきょう)になる！

運送(うんそう)業界(ぎょうかい)全体(ぜんたい)で環境(かんきょう)に負担(ふたん)がかからない方法(ほうほう)を選択(せんたく)していくことは、SDGsの目標(もくひょう)達成(たっせい)のためにもすごく大事(だいじ)なことだね。

この船(ふね)のすごさは、それだけではありません！！　じつは、船(ふね)が前(まえ)に進(すす)む(む)には、船(ふね)の下(した)にあるプロペラの存在(そんざい)も必要(ひつよう)不可欠(ふかけつ)なんです。

わ！　さらに機関士(きかんし)さんが登場(とうじょう)！　そうか！　エンジンのパワーでプロペラが動(うご)くから船(ふね)が進(すす)む(む)んだね！　こんなに大(おお)きな船(ふね)だから、プロペラも大(おお)きそう……！？

その通(とお)り！　では問題(もんだい)です。この船(ふね)のプロペラの大(おお)きさはどれくらいでしょうか？

ぼくの身長(しんちょう)が1m80cmくらいだから……同(おな)じぐらいかな？

正解(せいかい)は、直径(ちょっけい)5m60cm。重(おも)さは約(やく)20トンもありますよ！

5m60cmって……キャプテン3人(にん)分(ぶん)じゃないか！　それなのに重(おも)さは286人(にん)分(ぶん)！　めちゃくちゃ重(おも)いんだね！

わー！　機械(きかい)がたくさん！！　ここはどこ……？

ここは機関(きかん)室(しつ)と言(い)って、船(ふね)を動(うご)かすためのエンジンや船(ふね)の中(なか)で使(つか)う電気(でんき)を作(つく)るための発電機(はつでんき)、海水(かいすい)から真水(まみず)を作(つく)る機械(きかい)やお湯(ゆ)を作(つく)るボイラーなどさまざまな機械(きかい)がある部屋(へや)です。

機械(きかい)専用(せんよう)の部屋(へや)があるなんてびっくり！　それにしても、ものすごい大(おお)きな音(おと)がするけど……！！

機関(きかん)室(しつ)は、船(ふね)の心臓(しんぞう)部(ぶ)！　大(おお)きな船(ふね)を動(うご)かすためにたくさんの機械(きかい)がフルパワーで動(うご)いているから、音(おと)にも迫(はく)力(りょく)があってかっこいいでしょ！

機械(きかい)たちのパワーをすごく感(かん)じる！！

一生懸命(いっしょうけんめい)働(はたら)いてくれている機械(きかい)たちの熱(あつ)い想(おも)いが伝(つた)わっているのかもしれませんね（笑）　この船(ふね)には、軽自動車(けいじどうしゃ)が●●●台(だい)分(ぶん)乗(の)るんですよ！！

ん？？？　大(おお)きな音(おと)で聞(き)き取(と)れない～～！！

また軽自動車(けいじどうしゃ)ワードが出(で)てきた……ってそこばかり考(かんが)えてた（笑）。台数(だいすう)？？　全然(ぜんぜん)わからないなぁ。

正解は……。

うわぁ～～！　そんなに乗(の)るなんてびっくり！！

これだけ大(おお)きくてパワーがある船(ふね)って、どれくらいの人(ひと)が働(はたら)いているんだろう……？

あんまり船員(せんいん)さんに出会(であ)っていない気(き)がするけれど……。たくさん乗船(じょうせん)しているに違(ちが)いない！

おっと、キャプテン、いいところに気(き)づきましたね！　では問題(もんだい)です。この船(ふね)は何人(なんにん)で動(うご)かしているでしょう？

軽自動車(けいじどうしゃ)が900台(だい)乗(の)る大(おお)きな船(ふね)だから……50人(にん)…？100人(にん)とか！？

船(ふね)の乗船(じょうせん)人数(にんずう)には規定(きてい)があるんですよ。この船(ふね)の場合(ばあい)は……。

こんなに大(おお)きな船(ふね)をそんな人数(にんずう)で！？　すごいチームワークだね！

ぼくたち機関士(きかんし)は大(おお)きなプロペラをまわすエンジン、船(ふね)の中(なか)で使(つか)う電気(でんき)をつくる発電機(はつでんき)、蒸気(じょうき)をつくるボイラーなどさまざまな機械(きかい)を整備(せいび)して、船(ふね)が安全(あんぜん)に運航(うんこう)できるように日々(ひび)努力(どりょく)しています。

もしも異常(いじょう)があったらどうなっちゃうんですか？

警報(けいほう)が鳴(な)ります。警報(けいほう)が鳴(な)ったら寝(ね)ていても食事(しょくじ)をしていてもすぐに機関(きかん)室(しつ)に集(あつ)まって、機関士(きかんし)全員(ぜんいん)で対応(たいおう)します。

わあ、大変(たいへん)！　いつ警報(けいほう)が鳴(な)るのかわからないと思(おも)うと、ドキドキしちゃう！

そうですね。トラブルが起(お)きる前(まえ)のささいなサインを見逃(みのが)さないように、目(め)を光(ひか)らせながら点検(てんけん)や整備(せいび)を行(おこな)っています。

ハドレストンさんは、どうして機関士(きかんし)になろうと思(おも)ったんですか？

ぼくは子(こ)どものころに「船(ふね)ってどうやって動(うご)いているんだろう？」って興味(きょうみ)をもったことがきっかけです。機関士(きかんし)になってまだ2週間(しゅうかん)なので、勉強(べんきょう)して仕事(しごと)を覚(おぼ)えていくのが楽(たの)しいです。

おおお～！　勉強(べんきょう)が楽(たの)しいって思(おも)えるのは、仕事(しごと)が大好(だいす)きってことだからかっこいいね！　先輩(せんぱい)の松本(まつもと)さんの仕事(しごと)のやりがいはなんですか？

トラブル対応(たいおう)です。トラブルが起(お)きないように日々(ひび)エンジンを点検(てんけん)・整備(せいび)していますが、機関士(きかんし)の腕(うで)の見(み)せどころとも言(い)えるんですよ！

みんなで力(ちから)を合(あ)わせてチームで対応(たいおう)するので、復旧(ふっきゅう)できたときはすごく達成感(たっせいかん)があります。トラブルが起(お)きるとヒヤッとしますが、自分(じぶん)の成長(せいちょう)につながる経験(けいけん)になるので、同時(どうじ)に「やるぞ！」という闘志(とうし)もわいてきます（笑）。

そうか、トラブルって起(お)きたら嫌(いや)だなって思(おも)っちゃうけど、松本(まつもと)さんのように成長(せいちょう)の機会(きかい)って前向(まえむ)きに思(おも)えると、がんばれそう！

どんな仕事(しごと)にも共通(きょうつう)して大事(だいじ)なことだよね。機関士(きかんし)に必要(ひつよう)な能力(のうりょく)は……これだぁ！

ハドレストンさんは勉強(べんきょう)が好(す)きって言(い)っていたけど、いろんな機械(きかい)を整備(せいび)するためには、学(まな)び続(つづ)けることがとっても大事(だいじ)だね。

あっあれは何(なん)だ！！！！！！？？？？？？

まだまだ船(ふね)は出発(しゅっぱつ)したばかり。次(つぎ)の港(みなと)に着(つ)くまでたっぷり時間(じかん)がありますから、船内(せんない)を探検(たんけん)してみてくださいね！