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「こうのとり」6号機 任務完了!

国際(こくさい)宇宙ステーション(ISS)へ、ISS長期滞在(たいざい)に必要な物資(ぶっし)や実験器具を運んだ、日本の宇宙ステーション補給機(ほきゅうき)「こうのとり」6号機(HTV6)が、今年(2017年)の2月6日、地球の大気圏(たいきけん)に再突入(さいとつにゅう)して、任務(にんむ)を完了(かんりょう)したよ。「こうのとり」6号機の打ち上げから任務完了までの経緯(けいい)や、「こうのとり」6号機の任務を見てみよう!

※時間はすべて日本時間です。

ISSから分離(ぶんり)された「こうのとり」6号機 。 提供:JAXA/ESA/NASA

12月9日・・・H-IIBロケットで打ち上げ!

ISSで宇宙飛行士が長期滞在をして、ISSの維持(いじ)や、宇宙空間を利用した科学実験を行っていくのには、宇宙ステーションに物資を運ぶ補給機の存在は絶対(ぜったい)に欠かせない。
日本の宇宙ステーション補給機「こうのとり」は無人の輸送機(ゆそうき)で、機体の質量(しつりょう・重さ)が約10.5トン、積む荷物の質量が最大約6トン、合計で最大約16.5トンにもなる。現在運用中の日本の人工衛星(えいせい)は重いものでも約5トンくらいなので、「こうのとり」は人工衛星に比べてとても重い! そのため「こうのとり」は、人工衛星や探査機(たんさき)を打ち上げているH-IIAロケットよりも打ち上げ能力が高い、H-IIBロケットで打ち上げられているよ。
H-IIBロケットはH-IIAロケットと同じ、鹿児島県(かごしまけん)の種子島(たねがしま)宇宙センターから打ち上げられる。「こうのとり」6号機は、昨年(2016年)の12月9日、H-IIBロケット6号機で打ち上げられたんだ。

photo2 物資が積み込まれ、フェアリング(ロケット先端(せんたん)の白いカバーの部分)に格納(かくのう)される「こうのとり」6号機。
提供:JAXA

photo3「こうのとり」6号機を搭載(とうさい)したH-IIBロケット6号機の打ち上げ。提供:三菱重工/JAXA

打ち上げ後、ロケットから分離された「こうのとり」6号機は、高度約400kmを秒速約8kmメートルというすごいスピードで飛んでいるISSに少しずつ近づいていった。そして、ISSのすぐ近くでISSと同じスピードになり、12月14日、ISSのロボットアームに把持(はじ・つかむこと)された。その後、ISSのロボットアームでISSにドッキングされたよ。
このドッキングの方法は、日本が独自(どくじ)に開発した技術(ぎじゅつ)で、今では同じ方法をアメリカの輸送機「シグナス」や「ドラゴン」も採用(さいよう)している。とっても信頼性(しんらいせい)の高いドッキング方法なんだ!

photo2 ISSに接近する「こうのとり」6号機。提供:JAXA/NASA

photo5ISSのロボットアームに把持された「こうのとり」6号機提供:JAXA/NASA

「こうのとり」6号機が運んだ新型バッテリ

「こうのとり」が運ぶ荷物は、宇宙飛行士の生活に必要な食料や衣料、日用品、ISSの長期運用に必要な機器類、「きぼう」日本実験棟(じっけんとう)などで行われる実験の機器や試料(しりょう)などさまざまだ。今回の「こうのとり」6号機は、いろいろな荷物と一緒(いっしょ)に、ISSで使う新型のバッテリ、リチウムイオン電池を運んだよ。
ISSは太陽電池を使って、太陽光から電気をつくっている。その電気をためておくのがバッテリだ。ISSでこれまで使われてきたバッテリはニッケル水素(すいそ)電池で、寿命(じゅみょう)が近づいてきて交換(こうかん)が必要になった。そこで、これまでのバッテリよりも充電(じゅうでん)能力(のうりょく)が優(すぐ)れた、日本で開発された新しいリチウムイオン電池に交換をすることになったんだ。
今回運んだ新型リチウムイオン電池は6台。今後、「こうのとり」9号機までの4回で合計24台のバッテリを運んで交換する予定だよ。

photo6 新型ISSバッテリに搭載される日本製のリチウムイオン電池(手前)と、バッテリを搭載した暴露(ばくろ)パレット(奥)。提供:JAXA

photo7新型バッテリへの交換のための船外活動を行う宇宙飛行士。提供:JAXA/Roscosmos

photo8 「こうのとり」6号機でISSに運ばれた、飲料水バッグに水を充填(じゅうてん)する装置(そうち)。提供:JAXA

photo9 「こうのとり」6号機でISSに運ばれた、日本産のりんご。「こうのとり」が到着(とうちゃく)すると、新鮮(しんせん)な食品を食べることができる。提供:JAXA/NASA

物を運ぶだけじゃない! 宇宙ごみ除去の実験にも挑戦!

「こうのとり」6号機で運んだ物資はISSに移(うつ)された後、逆(ぎゃく)にISSでいらなくなったものが「こうのとり」6号機に積み込まれた。そして「こうのとり」6号機は、今年(2017年)の1月27日、ISSから分離されたよ。
ISSからの分離後、「こうのとり」6号機はある実験を行った。地球の周りの宇宙には、たくさんの宇宙ごみ(スペースデブリ)がある。宇宙ごみの元になっているのは、使わなくなった人工衛星やロケット、さらには人工衛星どうしの衝突(しょうとつ)事故(じこ)などでまきちらされてしまったたくさんの部品や破片(はへん)だ。その数はあまりにも多くて、今後人類が宇宙で活動をしていくときのじゃまになってしまうと心配されている。そこで、宇宙ごみを無くすためのいろいろな研究が行われている。
そのうちの1つが、宇宙ごみに電気が流れるテザー(ひも)をつけて、テザーに電気を流し、地球の磁力(じりょく)との作用で宇宙ごみのスピードを弱めて高度を落とさせ、大気圏に再突入させて空気とのまさつで燃(も)やしてしまうという方法。
「こうのとり」6号機では、この方法の研究のため、テザーを伸ばして電気を流す実験を試みた。残念ながらテザーを伸(の)ばすことはうまくできなかったけど、宇宙空間に電子(マイナスの電気)を放出することで、逆に宇宙空間から電子を取り入れる成果は得られた。この成果が、いずれは宇宙ごみをへらすことにつながることを、期待したいね!

実験の後、2月6日午前0時6分ごろ、「こうのとり」6号機は大気圏に再突入した。ISSで不要になった物資と一緒に、大気圏でほとんどのものが燃えつきたと考えられているよ。

photo8 ロボットアームでISSから外された「こうのとり」6号機。提供:JAXA/NASA

photo11 宇宙ごみ除去(じょきょ)につながる実験で、「こうのとり」6号機から電気を通すテザーを伸ばしたようすの想像図(そうぞうず)。提供:JAXA

「こうのとり」について、くわしくはこちら。(JAXAのホームページ)